貧困率は世界第4位となっている日本だが、不思議なことに日本では毎年新しい億万長者が生まれている。平均所得はこういった一部の億万長者の影響で底上げされてしまうことから、平均所得や平均年収の中央値だけを見ると、日本人は全体として、一見豊かな生活を送っていると思ってしまうのだ。
しかし、実際には日本国民の6人に1人は平均所得の半分以下で生活をしており、平均所得の基準に満たない収入の貧困層が、かなりの数で存在している。また生活保護受給者として社会保障制度による支援や援助を受けている人たちも増加している。それなのに億万長者は毎年生まれている。とても矛盾した話なのである。
高所得者の取り分が増えれば増えるほど中間層と貧困層の差がなくなっていく。中間層が消滅することで、貧困層はさらに増加する可能性が高くなる。このため今後ますます、富裕層と貧困層が激しく二極化することが安易に予想されるのである。