・貯蓄ができない
貯蓄ができない点も、貧困で苦しむシングルマザーの悩みである。実際に、2016年の調査では児童のいる世帯と母子家庭の貯蓄について、以下のような結果が出ている。
貯蓄がない 貯蓄がある 平均貯蓄額
子供がいる世帯 14.6% 82.0% 679.9万円
母子世帯 37.6% 59.6% 327.3万円
(出典:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況」,2016)
およそ4割近くの母子家庭が貯蓄がない状態ということがわかる。
さらに、生活意識の状況について見てみると、母子家庭では「大変苦しい(45.1%)」「やや苦しい(37.6%)」と、85%近くの家庭が苦しいと感じているとされている。
また、母子世帯の母の預貯金額の状況は、「50万円未満」が 39.7 %と最も多いことも明らかになっている。
(出典:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況」,2016)
・食事が困る
仕事で時間が取られたり疲れが溜まったりすることで、子供への食事がコンビニ弁当やジャンクフードばかりの家庭もある。栄養バランスが崩れるだけでなく、自炊よりもお金がかかってしまうというマイナス点もあるため、なかなか貧困から抜け出せない要因にもなり得る。
近年は、こうした問題を解決するために無料で食事を提供する「こども食堂」のような取り組みが普及している。
・習い事や旅行ができない
経済的な余裕がない状態は、衣食住以外の場面にも影響する。子供に、「好きな習い事をさせてあげられない」、「ゲームやおもちゃを買ってあげられない」といったことや、「友人との食事会や旅行に行けない」など。友達や近所など、周りの家庭と比べてしまい、日々辛い思いをしているシングルマザーも多い。
・協力を仰ぎにくい
周りから厳しい言葉をかけられたシングルマザーは少なくない。シングルマザーに対する偏見的な意見によってストレスを抱える方もいる。
貧しいというだけではなく、誰かに「助けて」と言えない孤立感によって貧困さは悪化すると考えられている。
(出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査(ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢),2016」)