社会福祉士&精神保健福祉士の共通科目を受けられる方は、合格する上で絶対に理解すべき項目の1つ。では始めよう。生活保護法の原理と原則はそれぞれ4種類あのはご存じだろうか。4つずつの項目を挙げてみてほしい。
それでは確認である。
・生活保護法の原理…国家責任の原理(第1条)、無差別平等の原理(第2条)、 最低生活の原理(第3条)、保護の補足性の原理(第4条)
・生活保護法の原則…申請保護の原則(第7条)、基準及び程度の原則(第8条)、 必要即応の原則(第9条)、世帯単位の原則(第10条)
まず、どのような原理・原則があるのか、しっかりとおさえておこう。続いて、生活保護法の原理・原則について、実際に出題された試験問題を通して、理解を深めていく。社会福祉士 第26回 問題64を解いてみよう。精神保健福祉士は、第16回 問題64となる。
『生活保護法で規定されている基本原理、原則に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 保護は、個人を単位としてその要否及び程度を定めるものとされている。ただし、これによりがたいときは、世帯を単位として定めることができる。
2 生活保護法により保障される最低限度の生活は、肉体的な生存を維持する程度とされている。
3 保護の申請は、要保護者、その扶養義務者のほか、要保護者の同居の親族がすることができる。
4 保護は、都道府県知事の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、その者の金銭又は物品で満たすことのできない不足分を補う程度のものとされている。
5 生活保護法は、最低限度の生活を保障するとともに、社会的包摂を助長することを目的とすると定めている。』
正解の選択肢を選べただろうか。もし、知らない内容が出てきたとしても、問題文を読んで考えてみることが大切。そうすることで、解説をより深く理解することにもつながる。それでは、選択肢ごとのポイントをまとめていく。
・選択肢1:第10条「世帯単位の原則」の内容。保護は世帯を単位として実施される。
・選択肢2:第3条「最低生活の原理」の内容。最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものとなっている。
・選択肢3:第7条「申請保護の原則」の内容。また、要保護者が急迫した状況にあるときは、申請がなくても保護が行える(職権保護)。合わせて理解しておこう。
・選択肢4:第8条「基準及び程度の原則」の内容。生活保護の基準は、厚生労働大臣によって決定される。
・選択肢5:第1条「国家責任の原理」の内容。生活保護法の目的は、最低限度の生活保障と自立助長の2点である。
これより、正解は3となる。「問題を解く→解説を読む」を繰り返し、ポイント事項を整理していくことが大切。
この問題で出題されていない項目も含め、生活保護法の原理・原則のポイントを整理すると、次のようになる。
・生活保護法の原理
国家責任の原理…生活に困窮する国民の最低生活保障を国がその責任において行う。
無差別平等の原理…生活に困窮しているかどうかといった、経済的状態にのみ着目。
最低生活の原理…健康で文化的な最低限度の生活を保障しなければならない。
保護の補足性の原理…他法・他施策を利用した上で、それでも困窮している場合に行われる。
・生活保護法の原則
申請保護の原則…申請保護を前提とするが、要保護者が急迫した状況にあるときは、申請がなくても保護を行えるようになっている(職権保護)。
基準および程度の原則…厚生労働大臣の定める基準により測定した要保護者の需要を基とし、そのうち、その者の金銭または物品で満たすことのできない不足分を補う程度において行う。
必要即応の原則…要保護者の年齢別、性別、健康状態等その個人または世帯の実際の必要の相違を考慮して、有効かつ適切に行う。
世帯単位の原則…保護は、世帯を単位としているが、特別の場合には個人を単位とすることもできる(世帯分離)。
生活保護法の原理・原則は、国家試験でほぼ毎回出題されている、最重要事項の1つ。 ここでのポイント整理と合わせ、生活保護法の条文を読んで、しっかりと復習することが大切。ここで確実に1点取ろう。
posted by GHQ/HOGO at 07:14| 埼玉 ☔|
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