2017年08月29日

グローバル化でなぜ格差が拡大するのか? 成長する新興国が先進国の雇用を奪う

 欧米では格差に対する問題意識が高く、アメリカ、ギリシャやイタリアなどではでデモ隊と警官隊の衝突が続いている。ところが日本だけは、格差反対デモが盛り上がらない。
 それはそうだろう。日本の所得格差を表すジニ係数は、0.28程度。最近やや上がっているが、トップのアメリカ(0.37)よりはるかに小さく、OECD(経済協力開発機構)諸国の平均程度である。
 アメリカではここ30年、中位の労働者の実質賃金が下がる一方、経営者や金融部門に富が集中し、上位1%の富裕層が富の23%を独占する極端な格差が生じている。この点でウォール街を占拠するデモ隊の主張は正しいが、彼らは敵を間違えている。金融機関が利潤を上げるのは格差の原因ではなく、その結果にすぎないからだ。
 格差や貧困の直接の原因は長期化する世界不況だが、この不況の特徴は財政・金融政策がほとんど効かないことだ。
 企業業績は持ち直したが雇用は回復せず、アメリカの失業率は9%を超えた。この原因は一過性の景気循環ではなく、構造的な自然失業率が上がったからだ。アメリカの自然失業率は7.5%と推定されており、景気対策でこれ以下に下げることはできない。
 構造的な失業が常に生みだされる1つの原因は、新興国との競争が激化したことだ。特に製造業は新興国に生産拠点を移し、米国内の雇用は減っている。1990年以降、アメリカで創造された2700万人の雇用のうち、実に98%が非貿易財(国内のサービス業)によるものと推定されている。
 製造業で職を失った労働者は、流通や外食のような海外と競合しないサービス業に移る。サービス業は労働集約的で労働生産性が低いので、賃金も低い。GM(ゼネラル・モーターズ)で働いていた労働者が失業し、ウォルマートに再就職して賃金が半分になる、といった形で平均賃金が下がったのだ。
posted by GHQ/HOGO at 07:32| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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