2007年10月08日

ワーキングプアは自己責任?

 最低賃金がここまで問題になるのは、最低賃金周辺で働く層が変化したからである。少なくとも15年くらい前までは、「最低賃金の周辺で働くのは学生アルバイトやパートのおばちゃん」という認識で問題はなかったと思われる。しかし、バブル崩壊後の不況が長引いたことにより、就職難で割を食った若年層や終身雇用崩壊のあおりを受けた中高年層など、低賃金で働く層が膨張した。つまり、最低賃金の動向は日本の経済(とくに個人消費)の動向を左右するほどの存在になりつつある。
 ここ10年は日本でも企業の倒産や失業などのリスクから逃げるのが難しい社会になっている。どんな職業に就き、どれだけ稼いでいても、1年後にはそれこそ無一文になるリスクがあるのが、今の日本だ。だから、誰もがワーキングプアになり、最低賃金周辺で生活しなければならない状況になる可能性がある。だからこそ、最低賃金の動向は私たちの生活に大いに関わることなのである。
では、現状において最低賃金周辺で働いている人たちには、どのような人たちがいるのか。まず考えられるのは、いわゆる「フリーター」や派遣社員などの非正規雇用者である。彼らの中には、会社にあまり拘束されず、自由度が高いという理由で非正規雇用者を選んだ人たちもいる。ただし、フリーターや派遣社員の中には、正社員として就職できず仕方なく非正規雇用を「選ばされた」人が少なくないことを知っておかなければならない。とくに、高校や大学を卒業が「就職超氷河期」だった19992005年に重なった人は、やむなく不安定で低賃金な雇用の中で働いている人がかなりいる。
 最近では、「ネットカフェ難民」とよばれる若者の存在がクローズアップされている。「ネットカフェ難民」とはインターネットカフェやマンガ喫茶、深夜まで営業するファーストフード店などを寝床とする人たちのことだが、彼らもまた、日雇いなどの低賃金で働くワーキングプアである。低賃金ゆえにアパートなどを借りることができなかったり、家賃が払えなくなったりして、インターネットカフェなどを生活の拠点とするのである。そうした就職難の「割を食った」若者だけではなく、女性や中高年にも、ワーキングプアになっている人は少なくない。例えば、離婚して小さな子供を抱えながら仕事を掛け持ちする母親や、不況で会社が倒産したり、事業に失敗したりして職を失った中高年男性などが当てはまる。彼らは、子供がいることがネックになり、求人の年齢制限をクリアできないなどの理由で労働市場からはじき出され、低賃金での生活を余儀なくされている。
 まとめると、ワーキングプアとなった若者、女性や中高年の人たちは、自分の意思とは関係ないところで「安い給料で生活せざるを得ない状況」に置かれている一面がある。そうした点を考えると、「ワーキングプアになるのは自己責任」などとする市場原理主義者の論調は、あまりにも無責任すぎる。
posted by GHQ/HOGO at 08:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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