2018年09月24日

日本の「相対的貧困率」が上昇する理由 年齢と男女別が要因に…

 経済協力開発機構(OECD)の調査で日本の相対的貧困率が上昇していることについて、国会で議論があった。
相対的貧困率とは、国民を所得順に並べ、その中央値の半分に満たない人の割合をいう。この場合の「所得」とは、年間の世帯所得を世帯構成による差を調整して計算した1人当たりの可処分所得である。つまり、相対的貧困率は、国民の所得格差を示す指標の1つといえる。
 「相対的貧困」というのは、所得が中位の半分以下の人の比率であるためで、社会全体の生活水準が上がっても、相対的貧困率は変わらない。
 これに対して「絶対的貧困」とは、国際連合が発展途上国の貧困指標として用いる「1日1ドル未満の所得」や「1日の栄養摂取量が1500キロカロリー未満」などの水準から貧困をとらえるものだ。
 相対的貧困率の推移について1985年から3年ごとに2012年までのデータを見ると、順に12.0、13.2、13.5、13.7、14.6、15.3、14.9、15.7、16.0、16.1と、03年に減少したのを除くと、一貫して上昇してきた。
 これは世界でも同じ傾向で、格差は広がってきているといえる。所得格差は、同一年齢・同一性における所得格差、年齢別所得格差、男女別所得格差によって左右される。日本の場合、年齢別所得格差と男女別所得格差が海外と比べて大きいといわれている。このため、相対的貧困率はOECD諸国の中でも高いほうになっているのだ。同一年齢・同一性における所得格差は、正規雇用か非正規雇用かの差が大きい。ただ、今後は、正規・非正規が均等扱いとなる方向なので、ゆっくりではあるが、徐々に格差はなくなっていくだろう。
 年齢別所得格差はかなり大きい。これはなかなか解消しないだろう。高齢化によって、この年齢別格差はより格差問題の大きなファクターになるだろう。
 男女別所得格差は、女性の社会進出が進むにつれて、なくなっていくはずだ。もっとも、日本は、先進国のなかでは、珍しく女性の労働力率が「M字カーブ」になっている。女性の労働力率は、20代半ばと50代前後という2つのピークを持ち、その間は労働力率が下がっているのだ。
 先進国でもかつては女性のM字カーブは見られたが、今では解消している。日本でも時間がかかるがM字カーブはなくなるだろう。そうなれば男女別所得格差も徐々に縮小するはずだ。
 労働市場に関する構造はなかなか変わりにくい。ただ、良好な経済環境を確保して、失業問題を解決すれば、格差問題もおのずと解決していくものもある。正規と非正規、男女の均等扱いは当然であるので、政策的な関与も必要であろう。
 ただし、万人が納得する完全な格差解消はあり得ない。価値観が大きく入り込む分野なので適切な政治プロセスで解決すべきところだ。


posted by GHQ/HOGO at 07:03| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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