2019年08月07日

ルサンチマンでなく「中産階級以上のポジションと心情」「真実性を凌駕する真正性」によるバッシング

 現代における社会心理的反応は、バッシングの構造・動態、対象の差異等に応じてモラル・パニック、ルサンチマンといったカテゴリーで説明されてきた。この点には立ち入れないが、昨今の「大衆リンチ」状況をそれだけでは説明しきれぬように思う。福祉国家的諸制度の恩恵に与れない層が、そのルサンチマンからバッシングを向けるという図式は、制度の貧困・脆弱があきらかなゆえに納得してしまいそうだが、大勢としての事実に反する。「自分がしっかりしていれば制度に頼らずに何とかなるはず」という信念は、中産階級以上のポジションと心情の体系でこそ強固なのである。
 他者へのバッシングを正当な振る舞いとして許容できる社会心理的反応(スマホやPCで悪意ある投稿をしたことのある者はざっと4人に1人、投稿後の心理で一番多かった回答は、「気が済んだ、すっとした」31.9%、「やらなければよかったと後悔した」13.6%、「何も感じない」27.6%。独立行政法人情報処理推進機構「2014年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査」)は、何が適切で正しいかを真正性 authenticity という次元で解釈し了解する認知モデルが浸透した結果だと筆者は考えている。「私にとって正しいと思えること」の根拠を与える真正性は、「そう思う(信じる)私」の立場(居場所)を直接支える力を持ち、その意味で真実性を凌駕する。このメカニズムの詳しい検討もここではなし得ないが、気軽にバッシングを向けてしまえる相互的心性の領域がそうして開けたのである。
posted by GHQ/HOGO at 05:55| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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