こうした矛盾が表面化してくるのも、年金受給額に関して平均値が取られているからと考えられる。年金受給額に関しては、年収や就労形態によっても異なるため、平均値で考えること自体がナンセンスであり、生活保護受給問題と並行して考えると本質を見誤ってしまいがちになりかねない。
つまり、このようにも考えることができる。
「多額の年金を受給している高齢者の層が平均値を底上げしてしまっているために、少ない年金しかもらっていない高齢者までもが“納め得世代”と捉えられている」
年金受給額に関して “納め得”と“納め損”という世代間格差に関しての議論も確かに問題ではあるが、実は65歳以上の世代内格差も、高齢の生活保護受給者数を増加させている要因の1つと言えるのだ。