2019年09月26日

不況前後の労働市場の状況

 金融危機に続く不況により、EU全体で600万人分の雇用が失われたのに対して、回復期に創出された雇用は150万人分と遠く及ばず、また多くはテンポラリー雇用の増加による。失業率は9.5%近辺で1年以上横ばいの状態にあり、失業者数は2350万人で、いずれも記録的に高い水準にある。とりわけ、500万人(20%)にのぼる若年失業者が懸念される。雇用回復の状況は加盟国間で大きく異なる(例えば失業率は、オーストリア3.9%からスペインの22.6%まで幅がある)が、今後数年間の成長率予測からは、総体として顕著な回復は期待しにくい。さらに、失業状況の悪化と並行して求人率が上昇していることから、不況を挟んでスキル・ミスマッチが拡大していることが懸念され、積極的労働市場政策を通じてこれを解消し、成長につながる雇用を創出することの重要性が増している。
 また、長期失業者(失業期間が1年以上の者)が失業者全体の4割を占め、さらに増加するとみられている。併せて、所得の著しい減少や貧困や物的な欠乏のリスクに直面する者も増加している。しかし、各国が緊縮財政を求められる現状にあって社会的支出の増加の余地は小さい。
 不況以前から、新たに創出される雇用が低賃金・高賃金の両極に集中する傾向にあったが、不況により製造業や建設業で中程度の賃金水準の仕事が多く失われ、二極化の傾向がさらに強まっている。また全般的に要求される教育・職業資格が高まっており、低賃金の仕事でも読み書き計算や他の基礎的なスキルが不足している者は仕事を得にくい状況にある。さらに、増加が見込まれる高度専門職についても、高等教育資格の保有者に仕事を保障するものではなく、スキル需要に対応した教育が行なわれる必要がある。


posted by GHQ/HOGO at 06:06| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。