2020年02月23日

貧困の責任は個人それとも政治?

 米国は日本と並んで、先進国の中では突出して貧困率が高い国として知られている。米国でも貧困は個人の問題なのか、政治の問題なのかという論争があるのだが、困ったことに、「日本ではまじめに働いている多くの人が貧困生活を強いられている」と日本を引き合いに出し「貧困は個人の責任ではない」と主張する記事が話題になった。
 米国では保守派の一部が、貧困は個人の責任であるという主張を行っている。米国の相対的貧困率は17.8%、日本は15.7%となっており、フランス(8.3%)やドイツ(10.4%)など欧州各国と比較すると、日米の貧困率は突出して高い状況なのだ。
 米国は社会保障制度が充実していないというイメージがあるが、実はそうでもない。米国には低所得者向けの医療保険であるメディケイド、食料配給券制度(フードスタンプ)、子育て世帯向けの粉ミルク・食品支援策(WIC)、賃貸住宅補助、給食の無料券など、数多くの低所得者向け支援制度があり、比較方法にもよるが、人口1人当たりの予算規模も日本を大きく上回っている。
 しかしながら米国の場合、自ら制度を積極的に活用しないと支援は受けられないので、制度を探す能力がないと、貧困が放置されるケースがある。こうした状況に対して、リベラル系や穏健な保守派の論者は、貧困者にもっと機会を与えるべきだと主張し、これに対して一部の保守派が自己責任論を主張しているという図式なのだ。
 そうした中、米国の大手メディアであるブルームバーグが、日本を引き合いに「貧困は個人の責任ではない」とする記事を配信した。それによると、日本の貧困者の多くは、犯罪者でも、麻薬に手を染めているわけでもなく、まじめに働いていると分析。それでも貧困に陥っているのは社会制度の問題であり、米国も同様であると論じた上で、米国でも欧州のような手厚い社会保障制度を導入する必要があると主張している。
 ネットでは「とうとう日本もこうしたケースで取り上げられる国になってしまったか」という嘆きの声が飛び交っている。確かに、勤勉に働いていても貧困に陥るケースとして日本が取り上げられるようになるなど、20年前には想像もできないことだった。しかしながら、日本の貧困問題が悪化しているのは事実であり、特にシングルマザーの貧困は極めて深刻な状況となっている。責任の所在以前の問題として、これでは先進国と呼べる状況ではない。早急な対策が必要なはずであるのだが、政治の動きが極めて緩慢なのだ。
posted by GHQ/HOGO at 07:38| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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