「子供の貧困」対策が進み、親に達したとしても、それは子育て世代への支援にしかつながらない。高齢者や単身者など、子育てに直接関わらない「大人の貧困」を牽引することにはつながらないだろう。
最悪の場合、つながらないどころか、高齢者VS子育て世代という偽の世代間対立の構図が作られてしまう危険性もある。だから、「子供の貧困」から迂回していくのと同時に、「大人の貧困」を正面から語っていく言説や社会運動が必要だと思う。自己責任論の厚い壁にぶち当たろうとも、その壁に「蟻の一穴」を開けていくような言葉と行動を積み重ねていく。