2018年08月31日

なぜ生活保護基準の引き下げは問題なのか?

 生活保護基準とは、生きていく上での最低限必要な生活費の水準を指す。生活保護費のうち、食費や衣服費など日々の生活に必要な生活費を「生活扶助」といい、5年ごとに見直しがされている。2017年、その生活扶助の見直しが行われ、最大5%の引き下げが決まった。
 生活保護世帯は、2017年10月時点で約164万世帯、延べ人数で約212万人になった。生活保護基準の引き下げは、この212万人だけの小さな問題だと思われがちだが、実は、生活保護を受けていなくても、所得が少なくなった場合に利用できる制度はたくさんあり、その多くの受給要件が生活保護基準をもとに決められている。
 自治体によって異なるのだが、例えば、小学校や中学校への就学援助を受けられる世帯は、所得水準が生活保護基準の1.3倍以下などと決められている。つまり、生活保護基準が引き下げられれば、就学援助が受けられる所得水準も引き下げられ、これまで受けていた就学援助を受けられなくなる世帯が出てくるのだ。
 また、住民税の非課税基準も同様に下がるため、今まで課税されなかった人が課税されることにもなる。加えて、保育料や医療費、介護保険料などの非課税世帯に対する優遇措置も対象から外れるので、さらに負担は増えることになる。
 生活保護基準の見直しで影響が出るとされる制度は国だけで30以上あり、各自治体の独自制度を含めると数はさらに増える。
 このように、生活保護基準の見直しは、生活保護世帯に対する影響はもちろんだが、関連制度利用者への影響の大きさに注意すべきなのだ。これによって生活に影響が出る人は、生活保護受給者を含めて、約3000万人にも及ぶと言われている。生活保護基準を下げることは、支援の対象者を減らすことであり、生活が苦しくても法的には困窮者とは認められなくなることを意味する。
 17年の改正によって、額面で160億円ほどの財源が浮くと試算されているが、関連する制度の引き下げ分も加えると、さらにその10〜20倍になるのではないかと言われている。まさに、政府の狙いは、対象者の少ない生活保護基準を引き下げることで関連制度の基準も引き下げ、社会保障費全体を削ることなのである。
posted by GHQ/HOGO at 07:05| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

貧困層拡大の原因

 日本において貧困層が拡大している。大学生の半分近くが卒業時に奨学金の返済という借金を背負っている。多くの年金受給者も生活不安を抱えている。労働者の40%にも達している非正規労働者は低賃金で将来に大きな不安を抱えている。
 貧困層が拡大してきた原因はどこにあるのか。多くの政治家や学者は経済成長が止まったことが原因だという。しかし本当だろうか。逆ではないのか。つまり貧困層が拡大するような政策がとられたことによって経済成長が止まったのではないか。
 今日のアベノミクスという「異次元の景気対策」がとられているが、景気回復に最も重要な個人消費は伸びるどころか減少している。つまりお金があれば個人消費を拡大する貧困層にはお金は回っておらず、株価の上昇などで資産を多く持っている富裕層にお金が回り、富裕層は今以上消費するものはないので個人消費は伸びず、さらなる資産形成にお金を回すという悪循環が今の日本に起きている。
 最近の政治運動の特徴は富裕層と貧困層対立ではなく、中流層や貧困層内部での対立をあおることで人気を得るところにある。典型的なのがおおさか維新の元代表橋下氏であり、アメリカではトランプ氏だ。橋下氏は自治体職員の待遇が民間企業に比べて良いことや、生活保護水準が一部の低所得者より良いことなどを取り上げ、その間の対立をあおってきた。
 このため、富裕層の税負担を高くして、貧困層の負担を低くする政策は進んでいない。給付型奨学金の充実や保育士・介護士の待遇改善など、貧困層の拡大を防ぐ政策に力を入れる必要があるのではないか。
posted by GHQ/HOGO at 07:04| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする