2019年07月14日

レスキューの日

 協会と野澤さんたちは何度男性のもとを訪れ、犬猫約30頭を保護した。当時、男性のもとには155頭あまりの犬猫がいた。金網の不安定なケージは、犬猫の足に痛みを与える。糞は長く放置されていたため白く変色していた。身体は糞尿で汚れ、爪は肉球に突き刺さっていた。ぐったりと横たわる子、ケージの奥で声もあげず、怯えている子がいた。9割がここに連れて来られる前に繁殖犬として使われてきた犬たちだという。外の世界はほとんど知らない。保護されなければ、ケージの中で死を待つ運命だった。なんとか全頭を連れ出したかったが、現実的に厳しい。「ごめんね、次に来るまでなんとか待っていて」。野澤さんは、残していかざるを得ない子にそう声をかけたという。やりきれない思いだった。
 すぐに獣医に連れて行ったが、ほとんどが栄養失調による貧血や低血糖、膿皮症という皮膚の病気を患っていた。関節が変形していたり、心臓病にかかっている犬もいた。視力を失っていた子もいた。獣医の診断書には「この症例は、使用施設において必要な管理及び治療をされていた様子が一切ない」の文字が並ぶ。幾度もの繁殖の苦痛を物語るように、乳腺腫瘍にかかっていたり、胸が腫れている子も多い。
 動物への虐待は犯罪だ(動物の愛護及び管理に関する法律第44条)。虐待とは、動物を不必要に苦しめる行為をいい、暴力のほかにネグレクト(世話をしないで放置する、病気を放置する、排泄物が堆積した場所などで飼養するなど)も含まれる。今回、男性はこの愛護法上の虐待の禁止違反で刑事告発されたが、当の本人に虐待の意識は乏しい。「殴る蹴るをしていないのだから虐待じゃないだろう」と、告発される前に口にしていたと聞く。とはいえ、動物たちが病気にかかっている認識がなかったわけでもない。過去に野澤さんらが保護に入った際にも、「それ、もうすぐ死んじゃうよ」「その子はブツブツができてるから、癌じゃない」などと発言していたという。
 メスのヨークシャテリア。痩せ、爪は伸び放題で右目の下に穴が空き、扁平上皮がんを患っている重体だった。ララちゃんと名付けられ野澤さんの家で暮らしたが、数ヵ月後に亡くなった。
 メスのヨークシャテリア。痩せ、爪は伸び放題で右目の下に穴が空き、扁平上皮がんを患っている重体だった。ララちゃんと名付けられ野澤さんの家で暮らしたが、数ヵ月後に亡くなった。
posted by GHQ/HOGO at 08:19| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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