2017年07月14日

高齢者の死者を大量に生み出す時代になっていく

 日本人は1990年のバブル崩壊から、少しずつ少しずつ経済的な苦境に落とされ続けて来た。 日本人は「金持ち」だと言われていたのだが、ふと気が付くと国民の多くが中間層から貧困層に落ちて苦しんでいる。しかし、この流れは止まることなく、さらに続いていく。
 1990年代に生まれた若者は、日本社会が転がり落ちていく中で生まれ育っている。貧困が恒常化して、かつて日本人が豊かだったことすらも知らない。2000年当初、正社員になれずに落ちていく若者たちを中高年は「働かない若者の成れの果て」であるとか「自己責任だ」と言ってきた。
 しかし、2008年のリーマン・ショック以降、日本企業も容赦ないリストラを中高年に対して行うようになっていき、自分たちにも火の粉が降りかかってくるようになった。リストラや失業の憂き目に遭い、中高年は再就職しようにも満足な給料すらも得られない現実に愕然として、若者の苦境は自己責任ではないことに気付くようになった。
  日本の自殺者が50代と60代に集中しているのは、リストラ・失業・病気で貧困に転がり落ちると、もう這い上がれないことに気付いた絶望から生まれている。そして、逃げ切ったと思った高齢者も、政府が弱体化する中で福祉や年金の削減が行われたり、増税やインフレ政策が起こされたりして、困窮に追い込まれている。 若年層を貧困に追いやり、中年層をリストラに追いやってきた社会は、逃げ切ったと思っている高齢者に襲いかかっていき、大量の貧困層を生み出しているのだ。
  高齢層は、いったん転がり落ちると仕事もできないので、どこまでも続く極貧に甘んじるしかない。かつては家族が面倒を見てくれたかもしれないが、家族という概念すらも崩壊している現代、高齢者は家族からも見捨てられて孤立する。「死ねるものなら早く死にたい」と吐露して極貧を生きている高齢者も多い。
 高齢者の孤独死や孤立死を見ても分かる通り、高齢者の地獄は確実に日本にやってきている。若者、女性、中高年、高齢者のすべてに貧困が定着したのである。


posted by GHQ/HOGO at 08:46| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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