2008年03月12日

貧困の根本原因?

 非正規労働者が3割を超え、年収200万円の人が1千万人を突破した。一方、金持ちも増えている。格差と貧困問題をマスコミも取り上げ、福田首相も国会で「格差」に言及した。だが、福田総理は「貧困」は口にせず、格差と貧困の主な要因となっている雇用・賃金政策について明言を避けた。逆に経済が成長すれば問題が解決するとこれまでの雇用・賃金政策を追認し、消費税引き上げを示唆するなど、新自由主義路線を変えようとしない。格差と貧困の拡大を許さず解決するためには、実態をさらに広く知らせるともに根本的要因がどこにあるのかを明らかにする必要がある。
 格差・貧困を個人的な要因に求める意見が根強くあり、しかも貧困に苦しむ人々さえも自分を責める。しかし、貧困は個人の責任ではなく、社会的な要因から生じるものである。それは、あってはならない、社会が克服しなければならないものとしてある。だからこそ、政府は貧困の存在自体をなかなか認めようとしないのだ。貧困問題の解決に焦点を当てることによって問題をより明確にできる。
 では、「豊かな社会」と言われてきた現代日本になぜ貧困が広がっているのか。現代につながる貧困は、資本主義の成立とともに出現してきた。イギリスでの貧困者対策は苛烈を極め、浮浪者となった者をワークハウスという強制労働所へ収容するだけでなく、ここから逃亡した者には死刑もあるほどだった。これは、資本が農民から土地を取り上げて彼らを労働者に仕立て上げる過程で生じた問題を個人の責任として対処してきたことを示す。
 19世紀に、社会調査の研究者であるブースやラウントリによる調査が行われ、ロンドン市民やヨーク市民の約3割が貧困であることが分かった。これらの調査は、労働者の多くが貧困であること、不安定就労や低賃金がその要因であることも明らかにした。つまり、貧困が個人の責任ではなく社会的な構造に起因していることがわかったのである。
 こうした経過を経て貧困の予防策が社会保障制度の中心的なものとして具体化されてきた。経済の高度成長は表面的に貧困を解決したかのように見せたが、高齢や失業などによって常に一定数の貧困者を生じさせていた。そして現在、ワーキングプアやネットカフェ難民という「新しい貧困」が広がっている。彼らは、複数の仕事を掛け持ちする長時間労働や日雇い派遣という調整弁の働き方を強いられながら、その収入が最低生活水準に満たない状態に置かれている。そこには、彼らをそうした状態にする仕組みが横たわっているのだ。


posted by GHQ/HOGO at 09:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。