住に関する問題を抱えていない方は、日本には、ほとんどいないかもしれない。持ち家にしても賃貸にしても、個人や家族単位で住を確保し続けるのは大変である。
もともとの住宅市場にも、問題がある。入居するためのコスト、特に賃貸住宅の初期費用が大きいとか、不利な条件を抱えた方は賃貸アパートへの入居が難しいとか。生活保護受給者が、いったん住み始めたアパートに問題が発生したとき、転宅を希望しても、福祉事務所がなかなか転宅を認めないとか。福祉事務所からすれば、「気に入らないから転宅させては国民感情が許さない」ということなのだろうけれど、これも初期費用の問題が大きいのだ。