2019年03月07日

生活保護法再改正の「ワナとムチ」  国際社会も警鐘を鳴らす内容に

 昨年6月、生活保護法再改正が参院本会議で可決され、成立した。「アメとムチ」と言うよりも「ワナとムチ」といった法律になってしまった。「大学進学支援」という極めて少量の「アメ」が薄く引き延ばされて表面を覆っているかのように見えるが、24金で薄くコーティングした鉛の球を「24金の球」と呼ぶ人はいないだろう。
 直前の5月には、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)はプレスリリースを発表し、日本政府に対話を申し入れた。プレスリリースは、極度の貧困と人権の特別報告者、対外債務と人権の独立専門家、障害者の権利の特別報告者、高齢者の人権の独立専門家の連名となっており、国際社会に重く受け止められていることがわかる。しかし、日本政府は応答していない。外務省に送られたプレスリリースは、現在のところ完全に無視された格好となっている。
 なお、国連特別報告者は国連そのものではないが、国連の看板を背負って調査などの活動を行う専門家たち、「ほぼ国連」だ。意見の相違もあれば、一時的な勘違いもあるが、最初から正解を持っているわけではない。むろん、何らかの正解を押し付けるために活動しているわけでもない。活動目的を一言でまとめれば、「いつでもどこでも誰にでも、人権が守られているように」ということだ。人権はその個人にとっても重要だが、さらに世界規模の重要性を持っている。
 社会保障、特に公的扶助は、世界の発展と安定に対して非常に重要な役割を担っており、先進国には牽引が期待される。難民問題は戦乱や紛争から生まれる。戦乱や紛争は社会の不安定さから生まれる。
 社会を不安定にする大きな要因の1つは、貧困と格差だ。戦乱や紛争によって命からがら逃げ出すしかなかった人々は、近隣諸国の品性の問題として、待ったなしで救済しなくてはならない。しかし、「なんでウチがやらなきゃいけないんだ」というホンネの不平不満は避けられない
 難民問題を含め根本的な対策は、各国単位でも地域単位でも世界単位でも「近所迷惑」「ご町内の迷惑」の発生を抑えることに尽きる。国連を「国際町内会」と考えれば、納得しやすいだろう。「その町内会はイヤだから、別の地球をつくって移住したい」と望んでも、現在のところは実現不可能だ。
 日本の公的扶助はほぼ生活保護だけである。「それしかない」という状況も問題なのだが、ともあれ生活保護は法律としても保護費としても、「扶ける」「助ける」の2つの「たすける」を組み合わせた「扶助」の名に値する必要がある。今回の国連特別報告者たちによるプレスリリースは、「日本のそのワナとムチ(極薄アメコーティング)、削減される一方の生活保護費は、『公的扶助』なのですか」という問いかけでもある。
posted by GHQ/HOGO at 06:25| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする