2017年01月15日

セーフティネットの崩壊

雇用のネット・社会保険のネット・公的扶助のネット−日本はこれまでこれらの三層のセーフティネットから成立していた。しかし、今日の日本社会ではこれら安全と思われて いた重層な三層のセーフティネット構造が崩壊しつつある。
バブル崩壊後の平成の長期不 況下ではコスト削減を目的に正規から非正規への雇用代替が急激に進んだ。非正規労働者とは一定期間の短期契約で雇用される労働者のことで、パート・アルバイト・契約社員・ 派遣社員を広く含む呼び名である。政府の規制緩和により派遣社員が大幅に雇いやすくなり、いまやその数は全労働者の3割を超えていると言われている。
グローバ ル化という時代の流れの中で、いかにコストを削減していくかということに企業の生き残りがかかっている。人件費が安く、不必要になればいつでも「雇い止め」と称しクビが切れる。企業の存続と同時に日本経済が不況を脱するための手段として好都合な社員の非正規化は当然のことのように進められていったのだ。いまだかつて正規雇用を募集しても人が 集まらず、非正規雇用を自ら望む人たちが多数を占めたという時期はない。働く人たちの 意思とは別のところで事態は進められたのだ。非正規労働者は正社員に比べ安定した地位もなければ、賃金も安い。そのため働いても苦しい生活から抜けられず、働く場そのものから追い出されるという形で雇用のネットから社会保険のネットへと転落してしまったのである。
二層目の社会保険のネットでは雇用保険や健康保険といった多様な制度がふくまれているが、非正規労働者の尐ない賃金ではその日、その月を生きることに精いっぱいで支払う余裕がない。またここ数年、国民年金保険の未納問題が大きく報道され無年金で老後を迎える人々がどんどん増加している。しかしこの中には「払わない」のではなく「払えない」人も多く、「払わない」人の中にも「消えた年金問題」など一連の政治への不信があることも忘れてはならない。体調が悪くなっても保険に加入していないために医療機関に行けず、老後に不安を抱えて生活を送らなければならない。社会保険のネットにも大きな穴 が空いてしまっている。
三層目の公的扶助のネットとは、所得等が一般的な基準値に満たない時に生活費、医療費などの扶助が世帯単位で受けられる生活保護制度のことである。しかし、自治体が生活保護費での出費を極力避けるためなどの理由で、本来必要としている人が生活保護を利用できないこともある。
posted by GHQ/HOGO at 09:11| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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