2018年04月09日

日本は全体が貧しくなっている!

 NHKの報道をきっかけに、貧困問題に関する議論が紛糾している。ネットでの議論を見ていると、相対的貧困の考え方があまり理解されておらず、これが問題をややこしている印象を受ける。
 貧困問題を指摘する人のほとんどは、日本の相対的貧困率が先進国の中で突出して高いことをその根拠にしている。一方、貧困問題はそれほど深刻ではないと主張する人の多くは、貧困だとされる人の生活水準やライフスタイルを問題視している。両者はそもそも論点が異なっており、議論が平行線になるのは当たり前なのである。
 国際的に貧困問題を議論する場合には、統一基準を用いて計算された相対的貧困率を用いるのが慣習になっている。
 相対的貧困というのは、可処分所得の中央値の半分に満たない人が何%いるのかを示したものである。たとえば等可処分所得が250万円であれば、その半分は125万円ということになり、これを下回る世帯は貧困と定義される。日本では約20%の人がこれに該当する。
 等可処分所得は世帯の人数を考慮した数字なので、例えば世帯の可処分所得が240万円で4人家族の人は、等可処分所得は120万円と計算され、貧困層に分類される。可処分所得が240万円ということは、額面の年収では約300万円である。
 年収300万円で4人家族の人が貧困なのかということになると、これに対しては一部の人から異論が出てくることになる。「もっと苦しいのに、頑張っている人もいる」といった話になってくるかもしれない。NHKの番組に登場した女子高生が果たしてどの程度の生活水準なのかは分からないが、基本的には同じ図式とみてよいだろう。
 ここで重要なのは、相対的貧困率は各国とも同じルールで計算されているという事実である。要するに先進国の基準では、可処分所得の中央値の半分を下回る人が1割以上を超えているということは、貧困が多いという判断になる(この基準では貧困に該当している人の生活スタイルは問われない)。
 だが東南アジア諸国や韓国など、もともと生活水準が低かった国の国民にとっては、全体の15%が中央値の半分以下で生活することは何の問題にもならない。15%以下の人を無条件で支援するという政策には反発が出るだろう。
 要するに先進国基準では、その人の実際の生活がどうであれ、所得中央値の半分以下で生活する人が十数%いることが貧困だと認識されており、これに反発する人は、所得の分布ではなく、実際の生活水準を基準にしているだけの違いである。
 年収300万円、4人家族の人を貧困層として支援した方がよいかという話についてはここでは触れないが、重要なのは、先進国基準では、こうした人が16%いるということは、完全に貧困社会と認識されるという現実である。
 日本は年々その経済力を落としており、国全体が貧しくなってきている。先進国基準における貧困は貧困と見なさないという意見が多数を占めるようになってきたということは、日本も名実共に途上国に近い経済水準になってきたということなのだろう。
posted by GHQ/HOGO at 07:20| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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