2010年06月27日

貧困対策に取り組め!

 2009年度に全国で生活保護を受給した世帯が、月平均で約127万世帯に上り、過去最多を更新した。バブル経済が崩壊した1992年度は約58万6千世帯と半分以下で、これを底に17年連続の増加になる。2009年3月以降は毎月1万世帯以上も増え続け、今年3月には134万世帯を超えた。
 歯止めがかからない背景には、低年金の単身高齢者の増加に加え、不況による失業者の増大や所得の減少がある。08年秋の金融危機以降、仕事が見つからない人の生活保護申請を自治体が柔軟に認めるようになったことも要因だろう。しかし、最後の安全網である生活保護からもこぼれ落ちている人は、まだ多い。厚労省の推計では、生活保護の基準を下回る低所得の家庭が、全世帯の4・8%に当たる229万世帯に上る。
 さらに「相対的貧困率」が、07年調査で15・7%だったことも厚労省から初めて発表された。相対的貧困率は、国民一人一人の可処分所得を高い順に並べ、その真ん中の所得額の半分に満たない人の割合を指す。実に7人に1人以上だ。日米欧など経済協力開発機構(OECD)の加盟30カ国中、4番目に高い
 なぜ、これほど生活に苦しむ人が増えたのか。高齢化のほか、低賃金の非正規労働者が全体の3分の1に急増したことが挙げられる。自公政権が格差拡大や貧困問題から目を背けてきたこともある。
 民主党の連立政権は国民生活の立て直しを政策の中心課題に据えた。子供の貧困解消に向け、昨年12月分から生活保護の母子加算を復活させ、今年8月分からは、母子家庭が対象だった児童扶養手当を父子家庭にも支給する。しかし、貧困問題全体に焦点を当てた総合的な対策は、まだ打ち出されていない。相対的貧困率の公表は政策転換の一歩だが、その貧困率をどう下げていくのかは不透明なままだ。英国では具体的な目標を掲げて取り組んでいる。
 菅直人首相は「最小不幸社会」の実現を目指すのなら、貧困率を減らす数値目標を定めてはどうか。具体的な目標があれば政策の具体化や検証にも役立つはずだ。その政策では税や社会保障、雇用などの制度の見直しが急務である。
 日本の貧困率が高い理由は所得の再配分機能が弱いためだ。この機能強化には所得税の最高税率の引き上げや、減税と社会保障給付を組み合わせる「給付付き税額控除」などが考えられる。雇用面では最低賃金の引き上げや、男女間、正規・非正規間の均等待遇も重要である。しかし、増税や均等待遇などには痛みが伴い、国民にも心の準備が必要だ。政府が国民に理解を得ながら、貧困家庭を支援する合意形成が求められる。
 貧困問題は単に所得格差だけでなく、教育格差や社会からの孤立といった問題を引き起こしている。菅政権は幅広い観点から貧困対策に取り組んでほしい。


posted by GHQ/HOGO at 10:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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