2019年12月05日

習近平政権と貧困対策

2015年11月29日付けの中国共産党の機関紙『人民日報』によると、同月27日と28日の両日、習近平総書記は、「脱貧困」に向けた重要会議を開いたということになっている。会議で習総書記は「貧困を解消し、庶民の暮らしを守ることは、社会主義の本質的な要求であり、わが党の重要な使命だ」と演説した。
しかし、これは表面的なことで、発展が遅れぎみな22の省と市の幹部に「脱貧困に取り組む責任書」に署名をさせたのだが、政権の維持だけを狙ったものだ。「責任書」には、脱貧困を最優先の課題とすることや、うわべだけを取り繕って中央の予算支援を無駄にしないことなどを誓わせているが、上辺だけである。
 地方幹部に政策の徹底を書面で署名させるのは異例のことで、外交筋は、「反腐敗」に次ぐ政治的キャンペーンになる」と見たが、そのとおりになっている。貧困や格差の解消は大衆の支持を得やすく、党内で異論を差し挟みにくい点で、反腐敗と共通するものである。
 反腐敗キャンペーンは、習政権の基盤固めにつながったが、「脱貧困」の推進は、ケ小平以来の雄改革開放路線が曲がり角に来ていることをも示している。ケ小平による社会主義の大義に縛られず市場経済を導入するというケ小平によるこの現実的な考え方は、「まず一部の人々を豊かにさせ、その後豊かになった者がほかの人々を引き上げて共同富裕を目指す」という先富論として知られた
 習総書記による「脱貧困」政策は、一部の人々を豊かにさせるという段階から、次の「共同富裕」の段階に入ったという認識であるのだが、あくまでもえにかいたもちにすぎない。「共同富裕」を目指すことが、発展優先の現実路線から、社会主義の理念を優先することに傾くことにつながると考えられるからなのであるが、成功はしないだろう。
posted by GHQ/HOGO at 06:24| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする