2020年05月13日

特にシングルマザーの貧困率が高いといわれる理由は?

 シングルマザーとシングルファーザーの家庭では、前者の方が貧困率が高い傾向にある。「女性が働ける場が少ないからだ」という意見もあるが、厚労省の調査では母子世帯の就業状況は81.8%、父子世帯では85.4%となっている。就業率にそれほど大きな差はなく、この数字は先進国でもトップクラスである。
 ではなぜシングルマザーの方が貧困率が高いのでしょうか。
・正規雇用に就きづらい
 シングルマザーにとって、正規・非正規雇用の問題は深刻。
 父子家庭の父親は、もともと正規雇用として勤めていることが多い傾向にあるが、シングルマザーとなる女性は、出産を機に退職し専業主婦やパートタイマーなどをしていた人も多くいる。
 そのため、シングルマザーとなり仕事を探す場合には正規雇用に就くのは難しい場合もあり、雇用側もシングルマザーであることから雇用を敬遠するところもある。
 シングルマザーの場合、子供が体調不良になったときに帰らねばならないことや、子供がいるために遅くまで働けないなど、さまざまな理由で雇用側は正規雇用としては雇うには不安という理由がみられる。
 働き方改革やさまざまな施策、取り組みによりそうした傾向は減りつつあるが、雇用に関して財政状況が厳しい企業や会社では今なおそうした問題が解決できずにいるのが現状である。
 また、内閣府が発表した報告書によると、子供が小さい母親は子供との時間を大切にしたいため、フルタイム・正規雇用を希望していない場合もあると言われている(出典:内閣府公式サイト「 平成28年度 子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究 報告書」,2016)。
・子供が幼い時期に離婚することが多い
 シングルマザーや父子家庭になる理由の多くは離婚である。離婚が原因で1人親になった世帯はシングルマザーで8割、父子家庭でも7割を超えている。このような状況になる平均年齢は、シングルマザーが33.8歳、育てる子供の末っ子の平均年齢が4.4歳となっている。小学校に入学前の子供がいることから、シングルマザーとなった女性は必然的に子育てに充てる時間が必要となるため、正規雇用の仕事にも就きづらい状況が生まれてしまう(出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査(ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢),2016」)。
・養育費がもらえない
 シングルマザーとなる理由の多くが離婚だが、この場合、離婚相手である父親から養育費を受け取る権利が存在する。父親から養育費を受けているのは24.3%、過去に受けたことがあるのが15.5%と少なく、受け取ったことがないのは56.0%と、半数以上のシングルマザーが養育費を受け取っていない。養育費を受けない理由として、親同士が養育費の取り決めをしないためだが、その主な理由としては以下のことが挙げられる。
・相手と関わりたくない(31.4%)
・相手に支払う能力がないと思った(20.8%)
・相手に支払う意思がないと思った(17.8%)
 これらの理由から、シングルマザーが貧困に陥ってしまう理由として、離婚時に子供が小さいため正規雇用で働きづらいこと、また養育費を受けない場合が多いことなども関係していると考えられる。
 シングルマザーが貧困に陥りやすい理由として以下が挙げられる。
・仕事で十分な収入を確保できる環境にはない(フルタイムで働きにくい)
・離婚の際に養育費の取り決めをしていない (出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査(養育費の状況),2016」)
posted by GHQ/HOGO at 06:58| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする