2017年12月17日

「生活扶助基準」切り下げに算定根拠があるのか?

 2013年5月、生活扶助基準が切り下げられたが、過去に例がないほどの下げ幅で、その算定に根拠がないのではないか。このため、全国各地で、切り下げの違法性、違憲性を訴える訴訟が起きている。
 憲法25条は、「健康で文化的な最低限度の生活」を営む権利を保障し、これを実現するため、生活保護制度がある。問題となっている生活扶助は、住居費や教育費以外の日常生活費用を援助するもので、給付額は厚生労働相が定める基準による。その決定は、恣意的であってはならない。判例・通説は、合理的な根拠・資料なしに基準を定めるのは違法・違憲ではないのか。
 制度発足当初、生活扶助基準は「マーケットバスケット方式」により決定され。これは、最低限度生活に必要と思われる物品とその数量をリスト化し、その物品の平均的な価格を積算して、基準額を定める方式である。しかしこれには、最低限度生活に必要な物品の選択が恣意的になりやすいとの欠点がある。
 そこで、1984年より、「消費水準均衡方式」が採用されるようになった。これは、各世帯の消費支出を調査し、「一般世帯」、「収入下位20%の一般世帯」、「生活保護世帯」の数値を比較し、その均衡を図りながら基準額を定める方式だ。
 13年の切り下げに当たり、厚労省は新たに、@「収入下位10%の一般世帯」の消費支出との均衡、A2008年から11年にかけての物価下落率4・78%を加味すること−とした。しかし、これらはまったく切り下げの根拠にはならない。
 まず、現状、生活保護制度の捕捉率は20%程度と言われており、「収入下位10%の一般世帯」には、生活保護を受給する資格があるのに、受給できていない世帯がかなり含まれている。にもかかわらず、生活扶助基準を「収入下位10%の一般世帯」に合わせたら、基準額は際限なく低下してしまう。
 また、4・78%もの物価下落は、総務省が長年使ってきた指数ではなく、厚労省が引き下げに際して独自に算定したものなのだ。この指数については、比較の基準年と考慮品目のウエートを恣意的に操作しているという指摘がある。具体的には、テレビやノートPCなどの電化製品の価格下落が不当に大きく反映され、極端な物価下落を示す数値になっているという(白井康彦『生活保護削減のための物価偽装を糾す』)。
 さらに、仮に4・78%もの極端な物価下落があれば、当然、一般世帯の消費支出の金額も大きく低減するはずなのだ。つまり、物価の上昇・下落は、消費水準均衡方式の採用自体によって、すでに基準額に反映されているはずだ。それに加えて、さらに物価下落を基準額算定に反映させるのは、物価下落の二重計上になってしまう。そうすると、物価下落を考慮すること自体が、計算を不正確にしてしまい、不適切なのだ。
 もちろん、社会状況によっては生活保護基準額を下げるべき場合もある。しかし、13年の切り下げは、合理的な資料・根拠に基づくものとは到底言えないのである。生活保護バッシングの風潮に便乗した、不当なものだったのではないか。生活保護は、生活困窮者の最後のとりでであり、憲法が保障する権利であることを考える必要があるはずである。
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2017年12月15日

「自立」とは、経済的自立?

 建屋内の案内は、英語・中国語(簡体)・ハングル・中国語(繁体)が併記されている。
 「○○市の福祉事務所では、生活保護廃止(生活保護からの脱却)に至る人数に年間ノルマが課されていて、『自立指導』という名目での強引な就労指導が行われている」
 といった風聞は後を絶たない。
 しかし、江戸川区の担当者に率直に尋ねてみたところ、
 「江戸川区では、そのような数値目標は設定していません」
 という答えが、即座に返ってきた。逆に
 「ご自分の考える『生活保護からの自立』って、何ですか」
 と問いかけられた。
 たとえば、障害者で車椅子等の補装具を必要としているとすると、「障害者の自立」とは、補装具が不要になることではない。このケースにとっての生活保護費は、障害者にとっての補装具と同じと考えていいいのではないか。でも、この考え方は、「生活保護は甘え」という主張の持ち主に受け入れられるだろうか。
 返答に窮してしまった。すると、担当者は、
 「私たちは、自立を3つに分けて考えています。経済的自立、日常生活の自立、社会生活の自立。まず、1人ひとりに合わせた、その段階での『自立』を考えます。各ケースワーカーも考えますし、担当チームや係でも話し合います」
 と言う。
 「経済的自立」は、生活保護水準以上の収入が得られる就労をすれば実現できる。しかし、無理にそのような就労を目指すと、せっかく就職しても短期間で心身の健康を害するかもしれない。
 「日常生活の自立」は、経済的自立の前提条件でもある。たとえば、精神疾患を持つケースのうち相当数は、引きこもって昼夜逆転した生活をしている。これでは、通院もできない。この段階での目標は、まず「昼間起きていられること」になる。
 「社会生活の自立」は、生活するために必要不可欠なことである。たとえば介助の必要な重度障害者にとって、「自分の意志を表明する」「支援者とのコミュニケーションを取る」は、生存を維持し、少しずつでも生活の質を高めていくために必要なことである。
 人間が1人ひとり異なる以上、個人の特性を無視した画一的な「自立指導」は成立しないのだ。
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2017年12月13日

生活保護受給者を減らすための課題と対策

 生活保護受給者の増大要因は、生活保護制度そのものに問題があるというよりは(もちろん入りにくく抜けにくいなど制度自体の問題もあるが)、生活保護を取り巻く周辺制度のもろさが問題である。したがって、生活保護受給者を減らすためには周辺制度の充実が不可欠だ。その具体策として、@最低保障年金の創設、A失業給付の強化と就労支援の強化、B就学援助、奨学金の充実を提案する。新鮮味はないが、これらが最適ではないか。
 @最低保障年金は、文字通り最低生活を保障する年金である。月額66,000円の年金ではとても生活できない。そこで、住宅費なども含めた必要最低限の生活ができる金額まで受給額を引き上げることで、高齢者の生活保障をすることが重要だ。そもそも生活保護の目的は「自立の助長」であるが、現在の制度は高齢者も若者も労働者もすべてを抱え込んでしまっている。「自立の助長」を目的としている制度の中に、稼働能力のない高齢者を含めてしまうのは根本的に矛盾している。こうした矛盾をなくすためにも、最低保障年金の創設は重要である。一方で、経済的に余裕のある高齢者に関しては年金支給額を減額する措置も考えるべきだ。社会保障を考える上では財源についても検討しなければならず、日本の財政状況を勘案すれば余裕のある高齢者にまで貧しい高齢者と同額を支給する余裕はない。そこで、財源を保険料ではなく税金とすることで負担と給付の関係を不明確にし、貧しい人を社会全体で支え合う再分配的要素を強くした制度設計を確立すべきだと考える。また、そもそも保険料を払わない、もしくは払えない人が増えているのだから、年金制度を持続可能にする上でも税による調達のほうが効率的ではないか。
 A失業給付の強化と就労支援の強化も文字通りである。1年以上の長期失業者が増大しているにもかかわらず、最長でも330日までしか失業給付が受け取れない状況は、現状に即した給付要件とは言えない。加えて、雇用保険に加入していない人は失業給付を受け取ることすらできない。ここでも財源を税金とすることで失業した場合には誰でも受け取れる制度を確立するというのも、議論の余地があるのではないだろうか。変化の激しい現代だからこそ、いつ、誰が失業するかはわからないので、社会全体で支え合う制度設計が求められているように思う。
 Bは就学援助、奨学金の充実である。教育に関しては、もはや財源云々の問題ではないと考える。教育は生活保護を抜け出すための手段にとどまらず、国の根幹を作り上げるものだからだ。子供の自己責任とは言えない経済的な理由から、教育の機会均等を奪うようなことは決してあってはならない。貧困の連鎖を断ち切るという目的に加えて、教育は未来の人材への投資と考えて、今すぐにでも就学援助、奨学金は充実させるべきだ。
 一方で私は教育に関してはすべて無償化がベストだと考えている。未来の人材への投資という点から言えば、年金と違って教育は経済力にかかわらず全員に恩恵をもたらす必要があるからだ。しかし、実現可能性を考えると現状ではかなり難しそうなので、少なくとも経済的理由で進学ができないということがないよう、就学援助、奨学金の充実を提案する。民主党政権下での、子供は社会で育てるという理念の下、所得制限なしで現金を渡した子ども手当は、私は一定の意義があったと考えている。これに修正を加えながらの発展を望んでいたのだが、旧来の所得制限ありの児童手当に戻るようなので残念だ。この点が今後の課題だと考える。
 以上3点が私の考える受給者を減らす対策である。これが完璧であるとは到底思えないが、それなりの効果は上げるのではないか。
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2017年12月12日

生活保護受給者増大の背景と問題点

 生活保護受給者増大の背景には、生活保護制度そのものの問題点だけではなく、生活保護を取り巻く周辺の制度との関係の中で、いくつかの要因が存在する。
 生活保護受給者増大の背景を考える上での足掛かりとして、まずは受給者の構成について確認する。国立社会保障・人口問題研究所のデータによると、2010年度の受給者の構成比は、「高齢者世帯」が42.9%、「母子世帯」が7.7%、「傷病者世帯」が21.9%、「障害者世帯」が11.2%、「その他の世帯」が16.2%となっている。このデータから受給者の半数近くが高齢者世帯だということがわかる。
 ではなぜ、高齢者世帯の受給者が多いのか。それは不十分な年金制度が関係していると言える。日本年金機構HPによると、老齢基礎年金を満期の40年間納めた場合の受け取れる金額は、平成24年度で年額786,500円、月額では約66,000円である。これには住宅費や医療費、介護費などは加味されていないので、最低生活保障が困難になっている。そもそも年金制度自体の趣旨が老後の生活すべてを賄うようには設計されておらず、あくまで食費を中心とした老後の生活の「基礎部分」を賄うものと考えられている。したがって、年金とは、かつての所得の一部を支給することを目的としているので、最低限の生活を保障するものではない。このように年金制度が最低限の生活を保障するものではないために、今まで働いてきた分の貯蓄が十分でない高齢者が退職した後に最低限の生活ができずに生活保護へ流れるという構図ができている。
 年金との関連で言うと、近年の国民年金の納付率の低下も重要だ。要因としては年金制度に対する不信や、そもそも保険料が支払えないワーキングプアの増大が考えられる。国民年金の納付率が低下するということは、年金の受給できる額が減額、または無年金という状況も考えられる。こうした状況の人々が増えれば、生活保護受給者が増大するのは必然と言える。以上が一つ目の受給者増大要因である。
 次に検討するのが、雇用と生活保護受給者増大の関連である。不安定な非正規労働者の拡大も、生活保護受給者を増大させる要因となっている。かつての日本においては、日本型雇用と呼ばれる終身雇用が第一のセーフティネットの役割を果たしていたが、近年の非正規労働者の増大によって、終身雇用というネットはもろくなっている。こうしてもろくなった雇用からこぼれた人を受け止める失業給付も受けられる人が減っているのが現状だ。
 具体的にみていく。雇用と関連する生活保護受給者増大の背景としては、経済の低迷に伴う失業者の増加がある。国立社会保障・人口問題研究所によると、2008年以降「その他の世帯」が増大している。「その他の世帯」とは、働きながら生活保護を受けている母子世帯を除いた世帯がそれに当たる。すなわち働く能力のある失業者が生活保護受給者になったことを示す。「その他の世帯」は08年に10.6%であったが、09年には13.5%、10年には16.2%と増大している。リーマンショック以降の経済低迷で、多くの非正規労働者が派遣切りに遭った結果である。本来ならば失業した場合は雇用保険がセーフティネットの役割を果たし、失業給付が受けられるはずだが、非正規労働者の中には雇用保険に加入していないために失業給付が受けられず、直接生活保護を受けることになる。
 最近では長期失業者が増大していることも生活保護受給者を増大させる要因となっている。本田良一氏によれば、1990年時点では失業者のうち1年以上の長期失業者は19.1%であったが、2007年には32.0%に達するという。このように一年以上の長期失業者が増大しているにもかかわらず、失業給付の期間は原則として最長で330日なので、失業給付からこぼれて生活保護を受けるという形になっている。以上のように、非正規労働者が増大することによって雇用というセーフティネットからこぼれる人が増えたこと、雇用のセーフティネットからこぼれた人を支える失業給付が貧弱であるというダブルパンチによって、生活保護を増大させていることが言える。
 次に検討するのが貧困や教育、学歴の関連である。貧困や教育、学歴は密接に関連している。週刊ダイヤモンドに掲載されている大阪府堺市健康福祉局理事の調査によると、生活保護家庭の4分の1は世襲である。具体的に見てみると、全体のうち、過去に育った家庭も受給世帯の割合は25.1%で、母子家庭に至っては40.6%である。また、全体のうち世帯主が中学卒の割合は58.2%である。
 別のデータもある。これも同じ週刊ダイヤモンドに掲載されているもので、父の学歴によって子の収入も変わることを示している。具体的に見ると、父が大卒の場合の子の収入は、年収650万円以上が5割弱を占め、年収300万円未満は2割弱にとどまる。一方で父が中卒の場合の子の収入は、年収650万円以上は3割弱に過ぎず、年収300万円未満は2割強である。また、就学援助率と学力の関係を表すデータもあり、就学援助率が高い地域では学力調査の平均点が低いという結果が出ている。これらがいわゆる貧困の連鎖だ。
 では、貧困の連鎖を断ち切るための有効な手段とは何か。それは前述した父の学歴と子の収入のデータから見れば、学歴であると言える。
 ところが、日本の場合は教育費が非常に高いため、経済力の差によって教育機会の不平等が生じてしまっている。OECDが公表している『図表でみる教育 OECDインディケータ(2011年度版)』によると、日本の教育支出を占める私費負担の割合は、学校教育段階全てにおいてOECD平均を上回っている。ここでは高等教育(大学)について具体的に見てみる。日本では、私費負担全体で66.7%、そのうち家計負担は50.7%である。データの中で最も負担が低かった国のフランスを見てみると、私費負担全体で18.3%、そのうち家計負担は9.6%である。授業料で比較すると更にわかりやすい。『週刊エコノミスト 2012年8月13日号 大学生の授業料・奨学金に関する国際比較』によると、フランスの国立大学の授業料は年間1.8万円。一方の日本の国立大学は年間53.6万円、これに加えて入学金28万円を支払う。このように、日本の教育費、特に高等教育費が非常に高いために大学進学がかなわず、家庭の経済力の差によって教育機会が不平等となることで子どもの将来格差も生み出す貧困の連鎖が確立されてしまっている。こうした状況は、生活保護受給者の増大要因というよりは、世代を超えて生活保護受給者が再生産され、貧困から抜け出すことが困難であるという点で問題を認識すべきである。
 
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2017年12月11日

ホームレス排除とボランティアの努力

 ある人物の文章を読んだ。以下は彼の文章からまとめたものである
 アメリカといえば多数のホームレスを思い浮かべる方も多いであろう。ボストンでも数多くのホームレスを見かけた。大量の荷物を持ち運んでいる姿や、しばしば生気の乏しい表情、何よりも、ビルの前でドアを開けては金銭を乞う行動などから、「この人はホームレスなんだ」と明確に分かる。
 とはいえ、そのホームレスたちが、服や身体から異臭を漂わせていることは非常に少ない。多くは、小ざっぱりとした身なりをしている。頭も身体も、清潔に保たれている印象を受ける。彼が何人かのボストン在住者に聞いたところ、
 「シェルターがあって、食事を食べられたりシャワーを浴びられたり、清潔な服をもらえたりする」
 という話である。
 「シェルターは全く足りていない、なにしろホームレスは増え続けているんだから」
 と語った。彼女は、ボストン在住のサイエンス・ライターである。彼女をはじめとするボストン在住者たちに聞いた話を総合すると、単身のホームレスがシェルターでシャワー・食事・清潔な服などの提供を受けられるのは事実なのだが、ホームレス全員が寝泊まりできるほどのシェルターはない。数日に一度、シェルターが利用できれば幸運、という感じであるらしい。
 彼女は、
 「空き地でキャンプしたり、公園で寝泊まりしているホームレスを、警察は排除しつづけていて、それは大きな問題になってる。日本でも同様の問題はある」
 と尋ねてきた。かれは、現在進行形の問題として、東京都江東区堅川での野宿者排除問題について話した。そして、
 「そのエリアは、成田空港から東京方面に『成田エキスプレス』で行くときに通過する場所だから、河川敷や空き地を見かけたら『ホームレスが排除された場所かも』と思ってみて」
 と補足した。話しながら、
 「何か、自分が心から『日本の誇り』と思えることを話せればいいのに」
 と思ったが……「日本の」という括りで答えられることは、何も思い浮かばない。お笑い芸人の母親が生活保護を受給していたことに端を発した「生活保護バッシング」。勇気をもってデモや記者会見に臨む当事者たちにネット上でぶつけられた誹謗中傷の数々。どれ1つ取っても、「日本人として恥ずかしいから、外国の人には、話さずにに済むなら話したくない」と思ってしまうようなことがらばかりだ。
 彼女はまた、ボランティアとして支援活動に参加しているとも語った。過去、ホームレスが販売する雑誌として知られる「The Big Issue」の編集・執筆に関わっていたこともあるという。彼が、
 「同じ雑誌が日本にもあるよ」
 と答えたら、笑顔を浮かべてくれた。よかった。「日本の誇り」までの大風呂敷は広げられないけれども、日本のポジティブな側面として伝えられることが1つはあったということである。
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2017年12月10日

日本の生活保護基準は「米国並みに下げる」べきか?

 日本の生活保護基準は、金額を国際的に比較した時には、決して世界的に低い水準にはない。日本よりも高い国を探すほうが大変なほどである。このことを根拠に、
 「日本の生活保護基準は高すぎるから、引き下げて先進諸国並みにすべき」
 という意見が数多く見られる。このとき、金額以外の要因が考慮されることは少ない。
 また、日本の捕捉率(注)は、決して高くない。このこともまた、
 「1人当たりの生活保護水準を引き下げれば、必要な人が全員、生活保護を利用できるようになる」
 という主張の根拠とされる。たとえば日本の捕捉率が20%であるとすれば、生活保護費の総額を変えずに貧困状態にある国民全員に扶助を行うためには、生活保護費を現在の20%まで引き下げればよい計算になる。
 このとき、引き下げてよい根拠としてしばしば引用されるのは、アメリカの制度である。
(注)公的扶助を利用している人数を、貧困状態にある人数で除したもの。日本では、20%前後と推定されることが多い。
 たとえば、「アメリカの公的扶助では現金給付はなく現物給付が主である」と言われる。確かに、アメリカの制度を見てみると、一般には「フードスタンプ」と呼ばれる「SNAP(補助的栄養支援プログラム)」をはじめとして、購入可能な品目を限定したICカード・食事そのものの無料提供・家賃補助・医療保険など、現物支給と考えても支障なさそうな扶助メニューが目に付く。
 一方で、アメリカの捕捉率は高く、約60%と言われている。現金給付である「TANF(貧困家庭一次扶助)」では、金額は1家族あたり年間8000米ドル程度と低く抑えられている。また、5年間の有期制であり、就労訓練・ボランティアが義務付けられている。これらの事柄をもとに、
 「日本においては生活保護基準を切り下げて有期制にすることが、公的扶助の捕捉率向上へとつながり、さらに当事者の就労自立へのモチベーションとなる」
 という主張がされる場面も多い。
 個々の社会保障制度の意味を性急に判断できるほど、筆者はアメリカの貧困事情や貧困政策に詳しくない。英語力も、踏み込んだ取材を英語圏で不自由なく行えるレベルに達しているわけではない。しかし日常的に、「アメリカでは」という主張は要警戒である、と感じている。現地の風土、現地の文化、現地の社会の生態系と切り離して、1つの制度の1つの側面だけを「……では」と取り上げることには、多くの場合、意味はまったくない。
 たとえば2011年、アメリカの公的扶助のうち食事・住宅・医療に関する上記の5つのメニューに必要であった費用の合計は、5077.8億米ドルであった。「1米ドル=95円」とすれば、48兆円である。人口を考慮しても、日本の生活保護費の約3倍程度の規模ではありそうだ。ここから「日本の生活保護制度は、そもそも予算不足すぎる」という結論を導くことも可能である。
 なお、これらの制度はアメリカ全土に適用される最低限度のものである。実際にはこれらに加え、州や各自治体が独自に提供している制度もある。制度により所得制限などの条件が異なり、したがって利用人数が異なるため、日本の生活保護制度のように1人あたりの金額を単純に算出することはできないが、少なくとも金額だけを見る限り、日本に比べ、かなり充実している感じを受ける。
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成長する新興国が先進国の雇用を奪う

 格差や貧困の直接の原因は長期化する世界不況だが、今回の不況の特徴は財政・金融政策がほとんど効かないことだ。
 企業業績は持ち直したが雇用は回復せず、アメリカの失業率は9%を超えた。この原因は一過性の景気循環ではなく、構造的な自然失業率が上がったからだ。アメリカの自然失業率は7.5%と推定されており、景気対策でこれ以下に下げることはできない。
 構造的な失業が常に生みだされる1つの原因は、新興国との競争が激化したことだ。特に製造業は新興国に生産拠点を移し、米国内の雇用は減っている。1990年以降、アメリカで創造された2700万人の雇用のうち、実に98%が非貿易財(国内のサービス業)によるものと推定されている。
 製造業で職を失った労働者は、流通や外食のような海外と競合しないサービス業に移る。サービス業は労働集約的で労働生産性が低いので、賃金も低い。GM(ゼネラル・モーターズ)で働いていた労働者が失業し、ウォルマートに再就職して賃金が半分になる、といった形で平均賃金が下がったのだ。
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2017年12月09日

成長する新興国が先進国の雇用を奪う

 格差や貧困の直接の原因は長期化する世界不況だが、今回の不況の特徴は財政・金融政策がほとんど効かないことだ。
 企業業績は持ち直したが雇用は回復せず、アメリカの失業率は9%を超えた。この原因は一過性の景気循環ではなく、構造的な自然失業率が上がったからだ。アメリカの自然失業率は7.5%と推定されており、景気対策でこれ以下に下げることはできない。
 構造的な失業が常に生みだされる1つの原因は、新興国との競争が激化したことだ。特に製造業は新興国に生産拠点を移し、米国内の雇用は減っている。1990年以降、アメリカで創造された2700万人の雇用のうち、実に98%が非貿易財(国内のサービス業)によるものと推定されている。
 製造業で職を失った労働者は、流通や外食のような海外と競合しないサービス業に移る。サービス業は労働集約的で労働生産性が低いので、賃金も低い。GM(ゼネラル・モーターズ)で働いていた労働者が失業し、ウォルマートに再就職して賃金が半分になる、といった形で平均賃金が下がったのだ。
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2017年12月08日

日本の貧困率増加とその元凶

 厚労省が公式発表している日本の貧困率は、年々増加の一途をたどっており、足下では16%の世帯が、貧困層に分類されている。
 この貧困の定義はOECDで定められた統計的な基準によるものであるが、具体的には、日本の場合、世帯当たりの手取り収入で240万円、労働者一人当たりで120万円がそのボーダーラインとなる。ちなみに意外かもしれないが、日本のこの16%という貧困率は、加盟34ヵ国のうちメキシコ、トルコ、米国についで、第4位という不名誉な状態にある。
 さらにこれを性別・年齢別にわけて、それぞれを時系列で見ていくと、日本社会のゆがみが見えてくる。直近20年の変化では、24歳以下の男女の貧困率が大きく上昇(約+10%)する一方で、65歳以上の男性の貧困率は大きく低下を見せている。つまり、すでに社会問題となっているように、若者世代の困窮が、数字の上でも確認される状態となっている。
 この要因の1つとしては、これまでの不況や、それによる就職難、非正規社員の拡大などがある。しかし、あまり知られていないが、もっと大きな理由としては、政府による所得の再分配が、まったくと言ってよいほど機能していないことが、この問題の根底にある。
 OECDのデータを見ると、日本は政府による所得の再分配による貧困層への支援効果が、全加盟国の中で最も低い国となっている。さらに酷いことに、貧困世帯の子供あたりの再分配効果に関しては、加盟国で唯一のマイナス効果となっている。つまり、日本政府は貧困家庭の子供から、富を奪っている、世界で唯一の国ということである。
 日本では、かって生活保護制度のあり方について世論をにぎわせたが、世界中の国を見ても、日本ほど貧困層に対する支援が少ない国はない。一億総中流と言われる国民性のせいなのか、政治家が有権者の票を意識しすぎているのか、日本政府は税の取り方が下手なだけではなく、その使い方も下手であることは明白である。
 最新の世論調査では「景気回復を実感していない」と答えた人は78%と非常に高く、アベノミクスによる景気回復施策の恩恵は、国民全体で見ると、まだまだ行き渡っていないことがわかる。アベノミクスも、大部分の有権者も、上昇しつづける貧困率を止めることには、まだまだ関心がないようだ。
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2017年12月07日

高齢者が生活保護を受けるには? 高齢者が生活保護を受けるには?

 日本の生活保護受給者のうちの4割を占めるのが高齢者であり、現在で約80万人近くの65歳以上の高齢者が受給している。だからといって、高齢者のすべてが無条件で生活保護を受けられるわけではない。
 高齢者が生活保護を受ける条件高齢者であっても、生活保護の受給を前に、換金できる資産を所有していれば売却するなどの方法で生活費に充てることが優先される。 資産として当てはまるのは、土地不動産・預貯金・生命保険・自動車などが挙げられる。
 高齢者が生活保護を利用する前に、シルバー人材センターや、高齢者でも働ける事業などを活用し、能力に応じて収入を得ることが前提となる。
 また、高齢者世帯が生活保護を利用するとき、子供や兄弟姉妹、または親戚などからできる限りの援助をお願いすることが求められる。生活保護法で定められている扶養義務者は申請者本人からみて三親等まで。ご両親は存命でない場合が多いので、現実的には子供・兄弟からの援助を求めるのが一般的だ。
 さらに、生活保護制度以外の他の法律や制度による給付がある場合、それを優先して受給して生活費に充てることが求められる。
年金を受給している場合は、足りない生活費を生活保護で補うことになる。「年金を受け取っているのに、生活保護の申請はできないのでは…」と考える人もおり、そのため、申請自体を諦めてしまうケースもあるが、年金をもらっていても生活保護を申請することができる。ただし、受給している年金が生活最低基準に達しない場合に限られる。1ヵ月単位で計算された年金は収入として認定され、その他の収入と合わせても最低基準を超えなければその差額分が支払われることになる。つまり、生活保護と年金を併用しても最低基準以上の収入を得ることはできないのだ。
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2017年12月06日

助けを求めやすい世の中にしよう!

 根本的に大事なのは、社会の空気を変えることである。強くなければダメだ、辛抱しろ、弱音を吐くな、他人に頼るな、甘えるな、周囲や社会に負担をかけるな――。そういった考え方は家庭教育、学校教育、社会風潮の中で植えつけられてきたものなのだ。
 助けを求めることは、社会に存在する「資源」を使って、個人の問題解決を図るための行動である。その意味で、困ったときに助けてと言えるのが本当の強さなのではないか。
 政府・自治体は、助けを求めやすい世の中、弱さを認め合える社会の実現に向けて、困ったときは遠慮なく助けてと言おう、というキャンペーンを行うべきではないか。
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2017年12月05日

積極的な福祉行政が求められている… 現状は不十分なことばかり…

 政策など何が必要なのか。まず行政や福祉関係者が、苦境にある人の心理をよく理解し、個別の相談支援をきちんとやること(ここが一番のネックなのだが…)。積極的に手を差し伸べ、ともに問題解決に取り組むこと(今までできなかったのだが…)。相談や申請への対応が親身でないと、困っている人の希望を奪い、逆に打撃を与えてしまう。
 制度や仕組みの周知も重要。制度の内容が見えないと、当事者には助けを求める発想が浮かばない。「何かあればご相談を」「詳しくはお問い合わせください」といった抽象的な広報だけではなく、「こんな制度があります」と具体的な情報が、困っている人にとっては手がかりになるのだ。とりわけ生活保護の必要な人に利用を促す広報はかなり不足している。
 自分から助けを求められない人にアプローチするには、受け身で相談を待つだけではなく、積極的に現場へ出かけるアウトリーチ活動や、地域住民との協力関係も必要なのだが、まったくできていないというのが現状である。
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2017年12月04日

積極的な福祉行政が求められている?

 何が必要なのか。まず行政や福祉関係者が、苦境にある人の心理をよく理解し、個別の相談支援をきちんとやること。積極的に手を差し伸べ、ともに問題解決に取り組むこと。相談や申請への対応が親身でないと、困っている人の希望を奪い、逆に打撃を与えてしまうのである。
 制度や仕組みの周知も重要です。制度の内容が見えないと、当事者には助けを求める発想が浮かばない。「何かあればご相談を」「詳しくはお問い合わせください」といった抽象的な広報だけではなく、「こんな制度があります」と具体的な情報が、困っている人にとっては手がかりになる。とりわけ生活保護の必要な人に利用を促す広報は不足している。
 自分から助けを求められない人にアプローチするには、受け身で相談を待つだけではなく、積極的に現場へ出かけるアウトリーチ活動や、地域住民との協力関係も必要なのだ。
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2017年12月03日

福祉行政がパワハラ、追い討ち

 貧困も否定的に見られがちだ。貧困に陥るのは、本人の生活態度だけの問題ではなく、生まれつきの能力や育った境遇をはじめ、病気・障害・災害・失業・離婚といった不運によることが多く、決して恥ではないのだが、社会には金持ちをもてはやし、貧しい人をさげすむ風潮がある。
 そして生活保護には、強いスティグマがつきまとっている。健康で文化的な最低限度の生活は憲法で保障された権利であって、必要なときは利用すればいいのに、行政の世話になることを恥や負い目と感じる人が多いのが実情である。
 さらに問題なのは、実際の行政の対応である。生活に困り果て、精神的に弱った状態で、勇気をふりしぼり、やっとの思いで出向いた福祉事務所。その窓口で冷たくあしらわれたり、ケースワーカーから心ない言葉を受け、責められたりした事例はいくらでもある。福祉行政によるパワハラや、二重の心理的加害なのである。
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2017年12月02日

恐怖、恥の意識、自責感情、責められる不安

 性暴力やセクハラを受けた人は、被害を訴えにくいものである。加害者への恐怖、恥ずかしいという意識に加え、被害に遭った自分を責めてしまいがちだ。周囲から自分を責めるような言い方をされたり、好奇の目にさらされたりするセカンドレイプもある。また、詐欺や悪徳商法の被害者は、だまされた自分を責め、恥ずかしく思い、周囲からも責められたりバカにされたりしがちなのだ。避難する場所や守ってくれる施策が求められる。生活保護制度もその1つ出なければならないのだ。
 DV(配偶者らからの暴力)や子供・障害者・高齢者に対する虐待では、加害者との力関係が問題になる。家庭内でも施設・事業所でも、一方が権力や支配力を持っているから虐待が起きやすく、被害者はそこから抜け出しにくいものである。再び被害に遭うこと、報復を受けることへの恐怖心もあれば、日常生活や経済面で相手に頼っている現実もある。加害者に対して、悪いだけではない、世話になっていて申し訳ない、自分にも非がある、と考えてしまうこともある。福祉行政の不備が指摘されるところでもある。
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2017年12月01日

「助けて」と言えないのはなぜか?

 生活に困ったときや精神的に苦しいときに、人はどうするだろうか。すぐにSOSを発するのか。大声で助けを求めるのだろうか。必ずしもそうではない。むしろ、苦しんでいる人は、なかなか声を出せず、簡単には助けを求めようとしない傾向がある。どんどん権利を主張する人、自分で制度をフル活用できる人は少数なのだ。ここを勘違いしていると、社会保障や福祉の仕組みがあっても、うまく機能しない。
 助けが必要な人は、どうして声を出せないのか。要因はいくつもある。本人が心理的に弱っていること、力を持つ者への恐れ、スティグマ(恥辱感、偏見)、自分を責める意識、本人を責める人が実際にいること、我慢して迷惑をかけないことを美徳とする道徳観――などである。近年は何かにつけて自助努力や自己責任が強調され、他者を責める風潮が強まっており、助けが必要な人が声を出しにくくなっているのである。
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新就労対策拡充が必要だが…?

 就労支援策として、これまで雇用保険を受給できない人を対象に、職業訓練とその間の手当を支給する「求職者支援制度」が実施されている。また、失業などにより住居を失った人などで就労意欲がある人を対象に原則6ヵ月間、賃貸住宅の家賃を支給する「住宅手当緊急特別措置事業(住宅手当制度)」も行われている。
 しかし、住宅手当制度は12年度末で終了しているため、求職者支援制度と合わせた新たな就労支援策の拡充が望まれるのである。
 社会的な孤立からの脱却には、個人の事情に応じた支援が必要。国は、若者の引きこもりなどに対応する「パーソナルサポート」のモデル事業を全国で展開してきたが、13年度以降については、生活困窮者対策に盛り込まれているが効果は薄い。また、NPOなど民間団体との連携で、試験的な就労などをサポートする体制の整備も議論されてきた、実効性に乏しいものばかりだ。
 しかも、安倍政権では、膨らむ生活保護費を抑えるため、段階的な給付削減をおこなっており。生活困窮者の支援策がどのようになるのか不安視されている。
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2017年11月29日

新就労対策拡充が必要だが…?

 就労支援策として、これまで雇用保険を受給できない人を対象に、職業訓練とその間の手当を支給する「求職者支援制度」が実施されている。また、失業などにより住居を失った人などで就労意欲がある人を対象に原則6ヵ月間、賃貸住宅の家賃を支給する「住宅手当緊急特別措置事業(住宅手当制度)」も行われている。
 しかし、住宅手当制度は12年度末で終了しているため、求職者支援制度と合わせた新たな就労支援策の拡充が望まれるのである。
 社会的な孤立からの脱却には、個人の事情に応じた支援が必要。国は、若者の引きこもりなどに対応する「パーソナルサポート」のモデル事業を全国で展開してきたが、13年度以降については、生活困窮者対策に盛り込まれているが効果は薄い。また、NPOなど民間団体との連携で、試験的な就労などをサポートする体制の整備も議論されてきた、実効性に乏しいものばかりだ。
 しかも、安倍政権では、膨らむ生活保護費を抑えるため、段階的な給付削減をおこなっており。生活困窮者の支援策がどのようになるのか不安視されている。
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2017年11月28日

高齢者犯罪が増加?

 少子高齢化が進むなか、単身世帯の割合も増加しているす。1985年には5世帯に1世帯だった単身世帯割合は、2030年には3世帯に1世帯になる見通しだす。
 高齢者世帯は、30年には7世帯に1世帯が単身世帯と予想され、高齢者の孤立化が懸念されている。すでに、孤独死に加え、孤立や経済的な問題から、高齢者の犯罪が増加している。要介護や認知症患者の増加も予想されるなど、孤立化をいかに防ぐのかが緊急の課題になっている。
 社会的な孤立の懸念は、高齢者だけの問題ではない。ニート数は60万人前後で推移している。若者が引きこもりのままでは、就業経験も積めない。経済的な自立が難しい状況なのである。
posted by GHQ/HOGO at 06:58| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月27日

貧困層拡大の原因はどこにあるのか?

 日本では貧困層が拡大している。大学生の半分近くが卒業時に奨学金の返済という借金を背負うことになってしまっている。多くの年金受給者も、労働者の40%にも達している非正規労働者も低賃金で将来に大きな不安を抱えている。
 貧困層が拡大してきた原因は、多くの政治家や学者は経済成長が止まったことが原因だというが、それは本当だろうか。逆ではないのか。つまり貧困層が拡大するような政策がとられたことによって経済成長が止まったのではないか。
今日のアベノミクスという景気対策がとられているが、景気回復に最も重要な個人消費は伸びるどころか減少している。つまりお金があれば個人消費を拡大することになる貧困層にはお金は回っておらず、株価の上昇などで資産を多く持っている富裕層にお金が回り、税金などが増えなければ富裕層は今以上に消費するものはないので個人消費は伸びることなく、資産形成ばかりににお金を回すという悪循環が今の日本には起きてしまっているのだ。
 最近の政治運動の特徴は富裕層と貧困層対立ではなく、中流層や貧困層内部での対立をあおることで人気を得ているところにある。典型的なのがおおさか維新の元代表橋下氏であり、アメリカではトランプ氏だ。橋下氏は自治体職員の待遇が民間企業に比べて良いことや、生活保護水準が一部の低所得者より良いことなどを取り上げ、その間の対立をあおってきた。
 このため、富裕層の税負担を高くしたり、貧困層の負担を低くしたりする政策は一向に進んでいない。給付型奨学金の充実や保育士・介護士の待遇改善など、貧困層の拡大を防ぐ政策に力を入れる必要があるのではないか。
posted by GHQ/HOGO at 07:04| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする