2017年08月01日

「マグネット層」と「トランポリン層」生活保護に関する言説のまやかし

 メディア報道の多くは、「生活保護の受給期間増大、特に女性や子供のいる世帯で受給が長期にわたりがち」「生活保護を目的として大阪市に転入していると見られる人々が多い」という2点を問題視した。
 大阪市立大学・公共データ解析プロジェクトチーム(以下「大阪市大チーム」)が行った分析では、2005年、2010年、2015年に大阪市内で生活保護を利用していた世帯主たちに対し、それぞれの特徴を明らかにし、「福祉のマグネット」機能、「福祉のトランポリン」機能を検証した。
 「福祉のマグネット」とは、福祉制度の充実した地域が、福祉を必要とする人々に対して「引き寄せ力」を発揮するため、福祉支出の増大を招く現象のことである。たとえば「子供を持ちたい共働き世帯が、保育園の充実した地域へと転居する」という当然の選択も、「福祉のマグネット」現象と言えなくはない。また「福祉のトランポリン」とは、福祉を必要としない状況に再度押し戻す機能のことである。
 大阪市大チームの分析では、大阪市民になった日から半年以内に大阪市で生活保護を利用し始めた人々を、「福祉のマグネット層」とした。大阪市民になってから半年以内に生活保護を利用し始めた「マグネット層」の人々は、少なくない。さらに1ヵ月以内の生活保護利用も目立つ。
 しかし、大阪市に来た目的が生活保護利用だったのか、あるいは就労などを目的としていたものの結果として生活保護を利用することになったのかは、日数だけでは判断しにくいところではないだろうか。大阪市大チームも、この点については結論づけていない。結論づけようがないからだ。
 大阪市大チームはさらに、生活保護を利用する人々の中での「マグネット率」を算出した。2015年度で見ると、「マグネット率」は男性で19.8%、女性で10.6%。「マグネット層」の内訳を見ると、男性では若年・単身の「その他世帯」、すなわち障害者でも傷病者でも高齢者でもない単身者が多く、26.6%を占める。女性では単身障害者世帯が最も多く、マグネット層の19.0%を占めている。
posted by GHQ/HOGO at 07:29| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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