2017年12月21日

生活保護とワーキングプアの問題

 日本がデフレ経済に陥ってすでに20年あまりになるのだが、その間、勤労者の平均所得は減少を続けてきた。一方で生活保護の支給額は減っていないため、生活保護支給額と最低賃金の逆転現象が起っている。
 つまり、生活保護支給額がフルタイムで働く人の最低賃金を上回る逆転現象が起きているのだ。しかも、生活保護の受給者は保護費に加えて医療費や介護費用が免除になり、住民税・国民健康保険・介護保険料・国民年金保険料・NHK放送受信料などが免除になる。
  したがって、生活保護受給者の実質年収を勤労者の所得に換算すると、年収400万円に達するという試算も報告されている。また、夫婦と子供2人の世帯の場合は、実質年収が500万円に達する場合もあることが指摘されている。
 その結果、就労可能な若い世代において、この逆転現象は社員になれずフリーターや契約社員として働いている人たちの労働意欲を減退させていることは否定できない。
 つまり、「あくせく働いてワーキングプアになるよりも、失業を理由に生活保護を受給したほうが得」という心理が、就労可能な世代の生活保護申請を後押ししていると言える。
  したがって、最低賃金が上昇しフルタイムで働く人の賃金が生活保護支給額の水準を上回ることが最も望ましい状態なのだが、景気が回復しなければ一朝一夕に解決できる問題ではないのだ。
 また、一方で「生活保護支給額の水準が適正なのか」という議論があることも事実だ。例えば、先進諸外国の同様の制度と比較してみると、比較対象のイギリス・フランス・ドイツ・スウェーデンの中で日本の支給額は最も高くなっている。
特に、日本の支給水準は、フランスとスウェーデンの約2倍になっていることは驚きなのだ。ただし、社会保障制度が異なる諸外国と、一概に金額だけで比較することにあまり意味はないのである。
そして、もう1つの問題点は、世帯所得が生活保護支給基準を下回る世帯が依然として多いということなのだ。ある試算によると世帯所得が生活保護支給基準を下回る世帯が705万世帯に対し、そのうち、生活保護を受給している世帯は108万世帯に過ぎないという調査結果が出ている。
つまり、生活保護を受給している世帯の割合は約15%に過ぎず、残りの85%の世帯は制度の認識不足かモラルやプライドが高いという理由で生活保護を申請していないのだ。
したがって、今後も生活保護支給額とフルタイムで働く人の最低賃金の逆転現象が続くと、85%の世帯が生活保護の申請を始める可能性は否定できないのだ。 かなりの確率である。


posted by GHQ/HOGO at 07:19| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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