2020年04月26日

純粋機械化経済が来る? 資本主義経済が終わる?

 現在の経済では労働力(人)が機械を扱い、生産するシステムになっている(労働者+機械⇒生産)。だから、今はどれだけ高性能な機械があっても、同時に人がいなければ生産力が上がらない。
 ただ、汎用AIが入ると機械自体が労働力となり、そして機械が機械を作り出していく、生産力に上限がない(機械+増えた機械⇒生産、生産…)システムになっていく。機械は自己の判断から、労働力として新たに機械を生み出していくことが可能になり、労働力としての人が機械へと全面的に置き換わった社会を純粋機械化社会という。そして、著者はこの社会システムを変えるほどの汎用AIの性質から、次のGPTとなるのはほぼ汎用AIだろうとしている。
 加えて、このような影響の大きなGPTが生まれると、その技術を導入した国とそうでない国の間に大きなGDP格差が起きる。だから日本としても、早い段階で汎用AIを取り入れなければ国は衰退していくことになる。ラッダイト運動のような思想が大きくなることも考えられるけど、そうでなければ汎用AI導入は既定路線ではないだろうか。
 そのように純粋機械化経済が訪れると、どうなるか。まず、労働者がいなくなるので資本家が労働者を雇い、労働者が機械を使って商品を生産するような経済である現在の資本主義経済がシステムとして終わりを迎える。その後は新しい形の資本主義がくるか別の体制になるかはわからないが、人が機械へと置き換わるので、人が労働から解放される「脱労働化社会」が来る。
 そうして訪れた脱労働化社会では、労働によってに収入がほぼ得られない社会でもあるため、汎用AIを所有する資本家と、労働者の間で所得格差が広がっていく(現状でも、トマ・ピケティの論では緩やかに広がっている状態だと言う)。そうなったら労働者はどう生きていけばいいのだろうか。
 現状、手段として考えられるものには「生活保護」「社会主義経済」「ベーシックインカム(BI)」などがある。
 フランスの経済学者トマ・ピケティ。格差論について調べた彼は過去200年に遡る研究から『資本収益率(r)>経済成長率(g)』となることを見つけた。つまり、資本家が土地や機械などの何かを生み出すものにする投資の利益「資本収益率」が、経済が良くなってもらえる給料が上がる「経済成長率」よりも高くなる。これにより、徐々に労働者と資本家の格差は広がっていく。
 1つ目は現在も使われている生活保護。ただ、生活保護には資力調査という、生活保護の対象になるかどうかの調査があり、このコストが莫大にかかる。例えば、年収がゼロでも資産が2000万円ある人は保護が必要か、兄弟に3000万円の資産を持つ人は直ちに保護する必要があるか。その兄弟と一緒に住んでいる場合、縁が切れている場合…という複雑な調査になるため、コストがかかってしまう。
 2つ目は社会主義経済。民間企業を国営企業にし、中央集権的に管理して計画経済を行う社会。簡単に言うと、企業を国のものにして、国が物の生産量や値段を決める仕組み。
 中央としての政府が全国の市場を管理するこのスタイルは、ソ連で実際に運用されたもの(ソ連型社会主義)。ソ連でうまくいかなかった大きな理由は、計画経済が現場にいない人が指示を出していくようなもので、刻々と移り変わる現場に対応できなかった。現場で起きたことに即応できるようであればいいのだが、汎用AIも人とまったく同じ感性を持てるわけではないので、予測としても難しい。
 他の社会主義の形としては。全員が国営企業の株券等を持つことで、全員が資本家になるというクーポン型市場社会主義も理論上考えられているが、配当によるバラつきが出ること、それ以前にこれらの社会主義経済は、現在の資本家が国営化をそもそも受け入れないという可能性がある。
 3つ目はベーシックインカム(BI)。国民配当とも訳されるBIは、国から直接国民すべてに、最低限の生活費を給付するというもの。選別的に給付する生活保護に比べて、一括でみんなに給付するので行政コストが割安になる(給付についての事務手続きがあるのでコストはなくならないけど)。ただし、個人の生活に関わるものをひっくるめて支援する生活保護に比べ、医療や介護等の障害支援に費用がかかる人に対しては、今まで通りの社会保障制度が別に必要となる。
 BIについての問題として財政コストの問題がよく取り上げられるが、財政は増税を行って確保することで解決する。増税と聞くと拒否感のあるが、結局そうして増税されたお金が自分たちに給付されるので、戻ってくることになる。納税額が多い人は相対的に負担が大きくなるが、現在の生活保護に比べて行政コストがかからない分、社会保障としては実質的に安くなり、現実的な方法論だとしている。
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2020年04月25日

資本主義の弱点を補う政策形成が最重要課題!

 貧困家庭で暮らす子供の中には、親の意向で高校に進学させてもらえなかった子や家庭の経済事情を理由に高校を中退した子、大学に進学すると生活保護の金額が減額されるから進学を諦めた子など、高等教育を受けられない子が数多くいる。
 もちろん高等教育を受けたから良い、受けなかったから良くない、ということではないが、統計的に高卒の生涯賃金は2.4億円、大卒以上は3.2億円と大きな違いが生じている。
 貧困の連鎖を解消するためにも、いかに彼らに進学のチャンスを与えられるか。これは社会の大きな課題である。こうした問題意識から、住民税非課税世帯の生徒に対して高等教育機関の入学金や授業料を無償化する法案を国会で通した(http://tinyurl.com/y7y6ouo5)。
 また、不本意非正規をはじめ、働けど働けど貧困から抜け出すことができない人も数多くいる。ギリギリの生活の中、貯蓄もできずに齢を重ねていくことになるため、将来も年金だけでは暮らすことができない。結果、社会全体で生活保護受給者の数が急増することになる。
 これまでも官民あげて最低賃金の引上げに努めてきましたが、より思い切った対策を早期に講じなければ、大きな社会問題を人為的に生むことになる。縦割りタコツボ型の発想を排し、社会保障と雇用制度の一体改革を行わなければならないはずだ。
 また、有効求人倍率が1を超える労働者不足の現状においてすら、働く意欲はあるのに仕事に就くことができない人も少なくない。障害者はもちろんのこと、障害認定には至らないものの複雑な作業の実施や円滑なコミュニケーション等に課題を抱える人たちを社会全体でいかに包摂していくのかだ。彼らの活躍の場をいかに用意していけるのか。こういった課題にも目をそらすことなく対処すべきなのだ。
 グローバル化が進み、南北問題が解消しつつある中、資本主義システムを前提とした社会において国内格差が拡大していくのは必然の流れではないか。資本主義の弱点を補う政策形成がこれからの日本における最重要課題であり、この政策分野に力の限りを尽くさなければ日本はもはや必要ないのだ。
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2020年04月24日

生活保護の支給を役所に認めさせるには?

 世間一般が想像する、生活保護を受給している人のイメージといえば、高齢者や仕事のない人、または仕事に著しく影響の出るような障害を持った人、といった考えの方が大多数ではないか。 しかし、実際には多くの20代、30代の若者が受給しているのだ。
 例えば、正社員としての雇い口が見つからないままに生活している人、闘病をしながら一家を支えなければならない人、いわゆるワーキングプアの人たちでも、生活保護を受給することができる。不正受給の問題ばかりがクローズアップされているが、救わなければ生きていくことができない弱者が、社会には存在しているのだ。
 生活保護を受給するためにすることは、役所へ行って申請用紙を提出する。たったこれだけ。もちろん生活保護を受けるに値すると判断されるための条件は必要だが、明らかに困窮した生活を送っている人は間違いなくクリアできるような簡単なものである。昨今の不正受給による世論の風当たりや、国から支給される受給金も、4分の1は事実上自治体が捻出することになるシステムのため、役所は生活保護受給者を減らすこと、またはこれ以上増やさないようにすることに躍起になっている。そのため役所の窓口では、「若い人は受給できない」「仕事がある人は受給できない」などといった嘘をつき、申請書を渡さず門前払いをする行為がまかり通っている。こういった役所の法律違反とも呼べる対応が多くの誤解を生む原因となった。
 仕事をしながら生活保護を受給するというものがどういったことかと言うと、年収が90万円程度の人がいて、(地域によって支給額は変わるが)その人への支給額が年間140万円だったとする。その場合は、差し引き50万円を生活保護として受給することができるのだ。国民はこういった事実をほとんど知らない」。
 これは私見だが、役所はあまりにひどい不正受給者などを故意にマスコミにリークして、世論を操作することによって受給額の減額や、受給へのハードルを上げようとしているのではないかと思うことが少なくない。私利私欲のためだけの不正受給や、直接現金で渡すことによって受給者の労働意欲をなくしたり、生活保護についての正しい知識を知らない弱者が、いいように言いくるめられて、最悪の場合、餓死をしてしまう。日本が本当の意味で先進国になるには、生活保護という、国民の最後のセーフティネットをもう一度きちんと見直して整えることが、これからの日本のために無視できない問題ではないか。
 日本が、最低賃金、非正規雇用者の割合、非正規雇用者と正規雇用者との賃金格差、最低賃金の上昇率のどれをとっても先進国で最悪の低い水準ということはあまり知られていない。GDP比の生活保護支出の割合も突出して低く、経済的理由による自殺者は2万人いる。現役世代であっても、一歩間違えれば生活が困窮してしまう可能性がある。
 役所の窓口で「あなたは受給資格がない」などと言われても、実は窓口には審査をする権限などない。押し問答になって、どうしても申請用紙を渡してくれないのであれば、便せんに生活保護を希望する旨を書いて届ければいい。
 法テラスに問い合わせて、弁護士にお願いするのもお金がかからず確実な方法である。健康な若者も、ワーキングプアの人も、本当に困っている人は誰でも生活保護を受けることができる。正しい知識を持つことが、いざというときの自分の身を守る手段となるのである。
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2020年04月23日

絶対的貧困と相対的貧困−「子供の貧困」 どう可視化・共有化するか?

 貧困の概念には、「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2つがあることはよく知られている。世界銀行によると、前者は2008年時点の購買力平価換算で1日当たりの生活費が1.25ドル未満の状態を指し、世界中で約14億人が該当するという。主として途上国にみられる貧困である。後者は、OECD等では各国の等価可処分所得の中央値の50%以下で暮らすこととされ、主に先進諸国における経済格差に基づく貧困だ。ここでは2つの貧困状態における「子供の貧困」を取り上げる。
 絶対的な子供の貧困では、安全な水や栄養のある食糧の確保、基礎的な教育環境の整備などが喫緊の課題だ。貧困に苦しむ世界の子供を支援しているNGOのWorld Visionのホームページには、『ソマリアでは、5000円で5歳未満の栄養不良の子供3人に、栄養価の高い食料を1ヵ月分支援できます』と、具体的な支援効果が記載されている。ある意味、その貧困の状況は、多くの人にとって直感的に理解でき、支援の手も差し伸べやすいかもしれない。
 一方、相対的な子供の貧困は、その状況があまり知られてはいない。たとえば日本の場合、国民1人当たりの平均年間所得は275万円(2012年実額)で絶対的には豊かだが、2012年の相対的貧困率は16.1%、子供の相対的貧困率(17歳以下)は16.3%と先進諸国の中でも極めて貧困率の高い国だ。果たして日本の子供の6人に1人が貧困状態にあるとの国民全体の認識はあるだろうか。
 先日、1人の中学生が私を訪ねてきた。学校の社会科の自由課題で「日本の子供の貧困」について調べているという。彼になぜそのテーマを選んだのかを聞くと、『日本は子供の貧困率が高い国だと本で読んだが、それが実感できない。その理由を考えてみたい』と話してくれた。この中学生の感想は、おそらく日本で暮らす多くの人が抱く感覚に近いだろう。そこにこの問題解決の難しさがある。
 日本社会では高校生が家庭の経済的事情で学校を中退した場合、将来的に安定的職業に就くことがとても難しくなる。それが世代を超えた貧困の連鎖を招くことにもつながる。相対的貧困とは経済面にとどまらず、いじめや虐待など社会の中に潜在化している場合も多く、教育、雇用、福祉等のさまざまな社会制度に基づき発生する複合的な精神的・文化的な窮乏状態だ。問題の所在や実態、因果関係、経済支援の直接効果などの把握は難しく、豊かな国ゆえの貧困問題とも言える。その解消のためには、まずは貧困の実態を可視化・共有化し、絡み合った課題を丁寧に解きほぐしつつ、1つひとつの支援策の改善効果を具体的に示す取り組みが求められているのである。
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2020年04月22日

公的扶助の国際比較

 公的扶助制度は、国によってその位置づけが大きく異なり、地方政府の責任としているところも多く、比較は難しいが、大きくは、できるだけ人々が生活困難に陥らないように「予防の」対策に力点を置く国と、予防にはあまり負担をかけないで生活困難に陥ってから救済することに重点を置く国とに分かれる。
 前者では、社会保障全体の規模は大きくなるが、公的扶助の規模は小さくなる。北欧やドイツなどヨーロッパの多くの国がこの部類に入る。後者の場合、社会保障の規模自体は大きくないが、公的扶助にはかなりの費用をかける。アメリカがその典型例であるが、イギリスもこの部類に入る。
 日本は普遍的な社会保険制度が整えられており、前者に属するが、日本の社会保障の規模は小さく、後者のイギリスをも下回っている。にもかかわらず、公的扶助の規模は厳しく抑えられ、それが少ないはずのスウェーデンやドイツをも下回っている。日本は、社会保障の規模もその中の公的扶助の規模も、ともに低い特異な国だということができる。
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2020年04月21日

増え続ける生活保護の受給者

 生活保護の費用は、国が4分の3を、自治体が4分の1を負担している。厳しい財政事情にある国も自治体も、社会保険などの普遍的な社会保障の費用を抑制するだけでなく、生活保護費も抑制してきた。人々に生活保護の申請を諦めさせたり、受けている保護を辞退させるなど、生活保護をめぐって厳しい取り扱いが問題となっている。不況が続く時期に、最後の安全網である生活保護も抑制するのでは、生存権をうたった憲法第25条が有名無実となりかねない。生活できないほどの低賃金が一般化する中では、生活保護の予算を十分に確保していくことが重要である。
 実際に生活保護を受けている人の数(保護実人員)は、1995年度の88.2万人に対し2006年度では151万人に達している。人口に占める被保護実人員の比率を保護率というが、保護率はその間に0.7%から1.2%に増加し、生活保護の総費用も、95年度の1.52兆円から05年度には2.63兆円に膨らんでいる。しかし、実際に生活保護を必要としている人はもっと多いはずなので、これでも足りないのかもしれない。そもそも日本では、生活保護を受ける人もこれにかかる費用も、先進諸国の中では最低なのである。
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2020年04月20日

機能しないセイフティーネット!

 生活保護は、他の制度がうまく機能していれば、それほど国の支出は増えない。失業率が低く、賃金が一定水準を維持し、社会保険がうまく機能している場合は、生活保護の費用はそれほどかからない。不況が長く続く場合でも、社会保険が余裕を持って運営されていれば、生活保護が必要になる前に多くの人を救済できる。したがって、生活保護を受ける人が多いということは、本来喜ぶべきことではない。よい生活保護制度を備えながら、それを必要とする人が少ないことが望ましい。反対に問題なのは、普遍的な制度が不十分で、生活保護を必要としている人が多いのに、生活保護がセイフティーネットの機能を十分に果たせず、保護を受ける人が少ないことである。セイフティーネットとは、人々の生きる権利を保障する最後の安全網である。
 最近の日本の政府は、望ましくない政策を選択してきているように思う。長引く不況で、働く人々の所得は全体として減る一方である。企業は非正規雇用を増やし、正規労働者の賃金も抑えてきた。働いても最低限度の生活が維持できない人々が増えるようになった。こうしたときにこそ、重要な役割を果たすのが社会保険であるが、これまでの社会保険は正規労働者をモデルに作られているので、非正規労働者をうまく救済することができない。弱体化した社会保険をしっかりと支えるには、政府がこれまで以上に支援しなければならないのに、政府は逆に社会保障予算を削減し続けてきた。だから普遍的な社会保障制度の網の目からこぼれ落ちる人々、すなわち生活保護を必要とする人々は確実に増えているはずである。
 生活保護の申請を辞退させられ「オニギリ腹一杯食いたい」と日記に残して餓死する人が出たり、生活苦から自殺する人が絶えない現状(自殺者は10年連続で3万人超)は、生活保護がセイフティーネットの機能を果たせていないことの現れであるといえる。
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2020年04月19日

問題は濫給ではなく漏給

 生活保護の額はある程度余裕のあるものでなければならないし、必要な人には確実に支払われなければならないものである。そのため、生活保護はさまざまな不正や犯罪の土壌となりやすい。
 生活保護の受給者に借金をさせて毎月そこからピンハネをさせる業者がいたり、医師を脅して医療費や通院交通費をせしめる者もいる。こうしたことが報道されると、多くの人は、生活扶助の基準が高すぎるとか、通院のための交通費の扶助に限度を設けるべきだなどと思いがちであるが、犯罪や不正と、生活保護の水準や扶助のあり方とは、決して混同すべきではない。
 こうした制度には、犯罪や不正はつきものである。それが起こらないように努力することは大切なことであるが、だからといって、保護水準を下げて必要な人が最低生活を維持できなくなるようなことがあってはならない。
 実際、問題は濫給ではなく漏給のほうである。生活保護を受けられるのに受けていない人が多いからである。受給できるはずの人々のうち、実際にどの程度の人が受けているかを示す数字を生活保護の捕捉率というが、日本の捕捉率は超低率である。いくつかの研究によると、受けるべき人の1割とかせいぜい2割の人しか生活保護を受けていないことが明らかにされている。
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2020年04月18日

避けては通れないミーンズテスト(資力調査)

 生活保護を受けるには、その人の実際の収入が国が定める最低生活水準にどの程度不足しているのかを詳しく調べる必要がある。年金があればその額は扶助基準の額から差し引いて、不足する分だけ支払われる。パートの賃金収入があれば、就労に伴う若干の控除(必要経費)を残しあとは扶助額から差し引かれる。それは、生活保護の保障が、最低生活までの保障に限られるからである。
 差し引かれるのは所得だけではない。貯蓄があれば、生活保護を受ける前にそれを生活維持に活用することが求められる。一般の人が持っていないような贅沢な品も、処分する必要がある。さらには、まずは親類の援助を受けるように促される。生活保護は、このように本人の生活困難の事情を細かく調査することを避けて通れない。公的扶助制度に伴うこうした調査のことを「ミーンズテスト」というが、これが公的扶助の実際の受給を難しくしている最大の原因である。実際、こうした屈辱的なミーンズテストをきらって申請しない人は多く、生活保護が受けられるのに受けていない人が多数存在している。
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2020年04月17日

格差是正、停滞脱出のカギ

 現在の経済政策の課題を「バランスシートの資産と負債の不均衡(=過剰債務)の調整」という観点から展望する。経済学の理論モデルでは「政府のバランスシートは、常に均衡する」という暗黙の仮定を置くことが多い。しかし現実の世界では、我々が過去何十年も経験しているように、政府が過剰債務に陥ってもバランスシートの均衡は簡単には回復されない。政府の債務調整には政策選択が必要であり、政策の決定にも実施にも相当な時間がかかるからだ。
 政府の過剰債務を解消するには歳出カット、増税、インフレなど様々な方法があり、どれを選ぶかで、国民のどの階層がコストを負担することになるかが大きく変わる。政府の過剰債務は、将来のコスト負担について巨大な不確実性を国民にもたらし、経済に非効率を作り出す。
 例えば通常の理論モデルで考えると、日本の政府債務は国内総生産(GDP)の240%を超え、税収の割引現在価値を大幅に上回っているので、インフレが起きるはずだと予想される。しかし、この予想は「将来、増税も歳出削減もない」と国民が確信している場合に実現する。「増税や歳出削減が将来起きるだろう」と国民が思っている限り、デフレや低インフレが続いてもおかしくはない。
 そしてデフレのもとで債務が積み上がれば、いつだれが債務コストを負担するのかという不安が膨らむ。負担増大が予想されれば企業は投資をためらうだろう。消費者が増税を予期すれば、貯蓄を増やし、消費を減らそうとする。こうして経済は停滞する。
 経済政策の選択肢は、政府のバランスシート調整の手法として次のように整理することができる。
 第1は、増税と歳出削減による「財政再建」である。財政再建はネット(純額)の税収の現在価値を増やすので、政府の資産を増やし、過剰債務を解消する。第2は、規制改革などによって生産性を上げ、経済成長率を高める「成長戦略」である。成長戦略も税収を増やすので、政府の資産を増やし、過剰債務を解消する。
 第3は、2%程度の緩やかなインフレを安定的に実現しようとする「金融緩和」である。インフレが起きれば、国債の価値は低下するので、政府の負債が減る。こうしてインフレは政府の過剰債務を解消する。第4は、政府が国債の償還をしない(できない)ことによって負債を減らすという「債務不履行(デフォルト)」である。いわゆる財政破綻がこれである。
 極端な例として、戦争による資源の破壊もバランスシート調整の1つの手法と考えることもできる。政府の資産が戦争で破壊されてゼロになれば、負債をデフォルトしてゼロにすることもやむを得ない、となる。結果として過剰債務もゼロになってバランスシート調整が完了する。
 1930年代の大恐慌が第2次世界大戦を引き起こしたとも言われるが、大恐慌後の巨大なバランスシート調整の圧力が戦争につながり、結果的に戦争による破壊が各国のバランスシートの不均衡を解消したと解釈することもできよう。
 第5が、実質金利をマイナスにして負債Aを減少させる「マイナス金利」である。先進諸国では、実質金利がマイナスになる事態が近年頻発している。2019年の論文で、米ハーバード大のローレンス・サマーズ教授らは、過去30年にわたって経済協力開発機構(OECD)諸国全体の自然利子率(総需要と総供給を一致させる実質金利の値)が低下し、現在、ほぼゼロの水準に達しつつあると指摘した。いわゆる長期停滞論である。
 実質金利がマイナスとなる状態は、インフレかつ名目金利ゼロ、と同じ効果を持つので、政府債務は減少する。日本では近年この状態が続いているが、マイナス金利の現状については、膨大に積みあがった政府債務に対し、その解消方法として機能している、と解釈できるのではないか。デフォルトや戦争による物理的な破壊でバランスシート調整を進める過去の方法に比べれば、マイナス金利による債務調整は実物的な損失を生まない、ある意味理想的な方法とも言える。
 ゼロ金利やマイナス金利が続くと「金融政策を発動する余地が狭くなる」という懸念が論じられるが、景気変動を緩和するという問題に限ってみれば、短期的な財政政策など他の手法もある。景気対策の余地を狭めるという問題を考慮に入れたとしても、マイナス金利は必ずしも悪いことではないかもしれない。
 そもそも近年、なぜ実質金利は低下し、マイナスの領域にまで至ろうとしているのだろうか。その理由は格差の拡大と関連している可能性がある。標準的なマクロ経済モデルに「個人は所得の変動にさらされ、かつ、借り入れも無制限にはできない」という現実的な制約を入れると、実質金利が低下する、ということが知られている(S・ラオ・アイアガリの1994年の論文)。
 所得の低下をカバーする保険がないので、個人は将来の所得の不確実性に備えて貯蓄を増やし、その結果、金利が低下する。このモデルで所得の変動幅が大きくなると、金利はさらに低下し、マイナスの値になることもある。所得の変動幅の増大は、データ上は所得格差の拡大として表れる。簡略化するなら「格差の拡大がマイナス金利を生み出す」と言える。格差の拡大は、個人の不確実性を増やし、長期停滞(マイナス金利とほぼ同じ)を引き起こす。
 こうしたときに金利をプラスにすることが経済の正常化だとしたら、そのためには所得格差を軽減する必要がある。言い換えれば、個人が人生で直面する不確実性を減らし、結果として社会全体の所得配分の不平等を緩和することが重要である。
 それには、根本的な社会保障制度の改革が必要だろう。新しい社会保障制度は、最新のテクノロジーを駆使することによってあらゆる階層の個人の社会的包摂を目指すものになる。長期停滞からの脱却は金融政策だけの問題ではない、というべきではないだろうか。
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2020年04月16日

高リスクケースでは65歳以上の被保護人員が200万人を突破

 今後、貧困高齢者はどう推移するのか。正確な予測は難しいため、一定の前提を置き、簡易推計を行ってみよう。まず1つは「高リスクケース」である。65歳以上高齢者の「保護率」(65歳以上人口のうち生活保護の受給者が占める割合)は、1996年の1.5%から2015年で2.9%に上昇しており、その上昇トレンドが今後も継続するというケースである。もう1つのケースは「低リスクケース」で、65歳以上高齢者の「保護率」が2015年の値と変わらずに一定で推移するというケースである。
 以上の前提の下で、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(2017年推計、出生中位・死亡中位)を利用し、65歳以上の被保護人員(生活保護を受給する高齢者)を予測した。
 低リスクケースでは、65歳以上の被保護人員は、2015年の約97万人から2050年に約110万人に微増するだけだが、高リスクケースでは2048年に2倍超の200万人を突破し、2065年には215万人にも急増する。2065年の65歳以上人口は約3380万人であるから、215万人は6.4%で、100人の高齢者のうち6人が生活保護を受けている状況を意味する。
 では、生活保護費の総額はどう推移するか。2017年度における生活保護費の総額は約3.8兆円で、約214万人が生活保護を受給している。1人当たり平均の生活保護受給額(名目)が一定で変わらないという前提の下、「高リスクケース」と「低リスクケース」で生活保護費の総額を簡易推計した。
 低リスクケースでは2025年頃までは概ね4兆円弱であるものの、それ以降では緩やかに減少し、2065年には2.9兆円になる。だが、高リスクケースでは、2029年に5兆円を突破し、2067年には6.7兆円にまで増加する。
 貧困高齢者の問題がこれから深刻さを増すのは明らかだが、現行の社会保障で本当に対応することができるのか。社会保障財政の持続可能性を高めるためには安定財源が必要であることはいうまでもないが、すでにさまざまな「綻び」が顕在化しつつあるなか、生活保護のあり方を含め、「社会保障の新たな哲学」についても検討を深める必要がある。
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2020年04月15日

増加する高齢者の生活保護の将来

 少子高齢化や人口減少が急速に進むなか、社会保障費の増加や恒常化する財政赤字で日本財政は厳しい。税や保険料等で賄う社会保障給付費(医療・介護・年金等)は現在概ね120兆円だが、内閣府等の推計(2040年を見据えた社会保障の将来見通し)によると、2018年度に対GDP比で21.5%であった社会保障給付費(年金・医療・介護等)は、医療費・介護費を中心に2040年度には約24%に増加する。
 現在のGDP(約550兆円)の感覚でいうと、この2.5%ポイントの増加は約14兆円(消費税換算で6%弱)に相当する。また、財務省「我が国の財政に関する長期推計(改訂版)」(2018年4月6日)では、2020年度に約9%の医療・介護費(対GDP比)は、2060年度に約14%に上昇する。すなわち、40年間で医療費等は約5%ポイント上昇し、この増加は現在のGDPの感覚で約28兆円(消費税換算で約11%)にも相当する。
 だが、財政は表面的な問題であり、問題の本質は別にある。そのうちもっとも大きな問題の1つは、貧困高齢者の急増である。たとえば、2015年で65歳以上の高齢者は約3380万人いたが、そのうち2.9%の約97万人が生活保護の受給者であった。すなわち、100人の高齢者のうち3人が生活保護を受ける貧困高齢者だ。
 1996年では、約1900万人の高齢者のうち、1.5%の約29万人しか生活保護を受給していなかったので、貧困高齢者は毎年3.5万人の勢いで増え、20年間で約70万人も増加したことを意味する。
 高齢者の貧困化が進んでいる背景には、低年金・無年金が関係していることは明らかだが、50歳代の約5割が年金未納であり、今後も増加する可能性が高い。
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2020年04月14日

安倍晋三政権の“高齢者いじめ”が加速している!

 検討が進められている年金制度改正では、働き方改革と相まって、一見、高齢者の労働を促すことにより、その生活が改善されるように見えるが、実態面では“改悪”が進められている。加えて、高齢者の医療費自己負担額の引き上げも検討されるなど、今後、高齢者の生活は一段と悪化する可能性が高まっている。
 『「年金月4万円」生活保護費「受給者増加」高齢大国ニッポンの「暗い将来」』は、読者から大変大きな反響があった。この中で、現行の年金受給額では、特に国民年金受給者の場合「生活が維持できない高齢者」が多数存在し、高齢者世帯の生活保護受給が増加の一途を辿っていること、政府が検討している年金制度改正は高齢者の労働意欲を高め、生活改善に資するものではないことなどを指摘した。
 現在、政府は「全世代型社会保障」に向けた年金制度改正の検討を行っているが、残念ながらこの改正は、決して高齢者の生活改善につながるようなものではない。
 年金制度改正の柱は3つ。
 柱の第1は、公的年金の受給開始年齢を75歳まで選択できるようにすることだ。
 現在の公的年金制度は、受給開始年齢が原則65歳で、60〜70歳の範囲で選択できる。受給開始を1ヵ月早めるごとに65歳から受給を開始した場合の年金額(基準額)から0.5%減額され、遅らせるごとに0.7%増加する仕組みとなっている。もし60歳から受給を開始すると、基準額から30%の減額、70歳から開始すると42%の増額となり、この金額は生涯続く。
 60歳から受給を開始すると、年金の受給総額は65歳から受給を開始する場合に比べ、75歳までは多いが、75歳を超えると65歳から開始したほうが多くなる。また、70歳から受給を開始すると、65歳から開始した場合の年金総額に追いつくのは82歳前後となる。どんどんと不利な状況に追い込まれることになるのだ。
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2020年04月13日

頑張る低所得層を助ける仕組みもやはり生活保護基準の引き上げから!

 第3の問いは、「世間、特に『頑張っているのに生活保護より苦しい』と感じる低所得層の視線をもう少し温かくするために、生活保護を受給していない低所得層をもっと支援する必要があるのではないか」というものだ。
 確かに、その通りだ。しかし、この問題に対する解決策も、まずは「生活保護基準を引き上げる」ということになる。生活保護基準を引き上げれば、連動して最低賃金が引き上げられるからだ。
 さらに、低所得層に対する社会保険料や医療費の自己負担を減らす必要がある。税の減免対象であるはずの低所得層から、実質的に税である社会保険料を徴収するから、「働いて納税しているのに、生活保護より苦しい生活」という倒錯が生まれてしまうのだ。
 社会保険料や医療費の自己負担を減額・免除する制度は、一応は全国的に存在する。しかし、必要とする人々が誰でも使えるようにわかりやすく説明している自治体や、申請を容易にしている自治体は、現在のところは「日本の普通」ではない。
 2019年は、生活保護に関して明るいニュースがほとんどないまま終わってしまった。日本の残念すぎる実情を変えていかなくては、課題問題が濃縮されがちな生活保護の世界は明るくなりようがないだろう。
 それでも、「自分が少しだけラクになりたい」という思いを、「ついでに生活保護の人々も」と広げていくことはできるだろう。そして、厚労省が非公開で続けている生活保護と就労支援の研究会に関心を向けることだ。もしかすると、それは自分を救う近道になるかもしれないからだ。
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2020年04月12日

単身者で最大3万円程度の労働収入 生活保護から抜け出す気になるか?

 ここで、3つの問いに答えよう。
 1番目の問いは「働いても収入が増えない「収入認定」の仕組みが、生活保護からの脱却を妨げているのではないか」というものだ。
 生活保護はあくまでも「健康で文化的」な最低限度を保障する制度なので、生活保護の下では、「最低限度」以上の生活はできない。このため、生活保護費以外の収入がある場合には、「収入認定」され、同額が生活保護費から差し引かれる。
 働いて得た賃金の場合は、「働き損」にならないように、まず働くことに対する必要経費がカバーされる。さらに、本人の可処分所得が若干は増える。とはいえ、単身者の場合の最大で、増加分は3万円程度だ。それでも、「モチベーション下がりまくり」と嘆息しながら正直に収入を申告しなければ、不正受給となる。ちなみに、不正受給のうち最多のパターンは、就労申告を隠したり少なく申告したりするものだ。
 2番目の問いは、「生活保護から脱却すると、社会保険料や医療費の自費負担によって、かえって生活が苦しくなる。この問題を解決する必要があるのではないか」というものだった。
 この問題への回答は、2013年に「就労自立給付金」として制度化されている。生活保護の下で就労している場合、就労収入の多くは前述のとおり「収入認定」されるのだが、その分を仮想的に積み立てておき、保護脱却時に一時金として給付するというものだ。
 ところが、そもそも対象者がいない。背景は、「そもそも、働いて生活保護を脱却できそうな人がいない」ということだけではない。この制度が前提としているのは、安定した収入が得られる状況が継続、言い換えれば一定の金額を「収入認定」できる期間が継続するということなのだが、その前提は成り立たないことが多いのだ。
 たとえば、「生活保護で暮らし始めて、すぐ就職に成功して脱却した」という場合、積立期間がないため給付金の対象にならない。それでも2016年、約1万人が生活保護から脱却して「就労自立給付金」を受け取ったが、厚労省によれば、その1万人は就労によって生活保護から脱却した人々の40%に過ぎなかった。
 生活保護基準を引き上げれば、就労した場合に手元に残せる金額も増える。収入申告した場合に手元に残る金額を同時に引き上げれば、「働いたら生活が豊かになった」という手応えが大きくなるだろう。すると、預貯金が容易になる。効果が疑わしい給付金よりも、より効果的に就労意欲を高められるのではないだろうか。
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2020年04月11日

「働けるはず」と言える人が実はほとんどいない生活保護の世界

「単身者かどうか」に注目しよう。単身の人々と、育児や介護を担っている人々では、同じ「男性でやや不健康な55歳」であっても、就労を開始したり転職したりするにあたっての制約が全く異なるはずだ。
 2016年、生活保護世帯は約160万世帯であった。単身世帯は約127万世帯で、約80%を占めていた。高齢化と単身化が同時に進行しているのは、日本全体に見られる傾向だが、特に生活保護世帯が時代を「先取り」していると言えるかもしれない。
 127万人の単身者たちのうち、20〜64歳は約51万人、20代と30代に限定すると約6万人だった。20代・30代の単身者は、生活保護で暮らす210万人の約3%に過ぎなかったことになる。
 就労には、多様な意義がある。自分の生み出した仕事の価値が認められて報酬を得ることは、社会とつながる重要な回路の1つだ。就労により生活保護から脱却することの価値は、「保護費を減らし、国と地方の財政に貢献する」ということにとどまらない。しかし、年齢別に見ていくと、生活保護で暮らす若い人々が就労によって生活保護を必要としなくなったとしても、保護費の削減はあまり期待できなさそうだ。
 その上に、障害・病気・負傷が重なっているかもしれない。本人の状態を考慮すると、生活保護で暮らす人々の3%にあたる20代・30代の単身者6万人のうち、実際に「働ける」状態にある人々はいったい何人いるのだろうか。
 生活保護で暮らす人々の中に含まれている「働ける」人々は、もともと非常に少ない。したがって、就労指導を強化しても生活保護を必要とする人々は減らず、保護費削減にもつながらない。これが実態だ。
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2020年04月10日

生活保護受給者で「働ける人」は実際にどれくらいいるのか?

 公開されている統計データから中央値を推測すると、60〜64歳の範囲にある。62歳なら「働ける」残り時間は3年だ。
 2016年は約211万人が生活保護で暮らしていたが、「働ける」とされる20〜64歳の人々は約85万人だった。このうち約46万人は50〜64歳だった。「働けるはずなのに」と叱咤激励しても、あまり意味がなさそうだ。
「努力すれば、就職はそれほど難しくないはずだ」と言えるのは、20代・30代であろう。同年、生活保護で暮らしていた人々の中に含まれていた20代は約6万人、30代は約11万人であった。合わせて17万人。20代・30代で「若いから働けるはずだ」と考えられる人々は、生活保護で暮らす人々の8%に過ぎなかったことになる。
 さらに年代別に見てみると、40代が23万人、50代が34万人である。この世代に関しては、「失われた20年」「ロスジェネ」「バブル崩壊」「リーマンショック」といった時代の波を考えざるを得ない。
 そこに、一度失敗すると再起が困難な日本の就労状況の影響も重なる。60代は、60〜64歳だけで20万人だ。50代で失職して生活保護を必要とする状況になったら、就労努力を重ねても安定した雇用は得られず、アルバイト収入を得て保護費を少なく受け取るのが精一杯のまま60代を迎え、やがて65歳の高齢者となるのは、自然の成り行きかもしれない。
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2020年04月09日

「生活保護を受けるとやる気がなくなる」は本当かを検証する3つのポイント

 「生活保護は、やる気を失わせる制度」という見方は、非常に根強い。笑顔とエネルギーに満ち溢れた楽しそうな人が生活保護で暮らしていることは、事実として少ない。何が原因なのかはともかく、生活保護で暮らしていることと、体力や気力や尊厳が失われがちであることは、強く結びつきがちだ。
 今回は、この問題の解決策の1つとして挙げられることの多い、次の3点のアイデアを考えてみたい。
(1)働いても収入が増えない「収入認定」の仕組みが、生活保護からの脱却を妨げているのではないか。
(2)生活保護から脱却すると、社会保険料や医療費の自費負担によって、かえって生活が苦しくなる。この問題を解決する必要があるのではないか。
(3)世間、特に「頑張っているのに生活保護より苦しい」と感じる低所得層の視線をもう少し温かくするために、生活保護を受給していない低所得層を、もっと支援する必要があるのではないか。
 現在、厚労省は「生活保護受給者に対する就労支援のあり方に関する研究会」を開催しているが、非公開なので内容は不明だ。例えば昨年10月19日に開催された第4回会合ではパソナからのヒアリングが行われたが、資料は公開されていない。しかし、公開されている議事要旨からは、本人の就労意欲を重視していることが読み取れる。いずれにしても、生活保護と就労については、「都市伝説」が多すぎる。
 最初に、大切なことを1つ確認しておく必要がある。働いて生活保護から脱却できる可能性がある人、言い換えれば単身者で年収200万円程度の収入を得られそうな人は、何人いるのだろうか。
 細かく集計された年次・年度次の最新データが揃っているのは、2016年の生活保護統計だ。とはいえ、生活保護統計から「自分の働きによって、生活保護以上の生活ができそうな人」の人数を見積もるのは、実はかなり困難なのだ。
 たとえば「母子世帯」には、母子世帯も父子世帯も、両親以外の大人が子どもを育てている世帯も含まれる。いずれにしても、子どもと同居している大人の健康状態や年齢は顧られない。生活保護で言う「母子世帯」であるということが意味するのは、「子どもがいて、両親の片方または両方がいない」ということだけなのだ。
 生活保護で暮らす母子世帯の世帯主は、病気や障害を抱えているかもしれない。また、子どもが障害や病気を抱えており、大人が容易に働けない状況にあるのかもしれない。公式統計では、「母子世帯」が「死別」「離別」「その他」に分類されているが、その世帯の大人が働けるかどうかを示す指標ではない。
 まず単純に、年齢に注目しよう。生活保護で「働ける」とされるのは64歳以下だ。しかし、生活保護で暮らす人々の平均年齢は56.8歳なのだ。「働ける」残り時間は、約8年ということになる。
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2020年04月08日

生活保護受給者の特徴を解析、実態浮き彫りに!

 大阪市が持つ生活保護受給者のデータを大阪市と大阪市立大学が共同分析したところ、住民登録から受給開始までの期間が6ヵ月未満と短かったケースが2015年度で男性19.8%、女性10.6%に上ることが分かった。生活困窮者が他の地域から大阪市へ流入し、生活保護を受けている実態が浮き彫りになったとみられる。
 大阪市立大学によると、大阪市へ流入して6ヵ月未満で生活保護を受給したケースは、34歳以下の男性で26.4%、45〜54歳で21.7%。これに対し、女性は15〜16%しかなく、男女で大きな差が見られた。
 世帯別で多いのは男性の単身で26.6%。単身傷病者24.1%、単身高齢者16.8%、単身障害者15.6%といずれも高率だったのに対し、一般世帯は5%を切り、女性の母子家庭も10%にとどまっている。生活困窮者の流入は男性の単身者に多いことがあらためて示されたわけで、大阪市が全国から単身男性の生活困窮者を受け入れているともいえる。
 行政区別でみると、男性の場合は最大の区で33.2%に達したのに対し、女性は最大の区で18.6%、5%に満たない区も複数存在した。
 生活保護の継続率は男性で10年間が20%前後、5年間が40%前後。この傾向は住民登録から受給開始までの期間が6ヵ月以上のケースと大きな変化がなかった。就労による生活保護からの離脱はかなり少ないが、死亡や失踪による離脱は多い。
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2020年04月07日

これでは生活保護から抜け出せない あまりにも「最低限度」が多すぎる

最低限度以下の生活から、就労へとジャンプするために必要な何かを用意することは、どのような生活保護世帯にとっても容易なことではないだろう。それでも就労へのハードルを越え、就労を開始したら、就労に関しても「最低限度」であることを求められる。
 これでは、就労による生活保護からの脱却を、わざわざ困難にしているようなものではないだろうか。もしかすると、2013年以降の生活保護制度に関する動きは、「働いても、どういう努力をしても、生活保護のままでいるしかない」という人々と、生涯にわたって生活保護と無縁な人々と、その中間で「生活保護の世界に一生押し込まれていたくなかったら、せいぜいあがけ」と言われているも同然の人々をつくるために、あったのかもしれないのではないか。
posted by GHQ/HOGO at 06:44| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする