2017年08月24日

日本の格差拡大は低所得者の増加によるもの?

 米国ほど極端ではないものの、日本でも格差拡大は確実に進んでいる。野村総合研究所の調査によると、日本の金融資産5億円以上の世帯数は2000年の6万6,000世帯から13年には5万4,000世帯まで減少したが、それらの世帯が保有する金融資産総額は43兆円から73兆円へと、むしろ増加している。1世帯当たりの金融資産額は6億5,000万円から13億5,000万円へと倍増したことになる。
 一方で金融資産3,000万円未満の世帯数は3,761万世帯から4,183万世帯へと約1割増加し、1世帯当たりの金融資産額は1,338万円から1,289万円まで減少している。この調査結果を見る限り、日本では一部の超富裕層へと富の集中が進み、一般的な資産階層では反対に富が分散していることが分かる。アベノミクスによる資産効果の恩恵が、もともと多くの金融資産を持っていた人ほど大きかった半面、一般庶民にはほとんど届かなかったということになる。
 トマ・ピケティ氏の共同研究者である米カリフォルニア大学バークレー校のエマニュエル・サエズ教授と、一橋大学経済研究所の森口千晶教授が行った研究からは、また違った格差の実態が浮かび上がってきた。それによると、日本で近年最も所得シェア(国民総所得に占める割合)を伸ばしているのは上位5%に属する所得階層なのだ。これは年収で750万円程度、ちょうど大企業の正社員クラスに相当する。
 同研究では、中間層を含む下位90%の所得階層において、所得水準が90年代から10年まで一貫して下落傾向にあったことも示されている。長期デフレや国際価格競争の激化による企業業績の低迷、非正規雇用の拡大などによって日本国民の大多数の平均年収が下がり、結果として上位5%の所得シェアが拡大したということが、この研究から読み取れるのだ。
 米国では上位1%の高所得層が占める所得シェアが20%近くに達しているのに対して、日本では10%弱にすぎない。日本の格差拡大は、富裕層の増加よりも低所得者の増加によるところが大きいといわれている。実際に日本では低所得の高齢者や母子家庭が増加し、若年層の失業や非正規雇用も目立つ。所得が中央値の半分に満たない人の割合を示す「相対的貧困率」は、85年の12.0%から12年には16.1%まで上昇した。ちなみに12年の貧困基準は、2人世帯で年間可処分所得173万円となっている。


posted by GHQ/HOGO at 07:38| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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