2018年05月13日

不正受給対策に消極的な厚労省

 大阪市は、メディアにも公開して問題提起した理由を次のように述べている。
 @ 入国管理法では『生活上国又は地方公共団体の負担となるおそれのある者』は入国を拒否することになっているにも関わらず、今回のケースでは日本に入国してすぐ生活保護を申請している。このことから、法の趣旨を大きく逸脱した、在留資格の審査がなされている可能性がある。
 A 厚生労働省の通達(「通知」の間違いか)では、形式的に在留資格を得ているだけで、生活保護制度を準用することになっている。
 B 結果的に、本市に何の裁量権もなく、生活保護法を適用しなければならないというのでは、市民の理解は得られにくく、また、4分の1の財政負担を余儀なくされる大阪市としても納得できるものではない。
 C 人道上の観点から、中国残留邦人の子孫の方たちの処遇をどう考えるのかという問題は国の責任において、別の制度、施策を設けて対応すべきものであり、生活保護の準用の是非という観点だけで本市に判断を委ねるのは大きな問題である。
 もっともな問題提起である。地方自治体レベルではいかんともしがたい事態だからだ。なお、前掲の大阪市への厚生労働省の回答は生活保護の受給を目的とした入国であることが明らかである場合には生活保護法は準用しない旨を記したものだが、「これは今回の大阪市の個別の事案の照会に対する回答であり、一般に適用されるものではないという見解である」(大阪市「国に対する要請の趣旨(大阪市における中国国籍の方の生活保護集団申請を受けて)」、8月4日)という。これから起こるであろう、いや既に起きているであろう外国人による生活保護費の不正受給について厚生労働省は有効な手を打つ意思がないということだ。
 そのため大阪市は、「同種の事態は全国において生じることが想定される」(同上)ことから国に対して要請を行っている。具体的には厚生労働省に対して「中国残留邦人の2世、3世に対する支援のあり方」「今回の事案に対する人道的観点からの配慮」「生活保護の準用に関する全国的な取り扱い」、法務省に対して「定住を認める中国残留邦人の2世、3世に対する支援のあり方に関する方針の策定」「入国管理法の趣旨を踏まえた厳格な運用の徹底」、総務省に対して「中国残留邦人の子孫に対する支援などの施策に関して、地方自治体に負担を強いることのないよう、適切な対応を関係省庁に要請する」といったものである。生活保護行政の実際を担う地方自治体として国の無作為に対して異議申し立てをした格好である。
 この不正受給に対しては在日中国人に向けた新聞(華字紙)も強い関心を示し、特集を組むところもあった。中には生活保護申請の詳細を紹介するなど「生活保護のススメ」のような内容のものもあった。この点について中国出身の評論家、石平氏は「中国国内では生活に困窮している人は何億人もいる。華字紙の特集には、中国人永住者や帰化した人らに対し『中国からどんどん家族や配偶者らを呼び寄せ、すきを突いて生活保護をもらえ』というメッセージや発想が感じられる」と述べている。
 まさにこのケースでは「すきを突いて」生活保護を受給しようとしたものであり、政府はこの事態に対して具体的な対策を講じる必要がある。現状では私たちが経済の厳しい状況下でも納めた文字通りの゛血税″が不正に外国人や一部のブローカーに流失する回路を残していることになる。
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法の抜け道と役所の形式主義が招いた事態

 2010年、大阪市に住む70代の姉妹2人の親族の中国人48人がに日本に入国した直後、そのうち46人が市に生活保護の受給を申請し、32人が既に受給していることが新聞記事になった。姉妹は中国残留孤児と見られ、2008年、中国・福建省から来日後、日本国籍を取得した。この姉妹の介護名目で同省から親族を呼び寄せ、大阪入国管理局が審査した結果、1年以上の定住資格を得たという。入国審査の際、48人は扶養する第三者の身元引受人を用意して在留資格を得たが、外国人登録後、46人が市内5区に「身元引受人に扶養してもらえない」として生活保護を申請。いずれも日本語は話せず、申請窓口には同じ不動産業者が付き添っていたという。生活保護を食い物にするブローカーの存在が窺えるというわけだ。
「出入国管理及び難民認定法」には「生活上国又は地方公共団体に生活上の負担となるおそれのある者」は「本邦に上陸することができない」(第5条第1項第3号)とされている。大阪市はこの中国人らのケースに生活保護法を準用することは同法の趣旨に反するとともに、本来、原則として外国人には適用されない生活保護法の趣旨にもそぐわないのではないかと懸念を示し、厚生労働省に対して生活保護法の準用の是非について照会を行い、一方で大阪入国管理局に対して在留資格の調査を申し入れた。同時にマスメディアに公開し、問題提起を行った。
 生活保護法はその目的を「日本国憲法第25条に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長すること」(第1条)とする。あくまで対象は「国民」すなわち日本国籍保持者である。しかし、昭和29年5月8日付の各都道府県知事あての厚生省社会局長通知「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」には、「生活保護法(以下単に『法』という。)第1条により、外国人は法の適用対象とならないのであるが、当分の間、生活に困窮する外国人に対しては一般国民に対する生活保護の決定実施の取扱に準じて左の手続により必要と認める保護を行うこと」と記されている。そこから生活保護法は外国人にも「当分の間」、準用されることになっているのだ。
 この通知は「現在も有効」(「参議院議員加賀谷健君提出外国人の生活保護に関する質問に対する答弁書」で、、厚生労働省は大阪市に対しての回答で「生活保護制度における外国籍を有する方の取扱いについては、『生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について(昭和29年5月8日社発第382号厚生省社会局長通知。以下「通知」という。)』において示すとおりであり、照会にある外国籍を有する方が通知において示す外国籍の方に該当する場合は、通知のとおり取り扱われるべきであり、保護の実施に要した経費については、同法の規定に準じ、国に対してその4分の3を請求することができる」と述べたのである。
 以上のケースは、在日中国人が第一段階として経済難民の入国を拒否する入管法を、第二段階として外国人にも準用される生活保護法を、それぞれ法の抜け道をすり抜け、他方、形式主義のお役所仕事がそれを許して受給に至ったものである。
 実際、入管の担当者は「身元引受人がきちんと扶養しているかどうかを継続的にチェックする制度はない。悪質な虚偽申請と見抜き、許可を取り消すのは現実的には難しい」と話し、大阪市も「生活保護の受給を前提に入国した可能性があり、極めて不自然」としながらも「入国を許可され、受給申請も形式的に要件が整っている以上、現段階では法的に支払いを保留することもできない」と述べたのだ。私たちの納めた血税が法の抜け道をすり抜けて彼らに流れた格好になるのだ。その後、2018年現在においても制度がそのまま維持されているのである。
posted by GHQ/HOGO at 06:50| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする