2017年09月07日

グローバリズムはなぜ、貧困を引き起こすか? 2

 ある種のクライシスマネジメントの一環として、例えばジンバブエやチリ、イラクのような崩壊した秩序の再建築(リビルド)を目指すということであれば、一時的なハイパーインフレの引き換えとして効率的な経済システムの萌芽を育てることは可能だろうし、すでに秩序ある社会に立ち戻るためのコストを吸収することもできるだろう。なぜなら、すでに社会は混乱しきっているからだ。
 でも、(いまさらながら、という言葉を使うべきかどうか悩むが)日本がこれからさらにグローバリズムに対応するための規制撤廃を進め、移民を奨励し、経済効率を高めていくのだという議論を立ち上げるのは、どちらかというと反対だ。日本人は閉鎖的で、経済効率面で立ち遅れ少子高齢化が進む現在、このままでは日本は駄目になる、というような主張はあまり賛成できないかもしれない。そもそも論として、ここ20年ぐらいのアメリカの経済成長とそれに伴う国際的な流動性の増加というのは、何の裏づけがあってなされたものだったか、結果として誰がグローバリズムの利益を享受したのか、はっきりしないからである。
 しかし、この国だけでなく世界中が国民の求心力を高めるべく社会を統制する方向へと向かおうとするだろう。もう世界の富が増大する前提で国家の経済を設計するような、楽観的な世界観は終わってる。
好むと好まざるとに関わらず、おそらく向こう10年ぐらいは「国民の生活水準が切り下がる」局面に入ると思う。資源高とか、ガソリンが、とか、生鮮食料品の値上がりとか、そういったレベルの話が断続的に、ゆるゆると10年ぐらい続く。それでいて、賃金は上がらない。なぜなら、置き換えのきくスキルを持つ労働者は海外と戦うからである。そのため、国内生産を保つために移民を奨励しようという議論になるが、それは国内の日本人の職が奪われることとなる。それはつまり、国外に職を奪われるか、国内にいる移民に職を奪われるかの違いでしかない。
 そうであるならば、経済効率を上げていくということは字義的に、「下級国民の賃金を「国際的水準に」引き下げ、世界を向こうにまわして競争していくという、高度成長時代の日本と同じ文脈での果てなき戦いに従事しますよ」宣言にほかならない。それは世界の富が増大しているという前提ならば多少は未来は明るいかも知れないけれども、現実はまったくそうではない。
 グローバルな競争に勝ち抜くために、移民を奨励するというカードを切るのは、勝って利得が見えない勝負に手持の全チップを張る策にしか見えないので、保守主義的観点から見ると賛同できない。とてもじゃないが、日本人が膨大な移民、例えば全人口の5%なり10%なりを受け入れる、というような心構えを総意で持っているとは思えない。
 移民の話を出したけれども、放送通信行政であれネット規制であれ金融行政であれ、だいたい根っこは同じところにある。9条(改憲)の話もそう。世界経済が衰退しそうである、そのとき日本は統制するべきか開放するべきかという選択の問題だ。国内のベクトルと同様に、親米路線を前提とする場合、日本の繁栄を維持する最善の方策を何に求めるのかという国外の問題もある。
 個人的には、リスクを減らすべきだと思う。つまり日本にはこれ以上のリスクを抱える余地がそれほど残されていない。すなわち、賭けられる資産が少なくなっている状況があるように思う。ただ、直近では経済の問題でとりわけ中国経済のクラッシュはまあ8割がたあるとして、アメリカ経済もかなり長い期間後退し、日本だけが株価2万円を維持して笑顔という話には絶対ならない。では、グローバルにおけるマイナスの成長を、各国で押し付けあう形になる、と考えたらどうなるだろう。そこに正常な市場原理が働くだろうか。
 財界人が大きく誤解しているのはそこだ。原理的な市場にフェアが絶対的に存在すると思っている。投機的な仕組みに翻弄されて一国の経済をズタボロにできるグローバリズムが、ある種の神、信仰の対象になっているとしか思えない。神からこれだけの恩寵を蒙っている多国籍企業が、一生懸命政策担当者をオルグして回っているような状況なのだ。それがいけないというのではないが、そもそもが無理筋なんだろうと思う。
 突き詰めてしまえば、成長しない経済下で家計と企業というのは潜在敵で、企業が国際市場での収益性を高めようと思えば家計を押し下げるほか方法がない。家計を押し下げないように競争力を確保する方策は企業では達成できないから、当然のことだ。では、国家が競争力を確保するための政策をどう立案するのか。経済の形をデザインするのか。
 これは、たぶん、日本の選択として、本当にどうにもならなくなるまで何もせず動かない、という選択肢を選ぶことになってくる。日本とは、そういう国家であり、社会であり、国民であると思う。だから、原理原則のところだけ大枠を決めておいて、それまでに政治的な頚の部分は極力シンプルにしておいて、問題点の整理と解決の道筋だけでも考えておくのが一番効果的なのではないか。それこそ、政治的再分配はどのあたりが日本として適切なのか、社会的移動性はどうなのかというあたりは、もっぱら政治の領域とはいえいろいろな議論のバリエーションが発生し得る。
用意するだけしておいて、実際に起こるまで何もしないというのが、おそらく日本社会の持つ固有の知恵だと割り切って、迂闊に割を喰わないような外交的、安全保障的な部分だけ整理したほうがいいのではないか。
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2017年09月06日

グローバリズムはなぜ、貧困を引き起こすか? 1

 何か刺激的な表題だが、基本的なところで、金融業者でも結構ベーシックなところの理解が共有できていない。もちろん、経済学そのものを体系的に深く学んでおらず、読書や業務の中できっとこういうことなのだろうという経験則を当てはめながら理解しているので人のことをどうこう言えた義理でもないが、社会保障論とかで紐解かれる一般的な経済思想が分かっていればそれほど理解が困難な世界でもない。また、あまり理系文系で分けるのは好きな論法ではないが、数理的なモデル論を知らなくてもある程度の政治的分配について見識があればそれほど齟齬が起きるような話でもない。
「保守主義者ではあるけれども、グローバリストではない」という姿勢に批判があるが、その国や地域に自律的な経済システムが存在しているなかで、フリードマン流の自由貿易原理主義のようなものが暴力的に介入して過大な流動性を持つ市場を駆使しながら地場の富を収奪し、市場から流動性が失われる危機が演出されたときに誰よりも早く逃げ散ることに対する批判(とりわけヘッジファンドに対する規制を声高に叫ぶ先進国の金融政策担当者)は一理あるのではないか。
 証券市場にしても、教科書的には企業は株主のものであるということには賛同するにしても、その国や地域でビジネスを行い雇用を創出しているからにはそこの社会に対する社会的責任を企業は負い、その見えようとして、従業員重視の経営方針や、顧客に対する徹底的なサービスの追求のために株主利益を後回しにする経営方針というのも許容されるべきだろう。
 これは従来からの産業、すなわち設備を必要とする製造業や流通、小売業のような業態だけでなく、IT産業やサービスなどの領域でも地域や顧客、従業員、環境などに対する積極的な関与とコンプライアンスの遵守というのはビジネスを行っている地域にあわせて行わなければならない責務があるはずだ。それは、そこで暮らしている人々やその根底に流れる風習、文化というものに、企業あるいは市場がどういう互恵的な関係で「乗っかっているか」を重視することで、社会が適切に市場の調整能力を使いながら経済効率を上げることができる。
 すなわち、その国の経済というのは世界標準の市場があってそこからハブ的にぶら下がるものではなく、あくまで従来からの社会、経済の流れの中に市場というファンクションが調整弁として働くというモデルを「より良いもの」と考えるのが保守主義的なアプローチだろうと主張したい。当然、そこには旧態依然とした規制や商慣習などの問題がその国や地域の経済効率を下げ、結果として国際競争力の喪失という形で国益を損なう結果になるという議論もあるわけだが、市場をある種の原理主義的な機構の対象として祭り上げ、極端な市場原理の元に生産性の向上を目指して国民間の所得など社会が本来兼ね備えていた調和をないがしろにすれば、結果として社会コストの増大を招き暴動の絶えない国になってしまう。
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2017年09月05日

暴力団脱退装い実は…。生活保護費の不正受給めぐり山口組系幹部を逮捕 大阪府警

 暴力団組員であることを隠し、堺市から生活保護費約24万円を不正に受給したとして、捜査4課は、詐欺容疑で、同市堺区向陵中町、指定暴力団山口組系幹部、笠原正治容疑者(51)を逮捕した。容疑を認めているという。
 同課によると、笠原容疑者は数年前まで別の暴力団に所属。脱退後に生活保護を申請・受給していたが、現在の組事務所に定期的に電話をしたり、定例会に参加したりしていたことが判明したという。
 逮捕容疑は4月下旬〜6月上旬、2回にわたり、同市から生活保護費計約24万円をだまし取ったとしている。
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2017年09月04日

時給100円余「だまされた」 元患者が医療法人を告訴 最賃法違反罪など

 時給100円余りの賃金で通院先のクリニックで働かされたとして、東京都内に住む50代の元男性患者が14日、最低賃金法違反罪と労働基準法違反罪で、医療機関を運営する医療法人などを上野労働基準監督署に刑事告訴した。この医療法人は、生活保護を受給する患者の相談員として、都内の福祉事務所に職員を派遣。生活保護費を管理するなど患者の囲い込みが疑われており、男性の代理人弁護士は「経費削減を図り、患者の利益をないがしろにした貧困ビジネスの象徴」と話している。
 男性が告訴したのは、通院していた精神科クリニック(東京)を運営する医療法人(同)と理事長ら。
 告訴状などによると、男性は大田区の福祉事務所の勧めで昨年9月から今年8月までクリニックに通院。今年4月以降、週3回にわたり、他の患者の誘導などクリニックの業務を行うよう指示され、4〜5月は無給、6〜7月は当時の東京都の最低賃金(888円)を下回る時給約111円〜約125円で働かされたとしている。賃金はクリニックの職員が管理していたという。
 男性は「クリニックに『ヘルパー2級の資格がとれる』といわれて働いたが、資格もとれず、だまされたという気持ち。生活保護費も管理されていたので、辞めることができなかった」と話した。医療法人側は「担当者がいないので対応できない」としている。
精神疾患者を食い物に―有名クリニックが劣悪な環境で貧困層を囲い込み
 院内隠し撮りの画像がテレビのニュースになった。これは都内に4つのクリニックを持つ、某医療グループのことだ。実はこの医療グル―プに関しては、過去『ニコ生タックルズ』(http://ch.nicovideo.jp/hisada)において、薬物依存で通院する患者に出演してもらうなどしていた。その際、様々な問題点も提起されたのだが、今回はなぜそれが問題になったのか。
 実は、この医療グループは大田区や江戸川区等に相談員を派遣して、アルコール、薬物依存、ギャンブル、性依存等、精神疾患患者の相談に乗り、自分のクリニックに通うよう指導していたのだ。大田区では19年度から4人を派遣してもらう随意契約を結び、江戸川区では同じく19年度から3人の派遣を受け、区内にある福祉事務所に置いていた。随意契約の理由は「毎日派遣してもらうクリニックがここしかなかった」である。
 多くの受給者が指示に従い通院して、病院を辞めたい等申し出ると、生活保護を打ち切るなど、何も権限が無いクリニックに虚偽の説明をされて、通院せざるをえなかったという。通院は当然患者の意思が第一であり、これは当然違法である。
 過去、『ニコ生タックルズ』に出演してもらった男性は大田区の福祉事務所に薬物依存の件で相談に行き、相談員同行のもと、このクリニックに連れて行かれ、それから現在に至っている。また、別の男性は江戸川区に生活保護受給の相談に行った所、このクリニックに通う事が条件の上、生活保護受給が決定した。彼は現在、このクリニック付近のとあるNPOが運営する寮に入れられ、日の当たらない地下室の二段ベッドを十個位並べられたカーテンで仕切られた狭い部屋で生活を余儀なくされている。体の具合が悪くてもクリニックを休みたくても休めないのだ。なぜならクリニックから迎えが来て、半ば強制的に連れ出されてしまうからだ。
 このクリニックは、医療費が軽減される「自立支援医療制度」を利用し、自己負担なしで通院治療やデイケアを受診させる。クリニック側には1日10時間のデイケアで、1万円の自立支援医療費(精神通院医療)が支払われている。彼らも必死なのだ。
 では、実際にクリニックではどの様な自立促進の治療が行われているのか。
 調べてみると、患者は朝9時半に通院したスタンプを押してもらい、10時から始まるプログラムを受け、18時45分に終了のスタンプを押され、帰路に着いている。ある日のプログラム表には、芸術支援療法、ミーティング等の文字が見られる中に、買い物ツアーと言う日もあった。
 これは依存症の患者を引き連れて、電車に乗り、安い洋服がある繁華街に買い物に連れて行くのだが、20〜30人いる患者に対して、看護師等の資格を持っている引率職員はわずか2名というお粗末さだ。どんな事態が起こるか分からない依存症患者の引率がたった2名で非常事態にどの様な救急治療が行われるというのか。また、人を巻き込む事態になったらどの様な行動が取れるのであろうか。なかには散歩等のプログラムもあるが、これは近くのデパートに行き、そこで1時間位の自由行動を取らせるだけだった。これは利用されているデパートもお客さんもいい迷惑であろう。
 さらに、このクリニックでは患者の金銭管理までしている。通常の生活保護受給者でも役所が金銭管理する事もあるが、ここのクリニックは度を越している。1日1000円貰えるならまだいい方で、現金の代わりに現物支給と言う制度まで存在している。これは生活保護費が役所からこのクリニックへ現金書留で郵送され、それをクリニック側が管理。プログラム終了後に職員引率の元、近くにあるコンビニに連れて行き、数百円の買い物をさせるというものだ。クリニックが開いている平日は質素だが食事は出ている。しかし、休日前日は弁当等は腐ってしまうので、カップラーメンを買うしか選択肢は無い。その方法が依存症の治療に効くのかは分からないが、その役所から送られた現金の預り証すらクリニックからは発行されない状況だ。金銭出納帳はあるにはあるのだが、患者によるとその金額は訂正されている事が多いという。だから患者本人は今、いくら自分のお金が溜まっているのかを確かめる術も無いのだ。
 貧困ビジネスが社会問題となり、規制が厳しくなった現在でも、自立支援乱用の法規制までは追いついてはいない。そこが盲点となり、この様な医療が成立しているのであろう。数人の元患者が弁護士と共にこの医療グループを訴え、東京都、厚労省でも問題視されている。
 そして、この医療グループの各種行事に数年前まで有名な女性衆議院議員が来賓として挨拶をしていたという。
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2017年09月03日

「なぜイケメンが私に…?」貧困女子を狙う悪質ビジネスに気をつけて!

 社会問題化している「貧困女子」。低所得、失業や再就職への不安、新卒女子の就職難……一人で生きることに不安を覚える彼女たちの弱い部分につけ込み、まったく無意味な資格や教材を高額で契約させる悪質なビジネスが増えているという。
 「基本的に、喫茶店で対面に座らせるところまで持っていったら、ほぼ8割成約です。営業の人間は基本50種類以上の資格・スクールについて営業トークできますから、相手が取りたい資格があるかないかも関係ない。後輩に1人の女に12個も資格を取らせたヤツがいます。キーワードは美容、民間療法、占い、芸能ですかね。要するにみんな、怪しい系です(笑)」
 資格営業マンで統括ポジションにあるという30代前半のK氏は言う。だが、彼の名刺にはなぜか不動産会社の名が……。
 「ウチは営業会社でいろいろな企業から営業業務を委託されている。柱は独身女性向けの不動産。その他は、化粧品と健康食品が中心。その中に資格とかスクール系の営業が含まれているということ。
 マンションの営業をしてると、なかには年収150万円なんて女も出てくるじゃないですか。こういう女は不動産は買えないかもしれないけど、将来が不安だったり生活が厳しいから、資格ならいける。そんな女をリストアップして、別の営業が呼び出して対面営業かける。最近、資格系の斡旋がかなりの売り上げを占めてます」(K氏)
 つまりK氏の営業会社は、複数の資格事業者から顧客開拓をアウトソーシングされているのだ。
 K氏曰く、最も営業成績を上げられるのは資格取得費が5万〜15万円ほどの女性向け「独自認定系資格」とのこと。その営業方法は悪質極まりない。K氏の同僚で、“前職”は振り込め詐欺をしていたというS氏(28歳)は言う。
 「大学や専門学校から流出した就活のエントリーシートや、美顔器とかパワーストーンなんかを買った女性の顧客リストをベースに電話やメール営業をかける。優秀な営業はSNSや出会い系サイトを使ったり、自ら婚活パーティとか無料セミナーに潜り込む。街頭のスカウトから紹介してもらうこともある。
 どちらにせよ、大事なのは営業員をイケメンで固めてること。デート商法に近いんだけど、対面営業に持ち込めば勝ったも同然です。営業したその場で契約書を書かせるし、よっぽど珍しい名前じゃなけりゃ会社に印鑑置いてありますから……」
 要するに、契約書に印鑑を勝手に押してしまうということだ。さらに受講料の回収方法も酷い。
 「年収が低くてローン組めない女も多いんで、例えばクレジットカード持ってるなら、ショッピング枠で金券買わせて、換金して払わせる。カードのない女には『信販会社を紹介する』って言って契約書を書かせ、○○ファイナンスみたいな名義から、そのコの銀行口座に現金を振り込んじゃう。つまり押し貸しの闇金」(S氏)
 一方でS氏の詐欺時代の後輩だというT氏(26歳)は、資格の押し売りのみで利益を上げるグループをつくっている。
 「僕はゴミ教材の押し売りですね。K君のところから『オカワリOK』の顧客名簿をもらったり、自分で開拓した女に営業してる。大手資格スクールの教材をキンコーズなんかで丸コピーしたものや、昔のVHSビデオ(笑)の教材、ネットで売ってる士業系の情報商材のパクリなんかを10万円ぐらいで売りつける。
 身内のスカウトとかにも声かけてるけど、こっちはK君のところと違って利益率95%以上のフルコミ(完全出来高制)ですからね。先月はこれで60万円稼ぎました」
 最後にK氏は貧困女子はカモとして最適だと言い切る。
 「この営業を始めて、世の中にはカネのない女、なんとかして稼げるようになりたい女がこんなに多いことに驚いた。単価は安くても潜在客数がとんでもないですからね。今は関東中心だけど、これを地方で展開したらとんでもないビジネスに化けますよ!」
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2017年09月01日

貧困ビジネス 会社社長を業務上横領容疑で逮捕

 生活保護受給者3人を所有するアパートの部屋に居住させ、生活保護費が入金される口座から保護費を着服したとして、神奈川県警は、相模原市緑区、不動産会社社長の被告の男(62)(詐欺罪などで起訴)を業務上横領容疑で逮捕した。
 県警幹部によると、被告は40〜50歳代の男性3人と金銭管理契約を結び、同市内のアパートに入居させたうえで、保護費が振り込まれる口座を管理する「貧困ビジネス」を展開。2014年12月から15年12月の間、3人が退去したにもかかわらず、振り込まれた保護費計約120万円を勝手に引き出し、着服した疑い。
 調べに対し、被告は「俺はやっていない」と容疑を否認しているという。
 県警は、被告が同市内のアパート12棟に分散所有する計54室に現在、受給者約50人が入居していることを確認。一部の受給者は、被告と金銭管理契約を結んでいるという。
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2017年08月31日

生活保護制度悪用、C型肝炎薬を詐取…3人逮捕

 医療費が無料になる生活保護制度を悪用し、C型肝炎の新薬「ソバルディ」約80錠(約500万円相当)をだまし取ったとして、警視庁は、神奈川県藤沢市の会社役員(42)ら男女3人を詐欺容疑で逮捕した。
 同庁は、会社役員らが高価なソバルディに目を付け、無料で入手した薬を転売して利益を得ていたとみて解明を進める。
 捜査関係者によると、他に逮捕されたのは、東京都町田市の生活保護受給者の男(48)と、男と同居する無職の女(38)。
 3人は今年1〜3月、生活保護受給者の男がC型肝炎の治療のために1日1錠を服用すると偽り、相模原市の病院から3回にわたってソバルディ計約80錠をだまし取った疑い。男は実際にC型肝炎だったが、薬は自分で飲まずに会社役員に渡し、報酬として現金などを受け取ったという。
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2017年08月30日

生活保護費を袋ごと回収 宗教法人が貧困ビジネス さいたま市が処分

 さいたま市は、生活保護受給者が受け取ったばかりの生活保護費を強制的に回収、管理したとして、同市岩槻区内で生活困窮者受け入れ施設を経営する宗教法人「善弘寺分院宗永寺」(東京都足立区)に対し、市内で新たな施設を開設しないよう命じる行政処分を出した。
 処分は市の「貧困ビジネス」規制条例に基づき、宗永寺が岩槻区内で経営する5施設のうち4施設で新規入居者を受け入れないよう命じる処分も出した。残る1施設はすでに施設の無許可建設で同様の処分を受けている。
 市生活福祉課によると、岩槻区役所が東武岩槻駅付近に移転した後の24年ごろから、入居者がバスで区役所を訪れ、施設関係者が生活保護費を袋ごと回収する様子が確認されるようになった。国の指針では原則、金銭の管理は受給者本人が行うとされている。
 同課は27年の処分後、施設への立ち入り検査を重ね、改善を指導。施設側は「契約に基づく管理」としていたが態度を軟化。昨年末には入居者の4割に当たる約100人が契約解除を届け出たが、受給日には契約に基づかずに回収を継続していた。
 宗永寺は18年3月ごろから施設を経営、さいたま市外から路上生活者を勧誘しており、1月時点の利用者は5施設で計220人程度だったという。
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2017年08月29日

グローバル化でなぜ格差が拡大するのか? 成長する新興国が先進国の雇用を奪う

 欧米では格差に対する問題意識が高く、アメリカ、ギリシャやイタリアなどではでデモ隊と警官隊の衝突が続いている。ところが日本だけは、格差反対デモが盛り上がらない。
 それはそうだろう。日本の所得格差を表すジニ係数は、0.28程度。最近やや上がっているが、トップのアメリカ(0.37)よりはるかに小さく、OECD(経済協力開発機構)諸国の平均程度である。
 アメリカではここ30年、中位の労働者の実質賃金が下がる一方、経営者や金融部門に富が集中し、上位1%の富裕層が富の23%を独占する極端な格差が生じている。この点でウォール街を占拠するデモ隊の主張は正しいが、彼らは敵を間違えている。金融機関が利潤を上げるのは格差の原因ではなく、その結果にすぎないからだ。
 格差や貧困の直接の原因は長期化する世界不況だが、この不況の特徴は財政・金融政策がほとんど効かないことだ。
 企業業績は持ち直したが雇用は回復せず、アメリカの失業率は9%を超えた。この原因は一過性の景気循環ではなく、構造的な自然失業率が上がったからだ。アメリカの自然失業率は7.5%と推定されており、景気対策でこれ以下に下げることはできない。
 構造的な失業が常に生みだされる1つの原因は、新興国との競争が激化したことだ。特に製造業は新興国に生産拠点を移し、米国内の雇用は減っている。1990年以降、アメリカで創造された2700万人の雇用のうち、実に98%が非貿易財(国内のサービス業)によるものと推定されている。
 製造業で職を失った労働者は、流通や外食のような海外と競合しないサービス業に移る。サービス業は労働集約的で労働生産性が低いので、賃金も低い。GM(ゼネラル・モーターズ)で働いていた労働者が失業し、ウォルマートに再就職して賃金が半分になる、といった形で平均賃金が下がったのだ。
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2017年08月28日

相対的貧困は不平等の指標

 ストーニー・ブルック大学の経済学准教授、ノア・スミス氏の日本が貧困に陥っているという意見に対し、ロンドンのアダム・スミス研究所のフェロー、ティム・ウォーストール氏は、スミス氏が見ている数字が表すものは相対的貧困であり、絶対的なレベルの貧困以下で暮らす日本人が増えているということではないと指摘。また、ユニセフが調査で測っているのは「不平等」だと述べる。
 これはエコノミスト誌も指摘している部分で、ユニセフも含め日本の子供の貧困率は相対的貧困率であり、手取りの世帯所得を世帯人数で調整し、中央値の50%以下を貧困と定義した上での数字だ。日本の子供の相対的貧困率は1985年には11%だったが、2012年には16%まで上昇し、OECD諸国の中でも上位に入るという。そしてユニセフは、日本における豊かな家庭と貧しい家庭の子供のギャップは、アメリカよりも顕著で、メキシコやブルガリアとそう変わらないレベルだとしている。
 日本の非正規雇用はすでに雇用全体の5分の2を占め、夫婦両方がそうである場合は特に経済的に厳しいこと、また、貧困にある子供の3分の1がシングルマザーに育てられていることも、エコノミスト誌は問題視している。日本の貧困家庭の子供達は、途上国のように飢餓にあるわけではないが、1日のうちまともな食事が給食しかない、電気、水道、ガスが止められたため公衆便所で体を洗う、お金がないため放課後友達と出かけたり、塾に行ったりすることができないと、その実態が説明されている。
 すでに政府はソーシャルワーカーの数を増やしたり、一人親家庭の児童扶養手当増額を決定したりしている。これについて、首都大学東京の阿部彩教授は、離婚したシングルマザー自身を責める声が多かった自民党がここまでしたのは驚きだ、と述べている。
 エコノミスト誌は、政府は高齢者よりも若者を助ける政策を打ち出しているというイメージを作り上げようとしているが、子供の窃盗、売春、劣悪な生活環境などが新聞の見出しを飾るなか、対応は容易ではないだろうと指摘している。
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2017年08月27日

今や日本人は貧しい国民?

 ストーニー・ブルック大学の経済学准教授、ノア・スミス氏は、日本の貧困率が上昇していることに注目。同氏はブルームバーグ・ビューに寄稿し、ユニセフが発表した調査で、子供の貧困を測る主要な指標の少なくとも1つにおいて日本がアメリカを抜いてしまったとし、貧困レベルの上昇は、さまざまな日本の負の経済トレンドに当てはまり、多くの日本人が経済的に苦しんでいる真実を表すと述べる。
 貧困の理由はさまざまだが、アメリカの保守派の間では、咎められるべきは個人の行いだという考えが一般的だと同氏は言う。働かない、犯罪を犯す、未婚で子供を産む、ドラッグに手を出すなどの問題が減れば、貧困は減るという意見だ。一方リベラル派は、労組を弱め、企業福祉を止めてしまったフリーマーケット(自由市場)政策を責めているという。
 ところが、日本の場合は、このような説明が当てはまらないと同氏は言う。日本の失業率は低く、勤労意欲も高い。犯罪率も低く、1人親世帯もアメリカの25%に比べ全体の3%ほどと少ない。ドラッグ使用率も最近は増えたものの、アメリカに比べればずっと低く、米保守派の論理では説明がつかない。
 では、フリーマーケット政策が影響したのかと言えば、そうでもない。小泉政権以来、低賃金、非正規の雇用が増えたとはいえ、大きな政策変化はなく、特に政府の正規従業員保護への厳しい政策に代わりはないとスミス氏は指摘する。労組についても、法的に大きな変化はなく、労働争議もまれなことから、こちらも主因にはなり得ないとしている。
 結局、スミス氏は、日本人の経済的苦境の原因は、生産性の低さと、国際競争の影響ではないかと見ている。特に、日本は保護主義的であり、国内市場を保護してきたが、アジアのライバル、またアメリカの革新的な企業との国際競争には苦戦し、得意の電子機器や自動車などでも、利益は薄くなっていると説明する。結局これが労働者の懐に跳ね返っており、他国で見られるのと同様に、貧しい者はますます貧しくなり、金持ちの利息配当金による収益が増え続けていると述べている。
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2017年08月25日

経済成長は格差是正の万能薬ではない

 ピケティ氏が著書「21世紀の資本」の中で示した【r>g】(資本収益率>経済成長率)という法則に沿えば、ある国の経済成長率が低下すると、その国で資本を持つ者と持たざる者の格差は広がることになる。逆にいうなら、格差を縮小するためには経済成長が必要になるわけである。日本における低所得者の増加が長期の経済停滞によってもたらされたものならば、経済成長が日本の格差是正につながると考えるのは自然な流れかもしれない。
 しかしながら経済成長と格差の関係はそれほど単純なものではない。エマニュエル・サエズ教授と森口千晶教授の研究によると、日本で過去に実現した高成長は、第2次大戦前と戦後ではその環境要因が異なる。要約すると、1890年〜1938年の急成長は資産家と財閥系大企業を中心とした「格差社会」の中で実現し、55年〜73年の高度成長は近代的な日本型企業システムによる「平等社会」の中で実現したというのだ。これは経済成長と格差の関係が一意的に決まるものではないことを示唆している。
 おそらく経済成長は格差是正の万能薬ではないし、格差が絶対悪というわけでもない。ピケティ氏も語っているように、イノベーション(革新)や人々のやる気を引き出すうえで、ある程度の格差は必要なのかもしれない。ポイントは、格差が長期にわたって固定されないよう、社会全体で気を配ることではないか。
 その意味で、日本の格差問題について議論する際には、日本人の意識やライフスタイルの変化にも注目すべきだ。いささか厳しい見方をするならば、低所得の高齢者や母子家庭の増加は、核家族化の進行や結婚観・離婚観が多少なりとも影響していると考えられる。若年層の失業や非正規雇用が増えているのも、昨今の若者意識と無関係ではないだろう。
 専門家からはこうした貧困層の固定化を防ぐために、富裕層だけでなく中間層も含めた日本社会全体の負担増が欠かせないという声が上がっている。その場合、単なる財源負担にとどまらず、教育や地域での支え合いなどソフト面から貧困に対処する施策も求められてくるはず。経済成長が重要なのはもちろんだが、本当に成長すべきは人間社会のほうなのかもしれない。
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2017年08月24日

日本の格差拡大は低所得者の増加によるもの?

 米国ほど極端ではないものの、日本でも格差拡大は確実に進んでいる。野村総合研究所の調査によると、日本の金融資産5億円以上の世帯数は2000年の6万6,000世帯から13年には5万4,000世帯まで減少したが、それらの世帯が保有する金融資産総額は43兆円から73兆円へと、むしろ増加している。1世帯当たりの金融資産額は6億5,000万円から13億5,000万円へと倍増したことになる。
 一方で金融資産3,000万円未満の世帯数は3,761万世帯から4,183万世帯へと約1割増加し、1世帯当たりの金融資産額は1,338万円から1,289万円まで減少している。この調査結果を見る限り、日本では一部の超富裕層へと富の集中が進み、一般的な資産階層では反対に富が分散していることが分かる。アベノミクスによる資産効果の恩恵が、もともと多くの金融資産を持っていた人ほど大きかった半面、一般庶民にはほとんど届かなかったということになる。
 トマ・ピケティ氏の共同研究者である米カリフォルニア大学バークレー校のエマニュエル・サエズ教授と、一橋大学経済研究所の森口千晶教授が行った研究からは、また違った格差の実態が浮かび上がってきた。それによると、日本で近年最も所得シェア(国民総所得に占める割合)を伸ばしているのは上位5%に属する所得階層なのだ。これは年収で750万円程度、ちょうど大企業の正社員クラスに相当する。
 同研究では、中間層を含む下位90%の所得階層において、所得水準が90年代から10年まで一貫して下落傾向にあったことも示されている。長期デフレや国際価格競争の激化による企業業績の低迷、非正規雇用の拡大などによって日本国民の大多数の平均年収が下がり、結果として上位5%の所得シェアが拡大したということが、この研究から読み取れるのだ。
 米国では上位1%の高所得層が占める所得シェアが20%近くに達しているのに対して、日本では10%弱にすぎない。日本の格差拡大は、富裕層の増加よりも低所得者の増加によるところが大きいといわれている。実際に日本では低所得の高齢者や母子家庭が増加し、若年層の失業や非正規雇用も目立つ。所得が中央値の半分に満たない人の割合を示す「相対的貧困率」は、85年の12.0%から12年には16.1%まで上昇した。ちなみに12年の貧困基準は、2人世帯で年間可処分所得173万円となっている。
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2017年08月23日

葬儀費を工面できない貧困層が拡大!

 全国の政令市で2015年度に亡くなった人の約30人に1人が、引き取り手のない無縁仏として自治体に税金で弔われていたことが、毎日新聞の調査で分かった。
 全政令市で計約7400柱に上り、10年でほぼ倍増。大阪市では9人に1人が無縁だった。
 死者の引き取りを拒む家族の増加や葬儀費を工面できない貧困層の拡大が背景にあり、都市部で高齢者の無縁化が進む実態が浮き彫りになった。
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2017年08月22日

アトラクションだけを楽しいと思う日本人は貧しい!

 遊ぶ、旅行するときに楽しいと感じることは何だろうか。
•飲みに行くこと
•カラオケをすること
•ディズニーランドにいくこと
•ナイトクラブにいくこと
•観光スポットがあること
 ほかにもまだまだあると思うのだが、これってすべてアトラクションなのである。言葉で説明するのが難しいのだが、どれもモノに執着しているのである。そのモノがあって初めて楽しいと感じているにすぎない。
 日本人が楽しいと思えるモノが一切ないバングラデシュのどこが好きなのか、何が楽しいのか、と言われることがある。
 大型連休のときも、他の日本人は隣国に旅行に行ったり、日本に帰国したりするけれど、「バングラデシュに残る」と言うと、「何するの」「遊ぶ誰かいるの」という質問を必ずされることになる。例えばタイにいくときに、「楽しいことあるの」とは絶対聞かれない。タイにはたくさんの日本料理屋があったり、綺麗なおねえちゃんがいる夜の街があったり、観光スポットがあったり、そういう楽しいモノがあることがわかってるからなのだろうか。バングラデシュに魅力を感じるのはヒトであり、バングラデシュの人々の考え方や生き方なのである。
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2017年08月21日

バングラデシュは最貧国だけどインシャーアッラーの精神がない日本人のほうが貧しい!

 児童労働、感染症、ヒ素問題、ストリートチルドレン、慢性渋滞、電力不足、解決しなければいけない問題は山積み。これだけ読めば、日本は恵まれていると思うかもしれない。だが少なくとも日本が必要以上に恵まれているとは感じない。なぜそう思うのか。
 インシャーアッラーとはアラビア語で神さまの望むままにという意味で、バングラデシュだけでなくイスラム教徒の人はどの国の人も使う言葉。よく何か約束事をするときに使われる。
 「明日は大事な会議だから朝8時集合ね」
 「インシャーアッラー」(神さまが望んだらね)
 つまり約束はできないということ。この言葉にいつもやられる。待ち合わせ時間にこない、予定通り物事を進めようとしない、天候のせいにする。一般的な日本社会で生まれ育ってきた人ならば、許せないことだろう。でもあるときわかることになる。インシャーアッラーとは約束を守りたくない、気分次第ということではないということを(言い訳に使う人も多いのだが…)。
「ぼくにとって一番大切なものは家族。家族に何かあったとき、友人や仕事の約束よりも家族を優先する」
一番大切なものを優先しただけで、何で約束を破ったことになるのかわからないと言われる。
 バングラデシュの人々の心の中にはいつも家族がいる。今何してるかという緊急性のない話題。日本では仕事中はプライベートを持ち込まないことが当たり前とされ、私用電話をしていたら白い目で見られるはず。でも、家族よりも会社を大切にしたら、会社は家族を守ってくれるのか。まずそんなことはない。
 バングラデシュの人々の休暇理由で一番多いのは、「家族の問題」です。日本ではどうでしょう?家族になにかあったとして、忌引き以外の理由で休む人いますか?もしくは理由を堂々と家族の問題でと言えますか。ぼくは言えないし、休めません。
 一番大切なものを大切にするためにインシャーアッラーという言葉があるんだなと教わることになる。バングラデシュ人のようにできなくても、用事があるときだけでなく、「元気・・・」の一言だけでも家族に電話をする心の豊かさをもったらどうだろうか。
 今日気づいたら昼飯たべる時間なかった、という人手挙げてください。結構いるのではないか。しかも忙しさをアピールするかのごとく言っていないか。バングラデシュ人は食事のこととなると血相を変える。例えば昼前に終わる研修に参加したとする。日本であれば昼前に終わるのであれば、昼飯は自分で用意するか、食べにいくかするはずだ(基本的に自腹で)。でもバングラデシュ人は違う。「研修に呼んでおいて、昼飯も用意しないとは何事だ」と大騒動になる。だから驚くことに、研修や会議の予定を立てるときはまず昼代おやつ代をどこから捻出するかという議論が巻き起こる。
 バングラデシュの村で、住民に税金を納めることの大切さと方法を伝える会合を開いたのだが、1時間半くらいのことだったが、お茶もお菓子もださないのかよという批判が殺到した。「外国人が主催するのだからさぞ豪勢なお菓子がもらえるんだろう」と期待してそれだけのために来た人もいたそうだ。驚きと苛立ちで何と表現したらいいかわからなかった。それだけでと思うかもしれないが、バングラデシュでは大切なことであり、これがないと人が集まらない。仕事よりも、友達との約束よりも食事を大切にする。
 「ぼくたちにとって、食べることはどんなことより楽しくて幸せなことなんだよね。だからそれを阻害されると何もやる気がおきないし、何も考えられなくなる」
 仕事を言い訳にして、食べることを後回しにしていないか。12時から昼休憩だとして、12時になったとたん食事に行くことをためらっていないか。生きるために必要なことは食べることより仕事なのか。周りとの波長を合わせることなのか。
 バングラデシュ人のように、食べることに異常なまでの執着をもちなさいとは言わないが、食べることも忘れて、もしくは忘れたふりをして、食べないのをやめにしませんか。
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2017年08月20日

生活保護世帯のうちもっとも多いのは?

 安定した生活はたった1つのきっかけであっという間に崩れ去る。誰でも陥る可能性のある貧困の実態―。生活保護世帯は過去最多を更新し続けているが、構成比を見ると高齢者と障害者・傷病者が多く、全世帯の7割超を占める。
 これらは事実上働くことができない世帯だ。保護費の内訳を見ると医療費にかかるものが半分を占める。生活保護というと不正受給に注目が集まりがちだが、生活保護費の総額に占める割合は 0.5%前後で推移しており、多いとはいいがたい。
 高齢者が増えるに伴って、今後も生活保護受給世帯が増え続けるのは間違いない。生活保護費だけに着目して予算を削減するのではなく、年金、医療、介護など約30兆円に上る社会保障関係費全体の中で議論すべきだろう。
 国もセーフティネットの拡充に向けた問題意識は持っている。生活保護に陥る手前で支援するために「生活困窮者自立支援法」を施行されているが、いまだにその効果が表れているとは言い難い。。
 フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が記した『21世紀の資本』。ピケティ氏は米国などにおいて上位1%の富裕層に富が集中する格差の構造をあぶりだした。一方、現在の日本で問題視される格差とは、大衆層の貧困化なのである。
 多くの人は、貧困は他人事だと思っているだろうが、実はそうではないのだ。女性、高齢者、子供などにもその闇は広がり、日本を覆いつつある。まずはその事実にきちんと向き合うこと、そしてどのような対策を打つのか考える必要がある。
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2017年08月19日

手薄なセーフティネット

 経済学に「貧困の罠」という言葉がある。本来は税制や社会保障制度などの欠陥によって貧困から抜け出せない状況を意味する。ただこの男性のように普通に生活をしていても、貧困に陥る「罠」は少なくない。
 転落者を受け止めるセーフティネットも手薄だ。雇用保険や医療保険、年金などのように保険料を支払い、いざというときに給付を受ける社会保障制度はそれなりにある。が、それら防貧ネットからこぼれ落ちた人たちの受け皿となるセーフティネットは生活保護しかないのが実情だ。
 その生活保護への風当たりは強い。もともと受給者の負担のない救貧施策のため、批判を浴びやすいが、保護費負担金は3.8兆円(事業費ベース)に膨らんでいることもあって、予算削減の動きが加速している。
 生活費にあたる生活扶助は今年4月からカットされた。これで2013年から3度目の切り下げだ。7月以降は家賃に当たる住宅扶助や暖房費などの冬期加算も削減される見込みとなっている。
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2017年08月18日

世界および日本の経済格差の現状と原因は? 3

 第4の論点として、対応策については、累進所得税、相続税、教育、労働市場政策、金融監督、公正取引・競争政策、国際的な税務協力等が考えられる。
 第1に税制である。所得税(賃金所得税、資本所得税)と相続税が、所得及び資産の格差拡大に対処する直接的かつ最も効果的な手段と考えられる。ただし、欠点もある。賃金所得税に関しては、短期的及び中長期的に経済活動(労働時間、生産性の向上、イノベーション等)にマイナスの影響を与える可能性がある。相続税は、子孫に財産を残すことを目的とする利他的な遺産動機が妥当であれば、資本蓄積を阻害する懸念がある。そして何よりも、資本・企業・人の国際的な移動が容易となる中で、有能な人材、企業、財産がタックス・ヘイブンに逃れてしまう可能性が否定できない。経済格差に対処するための適切な税制レジームの可能性とそれに対するグローバリゼーションの制約について、現時点で十分な知識やコンセンサスは得られていない。今の時点では、ある程度の非効率を受け入れつつ、所得税や相続税の累進度を高めて、経済格差の拡大へ対処することになろう。また、給付付き税額控除は、労働のインセンティブを活かしつつ、経済格差を抑制する手段として、有益な方法とみられている。
 第2に、途上国の税制に関しては、経済エリートを優遇する社会的慣行から、所得税や相続税は僅かしか課されていない。しかしながら、途上国の経済格差の拡大は、既得権益層の支配力を高め、また、教育や健康面での機会の不平等を著しいものとし、経済成長を阻害していると考えられる。一方で、国内の金融資産の総額や流れを追跡することを可能とする技術進歩は進展している。戦後の日本の経済成長と厳しい累進税制の経験からは、中下位層の所得環境を底上げすることで持続的な経済成長がより円滑となることが示唆される。中進国の罠から脱却するために、所得の再配分を支える累進的な所得税と相続税を導入する必要性は、途上国に押しなべて高いと考えられる。
 第3に、教育の充実である。教育の公平な提供は、機会の均等を図り、不平等の少ない社会の構築に貢献する。また、有能な貧しい子供に教育の機会を与えることで、公平性とともに、効率性を向上させることにも資する。特に、途上国では所得格差と教育格差は顕著であり、所得と教育の相関はクロスカントリーでも各国の時系列でも確認されている。
 第4に、労働市場への介入として、職業訓練の充実、最低賃金の引上げといった方法は、所得の格差拡大の抑制に有効と考えられる。最低賃金の引上げに係る企業のコストを和らげるための低所得者向けの社会保険料の軽減措置も有効な手段と考えられる。
 第5に、金融監督や公正取引・競争政策を通じて、少数の企業による市場占有率の高まりを抑制し、市場の公平な競争を強化することを通じて、経営者の報酬決定能力を弱める必要があると考えられる。市場の規制緩和は常に新たな既得権益を生むことにつながりかねないことから、常に新たな視点で市場の競争状態を確認していく姿勢が問われている。
 第6に、経済格差を是正するために、Piketty(2013)らは、累進所得課税の再強化とともに、国際的な累進資本課税の実現に向けて、金融情報の透明性の向上と税務当局間の協力の強化の必要性を指摘する。最近のパナマ文書による世論の関心の高まりがこうした動きを後押しすることが期待される。
 グローバリゼーションや技術進歩等は日本社会にも影響を与えているが、日本ではジニ係数の上昇や上位層の総所得に占める割合の増加は顕著なものではない。Borjas(2016)は、アングロサクソン諸国と欧州大陸諸国の相違として、高技能労働者への需要の高まりに対して、前者は価格(賃金)の変化で対応し、後者は数量の変化(失業、非労働力化)で対応した可能性を示唆する。日本でもバブル崩壊以降、不安定雇用割合や未就業者割合が特に若年層で高水準となっている。さらに、日本では、1980年代半ば以降、子供貧困率が顕著に高まっている。
 Bourgion(2015)は、経済格差が高まっているアメリカで、国民の多くがアメリカ社会を公平で公正な国と考えている理由の一つとして、アメリカでは結果の平等より機会の平等を優先することが影響している可能性があるとしている。日本人の格差拡大の懸念の高まりの背景として、就学期間や社会の入口で教育及び就労に関する機会の平等が狭められ、また、低成長下の日本社会がやり直しの効きにくい社会になっているとすると、僅かに上昇したジニ係数等が示す結果の不平等以上に将来の日本にとって憂慮すべき事態であるのかもしれない。生涯の所得格差への研究を含めて、さらに経済格差に関する分析が深められることを期待したい。
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2017年08月17日

世界および日本の経済格差の現状と原因は? 2

 3番目の論点として、1980年以降、多くの国で発生している経済格差の原因について考える。米国の標準的な労働経済学の教科書であるBorjas(2016)は、所得の大層を占める賃金格差の拡大について、1970年末からジニ係数が上昇していること、賃金の上位と中位以下の間の格差が拡大していること、労働市場に占める大卒の割合が上昇したにも拘わらず、大卒の賃金が高卒の賃金より上昇していること、同一グループ(年齢、教育、人種等)内の格差も拡大していること等の事実を指摘する。その上で、Borjas(2016)は、実証研究により上記の諸点との整合性や原因と結果のタイミング等を精査すると、賃金格差を十分説明できる原因について経済学者はコンセンサスを得られていないとする。以下、格差拡大の原因とされるいくつかの要因について説明する。
 第1に、グローバリゼーションである。国際貿易の拡大や1980年代以降の共産圏(中国、ソビエトブロック、インド)の国際貿易競争への参入に伴い、ヘクシャー・オリーンの定理が示すように、途上国では未熟練工による貿易財の輸出が増加し、先進国では低技能労働者を多数使う産業が衰退し、高技能労働者を多数雇用する産業が伸びた。Borjas (2013)は、貿易の拡大は賃金格差の拡大の20%程度を説明するとする。
 ただし、先進国の格差の拡大は、(シンプルなモデルが指摘する)低技能労働者の賃金の低下や高技能労働者の賃金の上昇だけでなく、中間層の賃金をも低下させた。これを説明するのが、第2点目のコンピューターの普及等の高技能労働者に偏った技術進歩である。こうした新たな技術を使いこなす者と活用できない者の生産性の相違が賃金格差拡大の殆どを説明するとする者もいる。ただし、米国で格差が急拡大したのは1980年代であるのに対して、IT技術の急速な進歩がみられたのは1990年代であるというタイミングのずれが説明できない。
 第3に、各種の制度要因である。Bourginon(2015)によると、労働組合の組織率低下、最低賃金の実質的低下、国際機関の構造調整プログラム、各国の規制緩和や構造改革等も所得や賃金の格差拡大に一定の役割を果たしたとされる。
 なお、長期にわたり持続的な高成長を確保するには構造改革や規制改革への継続的な取組みが大切であると考えられるが、高い経済成長と所得格差の関係は必ずしも定かではない。中国、インド、南アフリカの経験からは高成長は所得格差の拡大に関係しているようにみえる一方で、高度成長期の日本では所得格差の水準は安定しており、また、最近のブラジルや韓国の経験からは高成長は所得格差の縮小を伴っていたとされる。また、労働市場の改革は、労働者単位の賃金格差を拡大させた一方で、経済の効率性を高め、雇用者数を増加させることを通じて、家計単位の所得水準の格差にはさほど影響を与えていないとの実証分析もみられる。
 第4に、累進課税制度の緩和である。所得税及び相続税の累進課税制度(戦中から戦後にかけて戦費調達・戦争債務返済の必要性から導入された制度)に関して、1970年代以降、経済効率の向上やイノベーションの推進の観点からトップ税率が軽減されたことも、上位層の総所得に占める割合の増加に一定の影響を与えたとみられる。
 第5に、上位層の総所得に占める割合の増加を説明する理論として、スーパースターの理論やトーナメントの理論が使われる。前者は、IT技術の進歩やグローバリゼーションの進展に伴い、非常に大きな市場に低価格でアクセスすることが可能な幾つかの業種(エンターテイメント産業、ファンドマネージャー等)で観察される現象である。後者はスポーツのトーナメントと同様に管理職を競争させ、勝利(昇進)を得た者に高額の給与を支払うことで、多くの管理職に最大限の努力を払わせることができるとするものであり、こうしたインセンティブメカニズムの導入は、企業のパフォーマンスを向上させたとの実証研究もみられる。
 第6に、第5の考え方に疑問を投げ返る議論として、富裕層による報酬決定能力の高まりがある。企業、特に金融部門の幹部の報酬が極めて高いのは、企業統治の失敗、累進税制の緩和、経済の金融化等の影響を受けて、経営者が自分の報酬を自分で決められる影響力が高まっていることにあるとの指摘である。グローバリゼーションの進展と相まって、少数企業による市場支配力と寡占的利潤は増加しており、それを背景に富裕層は政治献金を通じて権力への影響を強めている。一方で、労働者は企業との交渉力を低下させており、低い条件を受け入れざるを得なくなっている。
 第7に、世代間の経済格差の継承については、Borjas(2016)によると、米国で親から子に受け継がれる賃金の水準(Intergenerational Correlation)は3割から4割であり、仮に第1世代に30%の賃金格差があると、第2世代は10%程度、第3世代では5%未満が格差として受け継がれる(ある程度平均賃金への回帰がみられる)とされる。
 第8に、Piketty(2013)は、資本収益率が成長率を上回ること( )から、資産の格差(ひいては所得の格差)が拡大するメカニズムが資本主義に内包されていると考える。ただし、殆どの研究者は、アメリカの所得格差の拡大の原因を主に勤労所得の格差の拡大にあると考えており、Piketty(2013)は、高齢化やイノベーションの低迷により成長率の低下が予測される将来の課題として、資本収益率と成長率の問題を指摘したと考えるべきであろう。
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