2018年11月29日

貧困政策の効果は何で見る?

 政府は国民から税金や社会保険料などを受け取り、さまざまな社会保障給付として国民に還元している。これを「再分配機能」と呼び、貧困に対する政策の効果を読み解くには、「再分配前」と「再分配後」の貧困率の比較が重要である。
「再分配前の貧困率」とは社会保険料や税金を引かれる前の所得で計算した貧困率で、「再分配後の貧困率」とは税金や社会保険料を引かれてあらゆる給付金が支給された後の所得で計算した貧困率である。この差が、政府の「貧困削減」の効果を表す。「再分配後」の貧困率が「再分配前」より減少していればいるほど政府の貧困削減効果が上がっているといえるのである。
 2008年OECDの調査では、日本は先進諸国において再分配後の貧困率が再分配前の12.4%から13.7%と高くなっている唯一の国であった。このように日本の子供の貧困率が高いのは、政府の再分配機能が働いていないからといえる。
 もともと再分配機能は、税金や社会保険料などとして富裕者層から徴収したものを貧困者層にさまざまな形で給付する貧困削減の機能である。でも、この結果からは当初の主旨は見受けられない。なけなしのお金で税金を納めても、自分たちのメリットはほとんどなく、税金や社会保障費を納めた分、収入は減って暮らしが苦しくなっている。
 実際のところ、貧困者が支払う所得税はさほど高くはないものの、かなりの額の社会保険料を支払い、受ける給付が非常に少ないのだ。ユニセフの調査報告では、ようやく再分配後の貧困率がわずかに再分配前を下回ったが、それでも連日財政赤字に関するニースが流れるギリシャ、イタリアに続いて下から3番目というのは、日本国民として複雑な心境である。
 「再分配前」と「再分配後」の貧困率の逆転を修正し、再分配後の貧困率を減少させるにはどうしたらいいのか。給付を増やせば問題は解決するのか。
 2006年OECDの報告では、「貧困が起こってしまってからの制度は対処的なものにしかならず、どんなに効果的な制度・プログラムであっても、子供期の貧困の影響を100%なしにすることはできない」とある。そして、貧困を上流で防止するため現物給付よりも現金給付が効果的と強調している。“現物給付より現金給付”という点には単純には同意しかねるが、「上流で貧困を防止する」という点には共感する。
 お金もモノも大事、でもそれらを活かしながら生きていく力を育んでいくのは教育ではないだろうか。私たちの税金が、未来の社会を担う子供を貧困の連鎖から断ち切れるように、正しく使われることを願っている。
posted by GHQ/HOGO at 06:43| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする