2019年03月18日

子供への貧困の連鎖 教育機会の喪失

 相対的貧困にある世帯では、経済的な制約が重くのしかかり、子供も将来にも影を落とす。母子家庭などが子供に習い事を通わせることができなかったり、大学などへの進学をあきらめざるをえなかったりして、子供の教育機会が奪われていく。
 さらに教育に加え、健康にも貧困が悪影響を及ぼす。大阪府歯科保険協会の調査では、府内の公立小中高の歯科検診で虫歯などの治療が必要とされた生徒のうち、6割以上が治療を実施していないことが判明し、歯科医院に通院して治療を試みない背景に家庭の貧困問題が潜在すると結論付けた。10本以上の虫歯があり、口腔崩壊とされる状態の児童や生徒が、46.4%の小学校、35.2%の中学校、53.8%の高校で確認された。また、大阪市が幼児や小中学生の保護者を対象にした貧困実態調査では、1.3%の保護者が経済的な理由で医療機関を受診させられなかったと回答した。
 相対的貧困世帯の子供は、健康推進が阻害され、教育機会も限られることで、貧困世帯以外の子供との格差がどんどん広がり、親の貧困が子供に引き継がれる。この負の連鎖を断ち切るためには公的な支援が欠かせないが、政府の公的扶助は、GDP対比で1.3%にとどまり、福祉国家として名高いデンマーク(4.0%)、スウェーデン(3.6%)に大きく水をあけられている。
 安倍政権が肝いり政策として取り組んでいる働き方改革で、同一労働同一賃金が実現できれば、不安定な非正規雇用で生計を立てる相対的貧困世帯にとっては朗報になる可能性はある。労働者の賃金以外にも、片親世帯が貧困に苦しむ状況を鑑みると、児童扶養手当の拡充などの公的扶助の改革も必要になってくるだろう。
 一億総中流の意識を捨て、6人に1人が貧困という現実を受け入れ、その撲滅に早急に取り組まなければならないほど、事態は深刻化している。
posted by GHQ/HOGO at 03:55| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする