結婚を前提に「男は稼ぎ手。女は家(家事・育児・介護)。女性は働いても家計の補助」という固定的な性別役割分担意識が根強く残っている。そのため、女性は育児や介護などで仕事を中断しやすい傾向があり、また、税・年金などの社会保障制度(「配偶者控除」・「第3号被保険者」など)の影響で、年収を抑えた働き方を選択することとなり、パート・アルバイトなどの低収入で不安定な非正規雇用に就きやすい構造が見られる。
さらに、このような若い時期からの働き方の積み重ねの結果として女性の年金水準等は低く、特に高齢期の女性は経済的基盤が弱いと指摘されている(65歳以上の単身女性の貧困率は半数を超えている)。このような背景の中で「結婚して夫が妻子を扶養する」という枠組みを離れてしまうと途端に貧困に陥ってしまうという現実があるのだ。