2019年10月02日

社会保障改革が潜在的な貧困を拡大?

 好景気と社会保障改革によって日本の「貧困問題」は解消されてきたと見られているのだが、生活保護基準の引き下げや給付抑制によって貧困が見えなくなり、またワーキングプアをはじめとする新たな貧困問題が潜在的に拡大しているのだ。2015年に導入された生活困窮者自立支援制度は、新たに住民参加のもとで就労支援や社会参加支援を展開する有意義な制度であるものの、各種事業の多くは自治体の任意事業であり、かつ過剰な「費用対効果」による評価を伴う形で民間事業委託化されている。そのため生活困窮者の必要や声に応えるサービスを展開できていない。そして同制度は生存権にもとづいて「最低生活保障」を行うものではなく、生活保護の給付抑制とセットでこうした生活困窮者自立支援制度を展開していくことにはリスクが伴う。あらためて最低生活保障の意義を確認しなければならないのだ。
 日本の貧困・生活困窮問題が好景気にともなう雇用の拡大や新しい貧困対策の導入によって解決の途にあるとする見方を退け、むしろ貧困が形を変えて多様性をもって広く社会に潜在化するようになった。また、政府の社会保障改革によってむしろ新たな貧困が生み出され、かつ貧困が社会保障の対象から締め出されている現実がある。これらを考えると、政府が進める社会保障改革が貧困の解消という観点から見て望ましくない方向に進んでいるのは明らかだ。
posted by GHQ/HOGO at 06:22| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする