2017年11月20日

貧困層の増加と生活保護制度の衰退

 長期にわたる経済不況や雇用環境の悪化などの影響によって、貧困層が大幅に増大している。年齢別では60歳以上の高齢者の増加が大きく、生活保護利用者のうち、全体の約51%が60歳以上となっている。
 このような事態に対し、社会保障制度改革推進法の附則においては、生活困窮者対策と生活保護制度の見直しに、総合的に取り組むことが明記された。 生活保護制度は、憲法第25条の生存権の規程に基づき、国民の最後のセーフネットとしての機能を持つ制度である。
 改革に向けた具体的検討は、保護基準の検討を行う「生活保護基準部会(2011、社会保障審議会)」と、生活保護改正法も視野に入れた貧困・低所得者対策の抜本的な見直しを図る「生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会(2012社会保障審議会)」で進められた。そして、2013年には、基準部会からは生活保護基準引き下げについての報告が、特別部会からは「生活困窮者対策の見直し」と「生活保護制度の見直し」の2点に渡っての報告書が出されている。
 また、特別部会の報告では、生活困窮者対策について、複合的な課題を抱える生活困窮者に対する新たな相談支援体制の構築の必要性が示され、すでに地域包括支援センターに設置している自治体も増えてきた。
 しかし、生活費が減額され、生活が苦しくなり、収入が現行の生活保護基準に近い人は、保護基準額の減額によって生活保護が利用できなくなるのだ。また、生活保護が廃止された場合は、新たに国保等の医療保険に加入したことによる保険料の支払、無料であった保育料や介護保険料・同一部負担金などの福祉サービス、地方税、NHK受信料等の支払などが発生してしまう。
 さらに所得の低い世帯を支援するさまざまな施設は、生活保護基準額を目安に行っているものが多く、生活保護基準額の減額によって、それまで利用できていた人の中には、利用できなくなる人がでてくることになる。また、国民健康保険料の減免、同じく一部負担金の減免が利用できなくなる人がでてくる。なお、介護保険料・同サービス利用料には、境界層該当制度といって、生活保護に至らないように利用率を下げる減額制度がある。また、障害者サービスにおいても同様の制度があるが、基準額の減額によって利用できなくなる人がでてくる。
 学校教育法による就学援助は、義務教育にかかる費用、学用品代、虫歯治療費、給食費、就学旅行費等を支給する制度で、生活保護基準額の1.0〜1.3倍以下に設定されているが、基準額の減額によって利用できなくなる子供も出てくる。
 低所得者向けの貸付制度である生活福祉資金は、対象者を、低所得者または生活保護基準のおおむね1.7〜1.8倍以下、障害者・高齢者は2倍としているところが多く、教育支援資金(無利子)が45%を占めているが、引き下げによって利用できなくなる人がでてくる。
posted by GHQ/HOGO at 07:19| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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