(1) リストラ
リストラで収入が断たれ、次の仕事が見つからないときは最大のピンチ。特にそれまで正社員だったのに40代、50代になってクビを切られるケースは深刻だ。この年代になると、それまでと同等の待遇を求めて就職活動をしても上手く行かないケースが大半である。しかし、ローンの支払、子供の教育費は待ったなし。もうそうなると、仕事を選んでいる場合ではなく、待遇は落ちても雇ってくれるところで働くのみとなり、収入大幅ダウンも受け入れざるを得なくなる。
(2) 非正規雇用
20〜40代で生活苦を感じている人は、非正規雇用が圧倒的多数。正社員と同じだけ働いても賃金は低く、ボーナスや社会保障もない。
(3) 病気
病気も生活苦に転落する原因である。近年特に多いのはうつ病による休職だ。仕事のストレスでうつ病になり、そのまま退職、資産を使い果たしてしまうパターンである。十分な財産があっても働かずに療養生活をしていたら、あっという間にお金は底をつく。ましてや借金を抱えている状態であれば、たちまち生活苦だ。会社員であれば傷病手当、退職しても失業手当があり当面は糊口を凌げるが、自営業、アルバイトの場合は何の保障もないので、それも叶わなくなる。
(4) 離婚
離婚もその後の生活に大きな影響を与える。特に専業主婦やパートで働いていた女性にとっては、生活苦への入り口となってしまうケースは少なくない。特に子供が小さく、周りに頼れる人がいない場合は、仕事と家庭を両立しなければならない。また、仕事を見つけるにも子育て中、年齢オーバー、キャリアがないという場合は、それなりの収入がある正社員の職を探すのは至難の業である。低賃金のパートやアルバイトしか見つからないことも多々あるだろう。もし、そこで病気や事故などで働けなくなった場合は、非常に辛い状況になる。
(5) 介護
親の介護も生活苦になる一因。親が認知症などを発症し、在宅介護をしなければならなくなった場合、他に看る人がいなければ、正社員&フルタイムの仕事を辞めなければならない。地元に戻って、仕事を見つけて働くも、非正規雇用やアルバイトで十分な収入が得られず、介護費用を捻出するために消費者金融に手を出す人は少なくない。また、介護が終わった後に再就職するにも、年齢の壁で思うようにいかない。介護は先が見えない分、費用の目途が立たないのが特徴。十分な蓄えがある人でも、介護をきっかけに貧困層になってしまうことはよくある話なのだ。
(6) 浪費・ギャンブル
浪費・ギャンブルも生活苦の一因である。しかし、自己破産するほど困っている人でも、浪費やギャンブルがきっかけというのは全体の10%で意外と割合は低い。浪費やギャンブルによる生活苦は自業自得にも思えるが、このタイプには依存症も含まれているので、一概に自己責任とまでは言えない。浪費、ギャンブルでお金を使い果たし、生活苦に陥る…全体の割合は少なくとも、日本全国にはそうしたきっかけで路頭に迷う家族は、今この瞬間にもたくさん存在する。
(7) 借金返済
借金返済は生活苦の直接的な原因。返済金額分は生活費がなくなるので、借金返済中はその分収入がないのと同じだ。借金返済は消費者金融だけでなく、住宅ローン、自動車ローン、奨学金なども含まれる。生活苦の原因はほかにもあるが、現在の状況から抜け出すにはどうしたら良いのか。