2018年12月10日

日本の生活保護制度とは?

生活保護は「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度」とされており、収入や資産の有無などを鑑み、世帯ごとに給付を受けることができる。
給付のメニューは生活費となる生活扶助に始まり、住宅扶助や医療扶助から葬祭扶助まで幅広く用意されている。この生活扶助は居住している地域や世帯員の年齢に伴って基準が異なっており、できるだけ世帯の実態に即して必要十分な給付がなされるようになっている。
この窓口となるのは居住する地域の福祉事務所(原則として市部では市、町村部では都道府県が設置し、一部の町村部では町村が設置している)であり、保護を希望する者はまずは相談をする必要がある。そして、収入が無く就労も難しいこと、預貯金や生命保険などの資産がないこと、年金や児童扶養手当などの他のセーフティーネットの活用ができないこと、親族などの扶養義務者からの仕送りを受けられないことといった事項についての調査を受けた末に、保護の開始が決定される。
 まず、生活保護をめぐる昨今の実態として、ここ数年来の給付総額急増があげられる。そもそも、生活保護は困窮するすべての者に給付されるという性質を持つが、実際には生活保護法(第四条一項)に「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」と規定された「補足性原理」から、勤労能力を持つ壮年世代への給付は窓口で拒まれていた。
しかし、平成20年のリーマンショックと前後して「ワーキングプア」「派遣切り」といった労働者・失業者の困窮が社会問題となり、平成21年3月の厚生労働省内で「単に稼働能力があることをもって保護の要件を欠くものではない」という通達が出され、各自治体で稼働世代への給付が行われるようになった。
 その結果、被保護世帯数において4倍増となった稼働世代が全体の生活保護受給者数・給付総額を押し上げ、戦後最高値を更新した給付総額は3億円を超えてなお膨れ上がり、4億円に迫っている。
こうした現状に対し、厚生労働省の社会保障審議会において「生活保護基準部会」が設置され、生活保護の給付水準についての議論が行われた。そして、平成23年4月から平成25年1月にかけての全12回の会議を経て、一般の低所得者世帯の消費実態と生活保護の給付基準との間に乖離があり、世帯構成によっては給付水準の方が上回っている場合もあるという結論が出された。
この結論を受けて政府は給付水準の見直しを検討し、平成25年1月27日には生活扶助を本年8月から3年かけて740億円削減していくことを発表した。また、この給付水準の見直しや「税と社会保障の一体改革」に代表される社会保障制度全体の見直しの機運を受け、同じく社会保障審議会に「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会」が設置され、平成24年4月から平成25年1月にかけてのこちらも全12回の会議を経て、報告書が提出された。この報告書においては、「生活保護の受給に至る前の就労への支援」の大切さを説き、「中間的就労」の可能性が言及されている。
 また、生活保護の給付額の拡大とともにその不正受給も件数・金額ともに拡大傾向にあり、平成22年度においては平成17年度(12,535 件)の倍の25,355 件、金額にして約128 億円の不正受給が明らかになっている。これらの不正受給の内訳をみると、平成22 年度の不正内容は稼働収入の無申告・過小評価が51.6%、各種年金等の無申告が27.7%であり、また、福祉事務所による課税調査などによって発見されたものが約9割となっている。不正受給は個人によるものと組織的なものとに分類でき、偽装離婚や他人名義の口座を利用した虚偽申告、また、不正であるかの判断は分かれるが医療費扶助の不適正利用などは個人的なものと推測される。
しかし、昨今では組織ぐるみの不正受給の存在が明らかになっており、前述の医療機関の事例やホームレスに生活保護の申請をさせて保護費をピンハネする事例などが問題となっている。このような貧困ビジネスは暴力団の新たな資金源となっていることが多く、組織的な囲い込みではないにしても、生活保護受給者が医療費扶助によって入手した精神薬の横流しを担う、といったように生活保護が食い物にされている事例は多い。
posted by GHQ/HOGO at 06:15| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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