2019年01月06日

2012年の「生活保護バッシング」と生活保護法の改正

 2012年にお笑い芸人のお母様が生活保護を利用していたということでバッシングが起こったことを覚えている方も多いのではないだろうか。その後、2013年に生活保護法の改正(63年ぶりの改正)が行われ、「不正受給対策」などと同じく「扶養義務の強化」も大きな改正点となった。
 法改正された内容を要約すると、
 ・「扶養義務者」に対して申請があったことを、厚生労働省令で定める事情がない限りは福祉事務所が通知しなければならない。※厚生労働省令で定める事情とはDVや虐待など
 ・福祉事務所は「扶養義務者」に対して資産や収入の状況について報告を求めることができる。
 ・福祉事務所は「扶養義務者」の資産・収入等について官公署に資料の提供や報告を求めることができる。
 ・福祉事務所は、現在だけでなく過去(当時)の被保護者およびその「扶養義務者」の保護期間中の資産・収入等について、官公署に資料の提供や報告を求めることができる。
 ・官公署は上記の求めがあれば速やかに資料等の提供をおこなう
 というものである。
 見ていただければわかるように、「通知しなければならない」とか、「報告を求める」とか、「資料の提供をおこなう」という文言であって、強制的に徴収をするなどというものではないのだ。
 これは、ある種、当たり前なのだが、生活保護利用者の家族も困窮していることもあるし、家族の世帯の状況(子育て中とか介護をしているとか病気があるとか)も違うので、一律に「あなたの収入はいくらですから○○円毎月送金してください」みたいに決められないのである。
 実際にはケースバイケースで、家族が「可能な範囲」で援助をすることもあれば、それなりの収入があっても住宅ローンや子育て中などの理由を考えて、援助を求めていない場合もある。
 そして、お金の話は人間関係のこじれを生んでしまうこともあるので、各自治体でも家族関係を壊さないように、扶養義務の履行によって人間関係が断絶してしまわないように一定程度の配慮をしたうえで対応しているところもあるが、自治体によっては個別の事情を勘案せずに「扶養調査」をしてしまうことも少なからずあるのだ。
 ただ、残念ながら「家族で支えあう」を至上主義とする人たちからすれば、この改正はぬるいというか、甘いと考えるというのはある。ちょうど、そういった主張をしてきた人たちの部会で今回の「調査」が発表されたというのもあながちつながりがないとは言えない。
posted by GHQ/HOGO at 08:35| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする