厚生労働省の平成28年の「国民生活基礎調査」によると、相対的貧困の状態にある人は全体の15.7%にのぼることが判明。実に日本人の約6人に1人が低所得=下流という実態が浮かび上がった。所得の二極化は低所得者の増加という面が強く、現在「中流」でも、今の社会ではちょっとしたアクシデントをきっかけに、誰もが下流に転落するリスクがある。
生活苦に陥る原因はさまざまである。いくら計画的に生活していても、生きている以上突発的なトラブルや出費はつきもの。今の日本社会では、以下のきっかけがあれば、いとも簡単に下流に転落してしまう。
・リストラ
特に40~50代になってリストラされると、仕事を選んでいる場合ではなく、待遇は落ちても雇ってくれるところで働くのみとなり、収入大幅ダウンも受け入れざるを得ない。
・非正規雇用
20〜40代で生活苦を感じている人は、非正規雇用が圧倒的多数。正社員と同じだけ働いても賃金は低く、ボーナスや社会保障もない。
・病気
近年特に多いのはうつ病による休職。仕事のストレスでうつ病になり、そのまま退職、資産を使い果たしてしまうパターンだ。
・離婚
特に専業主婦やパートで働いていた女性にとっては、離婚が生活苦への入り口となってしまうケースは少なくない。低賃金のパートやアルバイトしか見つからないことも多々あるだろう。
・介護
介護は先が見えない分、費用の目途が立たないのが特徴。十分な蓄えがある人でも、介護をきっかけに貧困層になってしまうことはよくある話だ。
・浪費・ギャンブル
自己破産するほど困っている人でも、浪費やギャンブルがきっかけというのは全体の10%で意外と割合は低い。しかし、依存症も含まれているので、一概に自己責任とまでは言えない。
このように、生活苦の原因はさまざまだが、現在の状況から抜け出すにはどうしたらいいのか。