2010年08月05日

息抜きを一つ

 米本土からハワイに“移住”するホームレスが目立つという。誰だって常夏の島で過ごしたいのだ。ハワイ州にすれば、ホームレスが増加しているわけで、彼らの面倒を見るための財政負担がかさむ。旅行者の目に触れ、観光地としてのブランドが傷つくのではないかと気がかりだ。
 AP通信によると、ホノルルのあるオアフ島のホームレス人口は今年1月時点で4171人。昨年の同時期よりも15%増加した。ホームレスでも米国人なら、ホノルル行きの片道航空券があれば、“移住”できる。ハワイ州では、ホームレス人口の膨張を食い止めるため、復路の航空券をただで提供することなどが検討されているという。
 ホームレスは(1日)3ドル(約270円)でハワイを楽しむ−。米公共ラジオ(NPR)が少し前、地元ラジオ局のこんな報道を紹介していた。ちなみにハワイにやってくる観光客の平均的な出費は、宿泊、食事と娯楽の費用を含めて1日200ドル(約1万8000円)であるという。
 あるホームレスの男性は今年初め、カリフォニア州サンディエゴからハワイにやってきた。片道の航空券は400ドル(約3万6000円)だった。ハワイ州には、空のペットボトルやアルミ缶を5セント(約4.5円)で買い取ってくれる制度があり、路上に捨てられたペットボトルなどを集めて現金を稼ぐ。
 地元の非営利団体、インスティテュート・フォア・ヒューマンサービス(IHS)が運営するホームレスのためのシェルターの宿泊費が1泊3食付きで3ドル。これが出費のすべてだ。ホームレスはファストフード店などでの購入に使える貧しい人のためのフードスタンプの配給を受け、無料の医療サービスを受けることができる。この男性は「きょうは歯を抜いてもらった」と語った。
 シェルターの職員によれば、寝泊まりするホームレスの多くは地元住民でなく、米本土からやってきたもともとホームレスの人たちである。白人で中年の独身男性が目立つ。IHSのコニー・ミッチェル理事長は「ハワイは人気の観光スポット。お金のある人もない人もやってくる」と話した。
 ホームレスに往路の航空券を無料で提供し、本土に送り返す案は議論のあるところだ。ホームレス一人の面倒を見るための州の出費は年間3万5000ドル(約315万円)に上る。だが、片道の航空券は、西海岸なら300ドル(約2万7000円)で済む。これでおしまい、というのが推進派の言い分だ。
 だが、無料航空券の提供は、ホームレスを他州に押しつけることでもある。AP通信が取り上げた元タトゥー・アーティストの男性(35)は、カリフォルニア州ロングビーチの出身だが、東海岸に流れ、流れた先に無料航空券提供の制度があった。ハワイに身元引受人がいることにし、ホノルル行きの切符を手にしたのだという。
 また、この制度が周知されると、片道切符のみでハワイにでかけ、“ホームレス”として戻ってこようとする人が出てこないともかぎらない。
 ハワイ州ではこのほか、短期的なプランとして、旅行者の目に触れない場所に、ホームレスのテント村を作ること、長期的なプランとしては、家賃が格安の住居を提供することなどが検討されている。
 米住宅都市開発省によると、米国で2009年、少なくとも一晩、ホームレスのためのシェルターに寝泊まりしたのは156万人で、08年の160万人よりわずかに減った。だが、家族でホームレスとなるケースが増えており、憂慮されるという。
 ホームレスが目に触れるかどうかは、その土地の豊かさを表す指標の一つ。さあ、夏休み。そんなことはすべて忘れ、行ってらっしゃい! ハワイの別荘へ!
posted by GHQ/HOGO at 08:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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