2020年05月17日

死後の生活保護?

 生活保護は国民の最低生活の保障と自立助長を目的とした制度であるから、その対象は生きている「人」となる。したがって、被保護者が死亡するとその保護は終了することになるが、それでは済まない問題が生じる。死後の生活保護とでもいうべきものである。
 この問題が厄介なのは、被保護者が死亡していることから、その意思の確認も協力を得ることもできず、本来のケースワーカー業務である被保護者への最低生活保障や自立支援ではない上に、第三者との関係により「生活保護行政」を進めざるを得ないことになるからである。
 生活保護法が生きている人を対象に設計されている制度であるため、被保護者が死亡したときには葬祭などをおこなう第三者が保護の対象となる。たとえば、最もシンプルな例として夫婦で保護受給をしており夫が死亡したときに、申請主義の原則により、葬祭を行う者(妻)の申請により葬祭扶助の適用が行われる。しかし、被保護者が単身者で葬祭を行う者がおらず遺留金品がない場合には、死亡者本人は申請ができないから、死者が被保護者であっても葬祭扶助の対象とはならない。
 このような場合、旧法では市町村長が葬祭を行うことが規定されていたが、現行法では市町村長による葬祭に葬祭扶助の支給はできないこととされている。このため、生活保護の実務上では身寄りのない被保護者が死亡をしたときにはケースワーカーが民生委員に「個人的に」葬祭執行を打診したりしている。この場合は葬祭扶助申請書等への記載など書類作成の手続だけの場合も多い。
 遺留品が存在する場合、相続財産管理人を選定し管理するのが原則であるが、それら一連の手続には費用が発生する。その費用はおおむね30万円以上はかかるため、遺留品の金銭的価値がそれ以上でなければ管理人管理の対象とはならない。それでは、資産価値が少額の遺留品がどうなるのかというと、社会福祉事務所に保管せざるをえないというのが実情のようである。
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2020年05月16日

児童扶養手当は所得と子供の数に応じて支給される

 児童手当は0歳から15歳(中学校修了まで)に達して最初の3月31日(年度末)までの間の子供がいる世帯が対象。医療費助成制度は0歳から18歳に達して最初の3月31日までの間の子どもがいる世帯が対象。
(出典:内閣府「児童手当制度のご案内」) (出典:厚生労働省「母子家庭等関係」)
 シングルマザー(母子世帯)の貧困には、就業しているか否かだけではない、さまざまな要因がある。
 不本意ながら非正規雇用で働かざるを得ないケースや、養育費の取り決めをしていない(もらえない)ケースなどが、代表的な要因。
 また、社会からのシングルマザーに対する偏見的な意見・見方は、貧困をさらに悪化させてしまう要因である。国による公的支援をはじめとした制度を充実させることは重要だが、私たち1人ひとりがシングルマザーに対する偏見をなくすこともシングルマザーを貧困の連鎖から救うために必要な課題だと言える。
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2020年05月14日

シングルマザーの貧困家庭の苦悩

 シングルマザーの方は、貧困によりさまざまな壁に悩まされているのが現状である。代表的な例として4つある。
・貯蓄ができない
 貯蓄ができない点も、貧困で苦しむシングルマザーの悩みである。実際に、2016年の調査では児童のいる世帯と母子家庭の貯蓄について、以下のような結果が出ている。
           貯蓄がない  貯蓄がある   平均貯蓄額
子供がいる世帯    14.6%    82.0%      679.9万円
母子世帯       37.6%    59.6%      327.3万円
(出典:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況」,2016)
 およそ4割近くの母子家庭が貯蓄がない状態ということがわかる。
 さらに、生活意識の状況について見てみると、母子家庭では「大変苦しい(45.1%)」「やや苦しい(37.6%)」と、85%近くの家庭が苦しいと感じているとされている。
 また、母子世帯の母の預貯金額の状況は、「50万円未満」が 39.7 %と最も多いことも明らかになっている。
(出典:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況」,2016)
・食事が困る
 仕事で時間が取られたり疲れが溜まったりすることで、子供への食事がコンビニ弁当やジャンクフードばかりの家庭もある。栄養バランスが崩れるだけでなく、自炊よりもお金がかかってしまうというマイナス点もあるため、なかなか貧困から抜け出せない要因にもなり得る。
 近年は、こうした問題を解決するために無料で食事を提供する「こども食堂」のような取り組みが普及している。
・習い事や旅行ができない
 経済的な余裕がない状態は、衣食住以外の場面にも影響する。子供に、「好きな習い事をさせてあげられない」、「ゲームやおもちゃを買ってあげられない」といったことや、「友人との食事会や旅行に行けない」など。友達や近所など、周りの家庭と比べてしまい、日々辛い思いをしているシングルマザーも多い。
・協力を仰ぎにくい
 周りから厳しい言葉をかけられたシングルマザーは少なくない。シングルマザーに対する偏見的な意見によってストレスを抱える方もいる。
 貧しいというだけではなく、誰かに「助けて」と言えない孤立感によって貧困さは悪化すると考えられている。
(出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査(ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢),2016」)
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2020年05月13日

特にシングルマザーの貧困率が高いといわれる理由は?

 シングルマザーとシングルファーザーの家庭では、前者の方が貧困率が高い傾向にある。「女性が働ける場が少ないからだ」という意見もあるが、厚労省の調査では母子世帯の就業状況は81.8%、父子世帯では85.4%となっている。就業率にそれほど大きな差はなく、この数字は先進国でもトップクラスである。
 ではなぜシングルマザーの方が貧困率が高いのでしょうか。
・正規雇用に就きづらい
 シングルマザーにとって、正規・非正規雇用の問題は深刻。
 父子家庭の父親は、もともと正規雇用として勤めていることが多い傾向にあるが、シングルマザーとなる女性は、出産を機に退職し専業主婦やパートタイマーなどをしていた人も多くいる。
 そのため、シングルマザーとなり仕事を探す場合には正規雇用に就くのは難しい場合もあり、雇用側もシングルマザーであることから雇用を敬遠するところもある。
 シングルマザーの場合、子供が体調不良になったときに帰らねばならないことや、子供がいるために遅くまで働けないなど、さまざまな理由で雇用側は正規雇用としては雇うには不安という理由がみられる。
 働き方改革やさまざまな施策、取り組みによりそうした傾向は減りつつあるが、雇用に関して財政状況が厳しい企業や会社では今なおそうした問題が解決できずにいるのが現状である。
 また、内閣府が発表した報告書によると、子供が小さい母親は子供との時間を大切にしたいため、フルタイム・正規雇用を希望していない場合もあると言われている(出典:内閣府公式サイト「 平成28年度 子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究 報告書」,2016)。
・子供が幼い時期に離婚することが多い
 シングルマザーや父子家庭になる理由の多くは離婚である。離婚が原因で1人親になった世帯はシングルマザーで8割、父子家庭でも7割を超えている。このような状況になる平均年齢は、シングルマザーが33.8歳、育てる子供の末っ子の平均年齢が4.4歳となっている。小学校に入学前の子供がいることから、シングルマザーとなった女性は必然的に子育てに充てる時間が必要となるため、正規雇用の仕事にも就きづらい状況が生まれてしまう(出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査(ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢),2016」)。
・養育費がもらえない
 シングルマザーとなる理由の多くが離婚だが、この場合、離婚相手である父親から養育費を受け取る権利が存在する。父親から養育費を受けているのは24.3%、過去に受けたことがあるのが15.5%と少なく、受け取ったことがないのは56.0%と、半数以上のシングルマザーが養育費を受け取っていない。養育費を受けない理由として、親同士が養育費の取り決めをしないためだが、その主な理由としては以下のことが挙げられる。
・相手と関わりたくない(31.4%)
・相手に支払う能力がないと思った(20.8%)
・相手に支払う意思がないと思った(17.8%)
 これらの理由から、シングルマザーが貧困に陥ってしまう理由として、離婚時に子供が小さいため正規雇用で働きづらいこと、また養育費を受けない場合が多いことなども関係していると考えられる。
 シングルマザーが貧困に陥りやすい理由として以下が挙げられる。
・仕事で十分な収入を確保できる環境にはない(フルタイムで働きにくい)
・離婚の際に養育費の取り決めをしていない (出典:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査(養育費の状況),2016」)
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2020年05月12日

いま知っておきたい「生活保護」

 新型コロナウイルスの影響で、このところ株価の乱高下をはじめ、経済の先行きが見えず、不安が拡がっている。
 また、小中高校などの学校の一斉休校によって、仕事を休まざるをえなくなった人や、その結果、収入が少なくなってしまう人の存在も明らかになりつつある。
 政府は経済対策をはじめ、さまざまな対策をとるとしているが、各種支援事業がスタートするのは「すぐさま」ではなく、タイムラグがある。
 非正規労働などの人や、もともと低収入で何とかやっていた、などの人のなかには、今月が乗り切れるかわからない、という人もいるだろう。
 新型コロナウイルスの猛威が早期に終息することを願ってやまないが、この状態が続いていく限り、生活が苦しくなる人が増加していくことは明らかだ。
 生活福祉資金貸付等の「貸付」の支援は今回の事態を受けて、生活が再建されないなどの場合、返済免除等の措置はとられるとのことだが、あくまで「貸付」なのである。
 もしものときのために、困ったときに利用できる公的支援は「生活保護」である。リーマンショック並みの経済危機だといわれる現在、自分の暮らしを守ることを最優先に、遠慮なく制度利用をすることだ。
 「生活費が今月もつかわからない」「家賃を払えない」「光熱水費の滞納が始まる」などの人は、生活保護の申請をすすめたい。
 すぐにでも近くの自治体の窓口に申請に行く、または、民間の支援団体、法律家などに相談をすることだ。
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2020年05月11日

生活保護の現状と欠点は?

・生活保護制度を悪用した貧困ビジネスの存在も明らかに
 生活保護費が3,7兆円あまりなのだが、いくつもの悪用例がある。組織的な不正受給として、生活保護受給者の医療費は全額が公的負担となることを悪用し、受給者への不要な入院や治療によって利益を得ていた病院や、受給者に粗末な寝床を提供し、実態よりも高額なものとして申告させた住宅扶助を巻き上げる業者の存在が明らかになった。これらの貧困ビジネスが暴力団の新たな資金源になっているという。
・兵庫では生活保護受給者のパチンコを禁止する条例が可決された
 兵庫県小野市では生活保護や児童扶養手当などの受給者がパチンコなどで浪費することを禁止し、市民には不正や浪費についての情報を提供することを責務とした「小野市福祉給付制度適正化条例」案が可決されている。生活保護などの適正支給を目的とした全国でも例がない条例に、憲法違反との声もある。
 生活保護は「資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度」とされており、収入や資産の有無などを鑑み、世帯ごとに給付を受けることができる。給付のメニューは生活費となる生活扶助に始まり、住宅扶助や医療扶助から葬祭扶助まで幅広く用意されている。この生活扶助は居住している地域や世帯員の年齢に伴って基準が異なっており、できるだけ世帯の実態に即して必要十分な給付がなされるようになっている。
 この窓口となるのは居住する地域の福祉事務所(原則として市部では市、町村部では都道府県が設置し、一部の町村部では町村が設置している)であり、保護を希望する者はまずは相談をする必要がある。そして、収入がなく就労も難しいこと、預貯金や生命保険などの資産がないこと、年金や児童扶養手当などの他のセーフティーネットの活用ができないこと、親族などの扶養義務者からの仕送りを受けられないことといった事項についての調査を受けた末に、保護の開始が決定される。
 まず、生活保護をめぐる昨今の実態として、ここ数年来の給付総額急増があげられる。そもそも、生活保護は困窮するすべての者に給付されるという性質を持つが、実際には生活保護法(第四条一項)に「保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる」と規定された「補足性原理」から、勤労能力を持つ壮年世代への給付は窓口で拒まれていた。しかし、平成20年のリーマンショックと前後して「ワーキングプア」「派遣切り」といった労働者・失業者の困窮が社会問題となり、平成21年3月の厚生労働省内で「単に稼働能力があることをもって保護の要件を欠くものではない」という通達が出され、各自治体で稼働世代への給付が行われるようになった。
 その結果、被保護世帯数において4倍増となった稼働世代が全体の生活保護受給者数・給付総額を押し上げ、戦後最高値を更新した給付総額は3兆円を超えてなお膨れ上がり、4兆円に迫っている。こうした現状に対し、厚生労働省の社会保障審議会において「生活保護基準部会」が設置され、生活保護の給付水準についての議論が行われた。
 また、不正受は、給福祉事務所による課税調査などによって発見されたものが約9割となっている。不正受給は個人によるものと組織的なものとに分類でき、偽装離婚や他人名義の口座を利用した虚偽申告、また、不正であるかの判断は分かれるが医療費扶助の不適正利用などは個人的なものと推測される。しかし、昨今では組織ぐるみの不正受給の存在が明らかになっており、前述の医療機関の事例やホームレスに生活保護の申請をさせて保護費をピンハネする事例などが問題となっている。このような貧困ビジネスは暴力団の新たな資金源となっていることが多く、組織的な囲い込みではないにしても、生活保護受給者が医療費扶助によって入手した精神薬の横流しを担う、といったように生活保護が食い物にされている事例は多い。
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2020年05月10日

マルクスの予言は外れたのか?

 マルクスには、科学技術と株式市場の発展を予想できなかった。先進国で多くの人々が裕福になった原因は、科学技術と株式市場の発展であるといわれる。誰もが、科学技術と株式市場の発展を予想できなかったが、その発展を妨害することなく、自由競争に任せたから人々が裕福になれたのかもしれない
 ところで、人間は、「強い者への妬み」を持つと、マルクスの共産主義に簡単に騙される。「強い者への妬み」が「弱い者への思いやり」に結びつくという発想は、馬鹿げた偽善であり、共産主義を正当化するための嘘である。妬みを煽られ、怒りを掻き立てられ、道徳が麻痺してしまうと、最後は、「共産主義のためなら騙し、盗み、殺してもよい」となってしまいかねない。
 共産主義では、支配者だけが「持てる階級」である。一方で、自由な株式市場では金を持ったものが株を買えるので、金を持った者は「持てる階級」になれるのだ。金を持たない人間は相変わらずなのだが…。
 裕福な自由主義国は、国内の治安を維持するために福祉として生活保護制度を維持している。自由主義国の生活保護もマルクスには予想できなかったものだ。
 共産主義者や権威主義者という大きな政府を目指す全体主義者は、国民の妬みを煽り、自分の議席を確保したり、自分の新聞や放送を売るという商売をしている。彼らに投票したり彼らの商品を買うのもあなたの自由だが、私は勧めない。今の中国そのものではないか。そんなものには組みしたくないではないか。
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2020年05月09日

保護と腐敗幹部:習近平はその病根を絶つことができるか?

 中国の生活保護と腐敗幹部 習近平はその病根を絶つことができるか。
 中国のインターネット上に「最低生活保護費を巡る流血事件」なる話題が虚実まじえて駆け巡った。
 「事件」は貴州省の天柱県槐寨村で起きた。同村党書記ほか3人の幹部が、困窮村民家庭に支給された「最低生活保護費」から総額約10万元(140万日本円)を横領した事実が、県検察局の捜査で明らかになった。
 「最低生活保護費」制度はまず農村に先行して都市の困窮住民に対して1997年に打ち出された。その後、高度成長路線の下で都市と農村の貧富の格差が急激に広がったため、2007年に農村での「生活保護費」制度が全面的に実施されるに至った。
 支給対象基準は全国の各地域で異なっているが、2007年時点で平均年収857元(約12,800日本円)以下の者を対象としていた。これが2011年11月の改正で支給基準が一気に全国平均で年収2,300元(約28,000日本円)以下に引き上げられた。
 その結果、農村部の最低生活保護費受給者は92%増えて6,374万人から1億2,238万人を越えるに至った。また農村部の生活保護支給額は当初、1人当たり全国平均で月約60元(約900日本円)であったものが、2011年時点では1人当たり月約250元(約3,050日本円)にまで改善されたのである。
 生活保護費横領事件が起きた貴州省天柱県槐寨村では、県の財政部門が生活保護費(以下生保費)が直接に困窮村民に渡るように、支給対象村民に本人名義の銀行口座を作らせ、そこに生保費を振り込む方式をとった。つまり村民委員会を通じて支給するとピンハネされて、全額が本人に渡らない危惧があると考えたからだ。
 槐寨村の全村所帯数は600戸余り、人口は約3000人。生保費受給該当戸数は160戸余、人口は約800人。ところが同村は村民集会で生保費の総額を全村民に平等に分配することが決められた。
 このため、県政府から生保費が同村受給対象者800人の銀行口座に振り込まれると同時に、村民委員会の幹部が銀行に赴いて、受給者本人の前で同額を受領、これを同村の各組長をつうじて全村民に分配していたのである。こうした経過から各村民が受領する配分額は四半期ごとに55元から最大70元余りの少額にとどまった。
 なぜこうした全村民分配がなされたかと言えば、「生保費」受給者の「選定」自体が全村民の「総意」で決定していたからである。もし「生保費受給者」がその費用を全村民に再配分することを拒否するなら、次期からはその村民を受給者に選定せず、また配分金を与えないという圧力がかかったからである。
 こうした平均分配の考えは中国農村には伝統的に強く、そこにまた幹部の生保費横領の余地も生じたのである。横領汚職が発覚したのち、村民たちは党書記を始め汚職に関係したと思われる幹部数人を監禁、殴打した。
 逆に幹部の側も外部から人を集めて村民に暴力を加え、流血の事態が引き起こされた。これがある事ない事ネットに流れ全国に知られるようになったのだ。
 この事件は貧困救済の社会保障に関連するだけに重大な意味を持っている。事件がネットで騒がれるようになった時期は、ちょうど全人代が開かれて、習近平が国家主席に選任され、名実ともに最高指導者になった時にあたっている。
 その習近平政権のこれからの10年にとって、命運を左右するのは、中国社会の貧富の格差をどれだけ縮小し得るかにかかっている。社会格差は、毎年20万件を越える農民暴動、労働争議、住民紛争を引き起こす根本要因となっており、今や党独裁体制を揺るがす問題である。
 この意味で習政権は弱者救済の社会福祉、社会保障政策を最重点政策としている。2013年度の国家予算では社会保障、医療衛生、住宅保障の総計で1兆400億元(約12兆7,000億日本円)で前年比約25%増、全財政支出の11%を占める。
 問題は莫大な社会福祉、社会保障費をめぐって上から下まで幹部官僚の横領、汚職が絶えないことである。習近平はその腐敗をどのように根絶できるのか?党中央政治局常務委員の劉雲山は3月のある重要会議で党中央が「清党運動」を用意していることを明らかにした。
 現在の共産党は超マンモス党で党員数8,340万人。「清党」とはそのうちの70%、5,800万人を審査にかけ、最終的に400万人余から党籍をはく奪するという驚異的なもの。
 党の腐敗はそれほどに深刻と言えるが、この規模の腐敗除去運動が激しい権力闘争を呼ぶことは容易に想像できる。習近平政権は発足当初から常に正念場にあるのだが、政権自体が腐りきっているので生活保護制度そのものが維持できるはずがない。
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2020年05月08日

生活保護を受けると貯蓄、運用をしてはいけないのか?

・「貯蓄が可能か」について
 将来の自立のために充てられる目的で形成された貯蓄については、認められると考えられるが、資産性のあるもの(自家用自動車、貴金属、株、有価証券など)の購入目的であったり、観光その他の海外旅行などの目的であれば、容認はされないと考えられるので、貯蓄が自立以外の目的であれば、収入として認定されることになる。収入として認定するということは、保護を停止・廃止されたり、支給額が減額されるということなのだ。
・「運用が可能か」について
 運用というのは、保護費を資産運用し利益を上げるという意味と考えると、生活保護費は最低生活を維持するための費用なので、資産運用に活用する余裕があるとは考えられないが、仮にできたとして、その収益については、1ヵ月ごとに申告をして、収入として認定されることとなる。収入認定されることとなれば、1ヵ月の生活保護基準額から、収入額を差し引いて金額が渡されることとなるので(もちろん必要経費は控除できるが)、収入が増えるにつれ、渡される保護費が減っていく仕組みとなっている。
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2020年05月07日

生活保護申請を拒否する「水際作戦」は違法!

「水際作戦」という言葉をご存じだろうか? これは、不正受給や地元の受給者数が増えることを警戒した自治体が、さまざまな理由をつけて生活保護の申請を受理しないことで、現在、社会問題となっている。
 これは明らかに違法である。生活保護を申請することは私たちの権利なので、もしあなたが生活保護の申請をしたいのに断られてしまっていたら、弁護士に相談し、同行してもらうことをオススメする。同行してもらう場合、法テラス(日本司法支援センター)の援助制度を利用できるので、原則、弁護士費用はかからない。お困りの方は、法テラスに相談してみることだ。
 民間の支援団体でも、生活保護の相談に乗り、場合によっては申請同行をしてくれることがある。NPO法人のPOSS、もやいなどに相談して、お住まいの地域のNPOを教えてもらう手もある。
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2020年05月06日

いざとなれば生活保護がある!まったく恥じる必要なし!

 資産がなく、このままでは生きていけない、そんな悩みを抱えている人は、迷わず生活保護を申請してほしい。あなたにはその権利がある(申請は各自治体の福祉事務所へ)。
 生活保護は、「資産を持っていない」「働いても収入が足りない(働けない)」「年金やほかの手当だけでは生活できない」「親族から援助を受けられない」人が受給することができる。
 保護費は、都市部と地方では生活コストが異なるため、6つのランクに分類されている。また、支給される保護費は、生活扶助基準額のほか、住宅扶助、介護扶助、医療扶助など、世帯の状況によって加算額が異なる。
 生活保護を受けると、「持ち家はもてない」と勘違いしている人がいるが、居住している家を売らなければならないという決まりはない。また、エアコン、スマホ、冷蔵庫、洗濯機ももちろん保有できる。
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2020年05月05日

キャッシングに走る前に無利子の「生活福祉資金」を借りてみる

 生活福祉資金とは、高齢者や低所得者などの世帯を対象とした公的貸付制度。「福祉資金」「総合支援資金」「不動産担保型生活資金」など、目的別に貸付の制度がある。いずれも無利子あるいは低利子で借りることができる。
 ちなみに消費者金融は年利18%、銀行のリバースモーゲージ(持ち家を担保にお金を借りる制度)は、年利2〜3%が相場。それを考えると、生活福祉金で融資を受けたほうがはるかにいい。
■福祉資金
 住宅の改修や介護サービスの利用など、生計を維持することが目的の資金。580万円以内の「福祉費」と、緊急時に10万円を借りられる「緊急小口資金」の2つがある。年利は、0%(連帯保証人あり)、1.5%(連帯保証人なし)。
■不動産担保型生活資金
 高齢者世帯を対象に、居住用不動産(土地)を担保に生活費を借りられる資金。貸付額は土地評価額の70%程度。貸付月額は30万円以内で、貸付限度額に達するまでの期間、もしくは契約者が亡くなるまで契約が続く。貸付終了後(もしくは死亡後)、担保の持ち家が処分され、返済に充てられる。
■総合支援資金
 失業等で日常生活全般に困難を抱えている世帯に対して貸付を行う。要件を満たせば、年利0%(連帯保証人あり)、1.5%(連帯保証人なし)で、原則3ヵ月(最長で12ヵ月)にわたり借りられる。返済期限は10年以内。「一時生活再建費」は上限60万円、「生活支援費」は上限20万円、「住居入居費」は上限40万円を借りることができる。
 この制度は、国による公的融資制度。全国社会福祉協議会が実施主体となり、窓口は市区町村の社会福祉協議会となる。生活費がどうにもならないときは、相談してみることだ。
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2020年05月04日

本格化する「貧困の高齢化」

 生活保護を受けている世帯は現在約160万世帯だが、そのうち半分弱が高齢者世帯(男女とも65歳以上の者のみで構成されている世帯か、それに18歳未満の者が加わった世帯)である。この高齢の被保護世帯数は1990年代半ばから明確な増加傾向を示している。高齢者世帯全体に占める被保護者世帯の比率(世帯保護率)を見ると、90年代後半まで順調に低下していたものの、それ以降は緩やかに上昇しつつある。
 高齢層の被保護率が90年代後半まで順調に低下してきたのは、公的年金の受給者が増加し、高齢時における所得保障の仕組みが整備されてきたことを反映している。それ自体は、大変望ましいことである。公的年金は高齢時の所得保障機能を強めてきた。ところが、その後の被保護率の上昇傾向は、もちろん長期不況という要因は働いていると考えられるものの、公的年金による所得保障では十分できない貧困化が高齢層の中で進んでいることを示唆している。
 今後についてはどうか。国際医療福祉大学の稲垣誠一教授の試算によると、現行の公的年金制度を所与とし、国民の家族構成や就業パターンが今からあまり変化しないと想定した場合、所得が生活保護の基準額を下回る人の比率は、女性では現在の12%程度から2060年ごろには約25%へ、男性でも6%程度から13%程度にまで上昇する。稲垣教授の計算通りになれば、高齢世帯の保護率も現在の水準の倍ほどに高まることになる。短時間就労の非正規雇用の広がりにより、年金保険料の拠出実績が乏しい人たちが増えつつある。
 こうした人たちが年金受給年齢を迎え始めると、「貧困の高齢化」は本格化していく。現行制度は対応できるのだろうか。
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2020年05月03日

所得のみで15%、資産を考慮して32%の捕捉率? 研究者の推計でも、捕捉率は2割に満たない

 現実の保護世帯数を、保護基準以下の世帯数で割った数字は、次の結果である。
・所得のみで判定した場合   D/(B+D)=15.3%
・資産も考慮して判定した場合 D/(C+D)=32.1%
 親族の援助など他の要素もあるので、正確な意味での捕捉率にはならないと厚労省は説明したが、1つの目安にはなる。
 ただし、ここで用いた保護基準額は、生活扶助、教育扶助、高校就学費の合計だ。住宅扶助、医療扶助などは、この計算上の保護基準額に入っていないので、実際の低所得世帯はもっと多く、生活保護による捕捉率はもっと低いと考えられる。
 厚労省は「同様の調査を定期的に実施し、その動向を把握していく」と説明していたが、その後、こうしたデータ分析は公表されていない。
 生活保護基準で線引きした貧困率や捕捉率については、1990年代から何人かの研究者が推計してきた。その多くは、所得のみの判定で10%から20%の間だった。
 最近では、山形大学の戸室健作准教授が、総務省「就業構造基本調査」のデータをもとに、生活保護基準で見た貧困率、捕捉率を都道府県別に計算した(「都道府県別の貧困率、ワーキングプア率、子どもの貧困率、捕捉率の検討」)。
 それによると、所得のみで判定した2012年の捕捉率は、全国平均で15.5%だった。これは厚労省の推計と、ほぼ一致している。都道府県別で高いのは大阪23.6%、北海道21.6%、福岡20.0%、東京19.7%、高知18.7%の順。低いのは富山6.5%、長野6.6%、山梨7.1%、岐阜7.9%の順。かなりの地域差があるが、高くても2割台にすぎない。
 戸室准教授の計算は生活扶助、住宅扶助、教育扶助、一時扶助の合計額で判定しており、医療扶助、高校就学費などは入っていないので、実際の捕捉率はもう少し低いはずだ。
 生活保護の捕捉率の低さは、制度があっても利用しにくいことを示しています。
 なぜ、そうなるのか。1つは資産要件の運用の厳しさである。現金・預貯金が保護基準の1ヵ月分より多いと申請しても通らない。クルマの保有は求職・通勤・通院などの事情がないと認められず、車がないと日常生活が不便な地域では大きなネックになる。
 福祉事務所の対応も問題。利用できないと思わせる説明を職員がすることや、冷たい態度を取ることがある。
 生活保護の利用には、原則として本人の申請が必要。けれども政府・自治体の広報は不十分で、制度の正しい知識・理解が伝わっていない。それどころか、恥の意識が社会に広く存在している。申請後、親族に対して、申請者を援助する意思があるかどうかを問い合わせるのも、利用しにくくする壁になっている。生活が苦しくても我慢する人が多いわけだ。とりわけ住民同士が互いをよく知るムラ的な風土の地域では、心理的な抵抗感が大きいはずだ。
 必要な時に生活保護を利用することは、憲法上の権利である。遠慮しないで利用できるよう、まずは行政からの積極的な周知広報を行うことが重要なのだ。

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2020年05月02日

厚労省の推計で、所得が保護基準に満たないのは705万世帯

 日本の生活保護で最も大きな問題は何なのか。貧困状態なのに、利用していない人がたいへん多いことではないか。
 生活保護では、世帯の人数、年齢、地域に応じた最低生活費を算出し、それに医療費など個別事情によって必要な費用を加えた額が、その世帯の生活保護基準額となる。それより収入が少なく、利用できる資産を加えても足りないときは、保護を利用できるのだ。
 生活保護基準を下回る経済状態の世帯のうち、現実に生活保護を利用している割合を「 捕捉率」と呼ぶ。社会のセーフティーネット(安全網)である生活保護制度が、その対象になりうる世帯をどれぐらいキャッチしているか、という意味なのだ。
 厚生労働省の推計でも研究者の推計でも、捕捉率は、所得だけで判定すると1〜2割、資産を考慮しても2〜3割にとどまる。残りの7〜8割は、とても貧しい生活水準に置かれているわけだ。憲法25条の定める生存権(健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)の保障が行き届いていないと言わざるを得ない。
 厚労省は、民主党政権だった2010年4月、生活保護の捕捉率の推計を初めて公表しました(同省ナショナルミニマム研究会第8回資料「生活保護基準未満の低所得世帯数の推計について」)。
 この推計は2種類の統計データをもとに計算された。そのうち総務省の「全国消費実態調査」(2004年)は、回答するのに家計簿をつける労力がかかり、低所得世帯の割合が低く出る傾向があると指摘されている。そこで、より信頼度が高いと考えられる厚労省の「国民生活基礎調査」(2007年)をもとにした数字を示す。
 この時点の世帯総数(A)は4802万世帯だった。そのうち、所得が生活保護基準に満たない低所得世帯(B)は、597万世帯(12.4%)だった。それに「貯蓄が保護基準の1か月未満で住宅ローンなし」という条件を加え、資産も考慮した保護基準未満の低所得世帯(C)は、229万世帯(同4.8%)となった。
 当時の生活保護世帯数(D)は108万世帯。保護を利用している場合、保護基準ちょうどの収入額、あるいは勤労収入があれば保護基準を若干上回る収入額になるので、生活保護世帯は、保護基準「未満」の低所得世帯(BやC)には含まれない。
 したがって、保護基準「以下」の世帯数を出すには、保護世帯数を加える必要がある。所得のみで判定した保護基準以下の世帯数(B+D)は、705万世帯(全世帯の14.7%)、資産も考慮した保護基準以下の世帯数(C+D)は、337万世帯(全世帯の7.0%)になった。
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2020年05月01日

申請時の注意点

 役所で簡単に生活保護を出してくれない場合がある。本来は規則違反なのだが、申請しないほうに「誘導」されてしまうことが多いのだ。
 フリーランスでも、まだ雇われて働ける年齢の場合、「とりあえずアルバイトをしてください」といわれてしまう可能性が高い。
 もちろん、最低生活費を上回るアルバイトが簡単に見つかるなら良いが、そもそも相談に訪れる人たちはそれが難しいから、生活保護の受給を考えている。若い失業者が「仕事を見つけなさい」と追い返された末に、餓死に至った事例も実在する。
 それでは、こうしたケースにどのように対応したら良いだろうか。基本的には、「申請」をすればよい。申請書を渡してくれない場合もあるが、自分で紙に申請する趣旨を書いて出せば大丈夫だ。
 申請をすれば規則上、行政側は保護の対象となるか、収入、家族などを調査することになる。それが、保護すべきだと判断されれば、保護が開始される。
 生活保護についての専門知識や経験を積んだ支援者に支援を頼めば、より確実に申請をすることができる。
 新型コロナ問題で不安定化するフリーランスの人たちの生活を長期的に支えることができるのは、生活保護制度しかないと言っても過言ではない。
 確かに、メディアでは「不正受給」についての報道が多く、ネガティブなイメージを持っている人も多いだろう(「不正受給」の報道は実際の件数や金額の少なさに比してフレームアップされ過ぎである)。
 しかし、新型コロナ問題で顕在化しつつある生存危機においては、憲法25条が謳う生存権を具体的に保障する生活保護が当然のこととして利用されるべきなのである。
posted by GHQ/HOGO at 06:07| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする