2017年07月07日

「生活保護受給者=働かない」という偏見の背景にあるものは? 

 稼働年齢層の生活保護受給者に対する「働けるのに働かない(それは悪である)」「仕事を選ぶから働けない(それは悪である)」という偏見の根源について考えてみる。
 稼働年齢層の生活保護受給者は、現在が史上最大比率というわけではない。生活保護受給者の中に「その他」世帯の占める割合は、「その他」世帯を分離した統計データが収集されはじめた1965年に、34%と最多であった。以後、1970年に22%、1975年〜2008年は概ね7〜10%の間で推移した。
 1965年〜1970年の日本で起こっていたことは、石炭産業の急激な斜陽化である。当時の社会が貧困層や生活保護受給者に対してそれほど冷淡でなかった。産業構造の転換に伴い、致し方なく失職した人々が多く、また、誰から見ても、それが分かりやすかったからであろう。
 「その他」世帯の比率が低かった1975年から2008年の間には、33年の時間が流れている。この間、生活保護受給者の多くは、高齢者・障害者・傷病者など就労困難なことが明確な人々であった。おそらく、日本人の多くにとって「経済状況の変化によって大量の失業者が発生する」という状況は、33年もの間、直面せずに済んでいたものである。その間に「生活保護は、働きたくても仕事のない人のためのものではなく、働けない人のためのものである」というイメージが定着してしまった可能性は大いに考えられる。
 ちなみに現在の状況は、1965年よりも悪化しているかもしれない。1965年、たとえば石炭産業で職を失った人々の多くは、鉄鋼産業などの第二次産業で職を得ることができた。現在、自然な流れで次の職が得られるような成り行きは、多くの産業で期待できなくなっている。
 「だから仕事を選ぶな」という声が聞こえてきそうだが、選ばなければ就労できるのだろうか。身体さえ動けばできる」「難しいことを考えなくてもできる」という性格の就労の場は、人件費を低く抑えることのできる海外に移転したり、あるいは外国人就学生などの低賃金労働に置き換えられて久しい。
posted by GHQ/HOGO at 07:46| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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