2019年11月20日

日本は格差が激しい!

 アメリカの場合、すべての勤労者が納めた年金保険料はすべて一元的に社会保障信託基金にプールされ、保険料の支払総額・期間・年齢が同じなら、基本的に受給額も同じレベルである。むしろ納入保険料の低い低所得者の受給額は、高所得者より納入保険料比率にすれば有利となっている。
 それに対し日本は年金組合が公務員・正社員・それ以外に分かれ、しかもそれが業界や地域によって分かれているので、相互の格差が激しい。もともと日本の年金は、軍人や公務員の恩給から始まっており、国に貢献した者への褒美ではあっても、貧困対策ではなかった。戦争中に軍需産業を中心に正社員に厚生年金が広まり、1961年にそれ以外の層、たとえば農民や自営業者に国民年金が適用されたのである。国民年金では生活できないが、農民や自営業者は老齢になっても働けるし、持ち家で後継ぎ息子が面倒を見てくれる、ということだったようだ。
 また最低賃金は、70年代以降に主婦パートが増えると相対的に低下した。家計補助だから低くても問題ないというわけである。さらに85年の制度改正で、専業主婦でも年収が130万円以下であれば、夫が保険料を納入していれば妻にも厚生年金が適用されることになった。年間130万円以上稼ぐと、配偶者控除がなくなり、保険料を納めなければならない。こうして、最低賃金が低いほうがむしろ好都合な専業主婦層が、政策的に生み出されることになった。
 それに対し、生活保護は占領軍の支持で設けられたものだ。受給額は年金や最低賃金とは関係なく、憲法25条で保障された「健康で文化的な生活」を営める程度に設定された。こうして、全体の制度設計を考えずに制度をつぎはぎした結果、年金<最低賃金<生活保護という図式が成立したわけだ。
 さらに厚生年金組合でも、タクシーや繊維など不振業界では、業界縮小で組合の存続が危ぶまれ、税金の投入でようやく持たせている。こうした不振組合の資金運営が、AIJなどの破綻事件を起こした。
 こうなれば、最低賃金と国民年金を生活保護以上に上げ、専業主婦優遇制度をやめ、各種の年金を一元化するしかない。厚生年金は下がるが、一部の優良組合以外の不振組合はむしろ安定化する。それは識者みなが指摘することなのだが、その方向への「一体改革」は進んでいない。これが解決しない限り、「生活保護問題」は今後も深刻化するだろう。
posted by GHQ/HOGO at 06:10| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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