2018年09月04日

貧困層に重くのしかかる家賃負担

「家賃を払うと、生活資金が手元に残らない。いったいどうすればいいのか……」
 東京都内に暮らすAさん(32)は頭を抱えている。Aさんは現在、非正規労働者として働く。月の収入は手取り約16万円。家賃7万円のアパートに妻(30)と子供(3)の3人で暮らしている。妻は子育てに追われ、働く時間が取れない。毎月の収支は赤字で、足りない分は貯金を切り崩しながら生活をしている。ただ貯金の残高は約60万円と決して多くはなく、このままではゼロになるのも時間の問題だ。
 日本の相対的貧困率は16%以上で、いまや6人に1人が貧困状態にあり、誰もが陥る可能性がある。トマ・ピケティの『21世紀の資本』(みすず書房)やアンソニー・B・アトキンソンの『21世紀の不平等』(東洋経済新報社)に代表されるように、世界でも格差や貧困に対する研究が進み、新自由主義から分配重視へトレンドが移っている。
 生活が困窮する大きな原因の1つが、冒頭のエピソードのような「住宅」の問題だ。家賃の支払で追い詰められているケースが非常に多い。データを見ても、生活困窮者にとって家賃の負担は大きな重荷になっている。たとえば、2014年12月にビッグイシュー基金の住宅政策提案・検討委員会が実施した調査「若者の住宅問題」(首都圏と関西圏に住む20〜39歳、未婚、200万円未満の個人を対象)によると、手取月収から住宅費を差し引いた金額であるアフター・ハウジング・インカムがマイナスになる人が27.8%も存在する。プラスのグループにおいても「0〜5万円未満」が17.0%、「5万〜10万円」が32.9%と、低水準の人たちが多い。
 若者に関していえば、親と同居する理由で約半数を占めるのは、「家賃が負担できないから」であった。低所得であればあるほど、親と同居している。そして所得が低く、親と同居しているほど結婚の予定がないと回答しており、少子化につながっている可能性もある。
 生活困窮者にとって住む家があるというのは、大きなよりどころとなっている。家を失ったり、家賃を支払えなくなったりすると、精神的に追い詰められてうつになる場合が多い。生活困窮者の住宅対策は非常に重要だ。ところが、現状の制度はあまりに手薄と言わざるをえない。生活保護を受ける場合に家賃として支給される住宅扶助や、昨年4月にスタートした生活困窮者自立支援法に定められた離職によって家を失う可能性がある場合の住宅確保給付金(有期)くらい。貧困に転落した人に対する救貧制度のみで、貧困転落を回避する防貧制度はないのが実情である。
 収入に占める住居費を1〜2割に抑えられると生活に少し余裕が生まれ、より多くのおカネを教育費や老後資金に回すことができる。ではどうすればいいのか。


posted by GHQ/HOGO at 06:27| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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