2019年12月15日

生活保護制度の悪用が取りざたされているが‥‥

 生活保護を受けるような貧しい人々に対し、現金を給付するのか、それとも現物給付(サービスそのもの)をするのか、どちらが望ましいのかという話がある。そもそも「現物給付」と「現金給付」は、次のように分別される。
・現金給付:そのまま現金を渡すこと。現金の使い道はもらった人が自由に決めてよい
・現物給付:診療や検査、投薬、入院など「医療サービス」や「食料」など、サービスそのものを渡すこと。
 アメリカで広く採用され、日本でも大阪において社会実験が行われた「フードスタンプ」や「バウチャー」は、金銭に近い存在ながら大まかな範囲で使途を限定しているので、現金給付と現物給付の折衷案と言える。
 感覚的には現物給付(サービスそのもの)のほうが良さそうに感じるし、実際、洋の東西を問わず政治的には現物給付のほうが人気がある。
 同様に政治家は人気稼業だから、人びとの意見に流されやすく、一時は時代の寵児として首相待望論も多く聞かれた橋下徹氏、そして氏が率いた大阪維新の会も、当然のように現物給付を主張していた。
 「ミクロ経済学」というものがある。経済学というと「お金儲けのための学問」というイメージがあるが、実際はそうではなく、現実の資源状況(お金なりなんなり)の下において人々の幸福(効用と呼ばれる)を、どのようにすれば最大にできるのかを数学を用いて考える学問だ。
「限りある資源について、どのように分配すれば皆が幸せになるのかを、数学を用いて出来る限り厳密に考える分野」と言いかえてもいい。だから「限りある財源の中で、現金給付か現物給付のどちらを採用すれば良いのか」など、現実社会を分析する道具として、コレはうってつけのものとなる。
 そしてミクロ経済学のオーソドックスな分析に従えば、「現金給付(現金配布)」が支持される。ここにおいては、現金給付にすることで、人々(例えば生活保護受給者)の幸福は最大限しつつも、国費を抑えることが可能となることが導かれる。すなわちサービスそのものを渡すより、現金をそのまま渡した方が、効果的かつ効率性に優れているのだ。
・ミクロ経済学による分析では、「現物給付(現金配布)」が支持され、現金をそのまま渡した方が、効果的かつ効率性に優ると結論付けられる
 ・ただミクロ経済学の分析ではとらえられない「穴」があるのも確かである
 しかしながら、ミクロ経済学の分析にも穴がないわけではない。物事には効率性以外の側面があるからだ。


posted by GHQ/HOGO at 08:19| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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