2018年10月17日

世界の貧困と飢餓を拡大させた「緑の革命」の実態

 現在の世界の食糧危機の原因をさかのぼっていくと、必ずと言っていいほど「緑の革命」に行き当たる。
 「緑の革命」とは、“世界の食糧危機を克服する”目的で、1940年代から1960年代に世界で推進された運動。高収量品種(HYV種)の導入や化学肥料の使用などによって、穀物の収穫量増大をはかったもの。
 「何で食糧増産が食糧危機の原因になるの?」と意外に思われるかもしれないが、この近代農業の導入が各地で地域社会を破壊し、自給自足や地域農業を崩壊させ、飢餓人口をかえって増大させた主原因なのである。
 そのプロセスは概略次のようになる。
 @ 「農業改革」そのための「開発援助」と称して世界銀行が途上国に融資を提案する。高収量品種(HYV種)や農薬を生み出したモンサント等の巨大メーカーやカーギルなどの穀物メジャー、そしてそれら巨大資本を動かす金貸し勢力の息のかかった研究機関等の要員が、途上国政府の上層部に融資を持ちかける。この融資は、東西の冷戦構造とも相まって、あらゆる手段をもって途上国は承諾させられた。
 A 高収量品種(HYV種)は、大量の水を必要とする。融資された資金をもって、土地を集約し、ダムや水路・道路などの大規模インフラを整備する。工事を受注するのは専ら多国籍企業(先進国のゼネコンなど)であり、資金は先進国へ還流する。
 B 高収量品種(HYV種)は他にも、多量の化学肥料・農薬、そして一代限りの種子(F1)を大量に必要とする。高収量を上げ続けるには、これらを毎年購入しなくてはならないが、普通の農家には不可能である。逆に、収穫した農産物は先進国に買いたたかれるため、多くの人々が土地を追われ経済的に生きていけなくなった。
 C 多国籍企業は、このようにして土地を追われカネが無くては生きていけなくなった地元の人々を、不当な低賃金で雇って、本国で売れる単一作物を作らせる。作物は、天然ゴム、タバコ、コーヒー、カカオ豆、パーム油、サトウキビ、茶葉、綿花など、趣向品が多く、おおよそ主食にならないものばかり。地元の人々は、輸入された先進国の食糧を、労働で得た賃金で購入するしかない(WTOは、先進国に有利な貿易のルール作りで、途上国の破壊に一役買った)。その結果、自給自足的な地域共同体は破壊され、ささやかに暮らしていた地元の人々は完全に市場に組み込まれる。
 D 多量の化学肥料・農薬を使用する近代農業は、年ごとに収穫が減少し、さらに多くの資材に依存する悪循環をもたらす。運良く経済的に破綻しなくても、農薬による自然破壊や健康被害、大量の水を使用するため塩害などが起こり、農業生産ができなくなる土地が続出する。
 このようにして、途上国の今までわずかでも食糧を生み出していた農地は、農薬汚染や塩害などで砂漠に変わっていった。貧しい国には餓死者が大量に発生した。
 途上国には、農薬、化学肥料、種子、インフラ整備の費用が莫大な借金として重くのしかかった。
 モンサント等の種苗・農薬メーカー、カーギルなどの穀物メジャー、ベクテルなどの開発企業、そしてそれら巨大資本を動かす金貸し勢力だけが、数千万の途上国国民の死体と引き替えに巨利を得た。
 これが「緑の革命」と称して行われた「国連による経済支援」「世銀による開発援助」の実態である。
posted by GHQ/HOGO at 06:25| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする