2019年08月20日

「正常ではない」者にカテゴライズ

 振り返ると、平成の30年間はこの2つのカオスが社会の隅々に浸透した時代であった。
 日々やせ我慢をして自己抑制が求められる「過剰同調社会」の住人であるわたしたちは、憲法で保障される生存権の意義や世界的に低い生活保護の捕捉率を理解する以前に、「働かずに給付を得る怠惰な連中」と決め付け、「正常ではない」者にカテゴライズすることで、自分自身のライフスタイルを型にはめている価値体系を守ろうとするのだ。
ヤングは次のように指摘する。
 『彼らと我らという二項対立をかき立てることで、アンダークラスは容易にアイデンティティを確立する拠点になる。そこでは「我ら」とは、正常で、勤勉で、きちんとした存在であり、「彼ら」はこうした本質的資質が欠如した存在である。このような本質主義こそがアンダークラスを同質的でわかりやすく、機能不全な実体として構成し、それを悪魔化する』
 これを日本の状況に置き換えると、(国家の隠された欲求である)「福祉の切り捨て」と(国民の隠された欲求である)「われらの優位性」が一致する危険な地点となるのである。
 つまり、公的扶助が適正に機能することよりも、自尊感情の手当てが優先されるのだ。
 2016年、NHKニュース7で取り上げられた経済的な貧困で進学を断念した高校3年生の女子生徒をめぐり、ネットで炎上が起こったことにそれが如実に表れている。
 本人のTwitterを探し当てた者が人気マンガのグッズを購入したり、1000円以上のランチを食べることを批判し始めたのだ。
 つまり、そこには「アンダークラスは最低限の衣食住以外の出費をするな」という清貧的なライフスタイルの強制を求める主張が根幹にあったのではないか。
posted by GHQ/HOGO at 05:15| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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