2019年09月02日

社会主義経済にも競争はあるのか?

 この問いに対する常識的な答えは「社会主義の国では、悪平等な賃金体系のゆえに、生産者間に競争がなく、労働者は怠慢で、経済が成長しないから」というものである。
 しかし、社会主義経済に競争がないわけではない。市場原理が機能しない霞ヶ関でも、事務次官のポストをめぐる熾烈な出世競争が繰り広げられていることから推測できるように、社会主義経済にも、市場経済とは別種の競争がある。
 実際、多くの社会主義諸国は、中央計画機関が定めたノルマ(生産高、販売高、納入率、原価率などの計画課題)の遂行率に応じて国営企業の労働者に賞与を与えたりするなど、生産性向上のためのインセンティブを与えている。これは、「能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」という共産主義の本来の理念に反しているようにも見えるが、「大躍進」のような実験的共産主義はともかくとして、現実に存在する社会主義諸国の原則は、「能力に応じて働き、労働に応じて受け取る」である。
 「平等でないなら社会主義ではない」と反論する人のために、社会主義経済とは何かを改めて定義したい。
 国家権力が、すべてのまたは主要な生産手段を独占している、あるいは生産者と癒着している政治形態を大きな政府と名付けよう。大きな政府には、世界経済に対してオープンな外需依存型とクローズドな内需依存型がある。
 前者は、今日の発展途上国によく見られ、開発独裁と呼ばれている。後者は、1930年代によく見られた、ファシズムや社会主義である。ファシズムは、領土拡張のための戦争を通して内需を増やそうとし、社会主義は平和的な手法で内需を増やそうとする。もっとも、現実の社会主義諸国には好戦的な国も多かったから、両者の違いはあまり大きくない。
posted by GHQ/HOGO at 06:25| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする