2019年08月12日

家族を一体化させた家庭責任の追求、家族の「落ち度」への集中的攻撃

 個体化させた個人を有責の構造上におくバッシングについてだが、個人の「落ち度」に対する集中的攻撃は、家族にも及ぶことが当たり前となり、家族関係を危機にさらし崩壊に導く事例がつたえられている。
 社会的引きこもりやニートにかんする理解でも、家庭環境や親の養育に責任があるとする回答が各種調査で多数を占める。個人責任というより家族を一体化させた家庭責任を追求する意識がきわだって強いように思われる。
 この傾向が歴史的に亢進させられてきたかどうかは検証を要するが、あたかも家族紐帯を運命共同体であるかように考え扱う社会感情が想像以上に強力になっていることは、おそらく事実と言えよう。
 これは少なくとも家族紐帯だけは社会紐帯の内で壊せぬ絆とみなされていることを意味するのだろうか。
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売買契約に伴うトラブルについて

 ペットショップなどが説明した情報の提供を受けて、ペットを購入することとなった場合、ペット販売業者との間で、売買契約を締結することとなる(なお、法律上、売買契約は、口頭でも成立するが、後々のトラブルを避けるためにも、契約書を作成しておくのが望ましい)。
 このとき、購入したペットが先天性の病気に罹患していたり、障害を有していたなどの何らかのトラブルが発生した場合、買主としては、ペット販売業者に対して、@ペットを返還するとともに、売買代金を返金してもらう、A買主に生じた損害(上記の例でいえば、病気の治療のための治療費や介護費等が考えられる)の損害賠償を請求するなどの対応を取ることが考えられる。
 そして、まず、@ペットを返還するとともに、売買代金の返金を求めるためには、買主としては、契約の効力を否定する旨の主張を展開していくこととなるが、その具体的な根拠としては、錯誤を理由とする無効(民法第95条)、詐欺を理由とする取消(民法第96条)、債務不履行又は瑕疵担保責任に基づく契約解除(民法第541条、第570条)、消費者契約法に基づく取消(4条1項1号)などが考えられる。
 このうち、消費者契約法に基づく取消については、販売業者が、契約締結に際して、重要事項(ペットが病気に罹患しているか、障害を有しているかといった点は、当然、重要事項に当たると思われる)について事実と異なることを告げたことにより、買主が販売業者の説明した事実が真実であると誤認した場合に、売買契約を取り消すことができるというものだが、ペットの売買契約においては、ペットの病歴等についての情報を提供する義務が課されているので(法施行規則第8条の2第2項第16号・第17号)、ペットの購入後に、先天性の病気に罹患していたり、障害を有しているなどの事情が発覚した場合には、消費者契約法に基づく取消しが認められる余地は十分あると思われる。
 他方で、Aペット販売業者に対する損害賠償責任を追及する場合には、債務不履行責任又は瑕疵担保責任を根拠に、買主に生じた損害の賠償を求めていくこととなる(民法第415条、第570条:566条)。
 なお、この点については、従来、問題となったペットの売買契約が特定物売買か不特定物売買かという整理の下で論じられてきたところなので、簡単に付言しておく(もっとも、これらの議論については、今般の債権法改正により整理されるところであり、かつ、専門的な内容となるので、読み飛ばしていただいて問題ない)。
 つまり、従前の民法の解釈においては、売買契約の対象となったペットが特定物であるか(すなわち、買主が、「この豆柴がほしい」というように、特定の個体を購入することを希望していたか)、不特定物であるか(すなわち、買主が、「雄の豆柴がほしい」というように、特定の個体ではなく、ある種類のペットを購入することを希望していたか)によって、ペット販売業者に対する請求の根拠やその内容が異なるという解釈が採られてた。そして、前者の特定物売買の場合には、買主は、瑕疵担保責任に基づいて、契約解除または信頼利益の損害賠償を求めることができるにとどまり、後者の不特定物売買の場合には、買主は、債務不履行を根拠として契約解除又は履行利益の損害賠償を求めることができると解されていた。
 しかしながら、平成29年5月6日に成立し、令和2年(2020年)4月1日から施行される改正民法においては、上述の瑕疵担保責任について、売主が契約の目的に適合しないものを引き渡したときは、買主は、契約不適合責任として、目的物の修補や代替物の引き渡しなどの履行の追完の請求、損害賠償請求、契約解除、代金減額請求ができるという規定に整理され(新民法第562条〜第564条)、売買契約の目的物が特定物か不特定物かにかかわらず、履行の追完の請求等ができることになった。
 また、債務不履行責任についても、売買契約の目的物が特定物か不特定物かにかかわらず、販売業者が債務の本旨に従った履行をしないときには、それによって生じた損害の賠償を請求することができることになった(新民法第415条1項、第564条)。
 したがって、新民法の施行後は、これらの新しい規定に基づいて、ペット販売業者に対する請求を行っていくことになる。
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