2018年03月11日

生活保護世帯の子供たちに対する国を挙げてのネグレクトでは?

 2018年から実施される生活保護引き下げのうち、子供のいる世帯に対するものが大きな引き下げ幅となっている(生活保護で子供のいる世帯は、高齢者世帯・母子世帯・傷病者世帯・障害者世帯・その他の世帯のいずれにも存在する)。
 社会保障論を研究する桜井啓太さん(名古屋市立大学講師)は、次年度からの生活保護費削減について、深い懸念を抱いている。子供がいる生活保護世帯に対する保護費、言い換えれば生活保護世帯の子供たちに対する費用は、大きく削減される可能性が高いからだ。
 削減内容は、まず、子供がいて両親の片方または両方がいない世帯に対する「母子加算」(年間約20億円減)。子供の養育に対する「児童養育加算」は、これまで対象となっていなかった高校生が対象となる一方で、3歳未満の子供に対して減額される。この他、学習支援費の現金給付廃止もある。
 保護世帯の子供たちの大学などへの進学支援に関する費用は新設されるが、「大学等に在学している間の生活を支えるものがない」という最大の問題が考慮されるわけではない。このため、増加額は7億円にとどまることになる。
 全体での保護費引き下げ幅は、厚労省によって「約160億円」と発表されている。引き下げは3年にわたって段階的に行われる予定だが、引き下げ幅のうち相当比率が、子供たちに関係するものになりそうだ。「選挙権も発言力もないのをいいことに、生活保護世帯の子供たちから。むしり取る」というような、「差し障り」がありすぎる表現しか思い浮かばない。
 そこに、生活費分(生活扶助)本体の引き下げ(最大5%減)が重なる。現在でも相対的貧困状態にある生活保護世帯の子供たちは、政権の意図がどのようなものであれ、さらに深刻な貧困状態に陥ることになる。言い換えれば、政府の「子供の貧困対策」は、生活保護世帯の子供たちを対象としていないということだ。
 もともと生活保護ケースワーカーだった桜井啓太さんは「どこが、子供の貧困対策なのでしょうか」と憤る。政権が総力を挙げて、生活保護世帯の子供たちをネグレクトしようとしているのではないだろうか。往年のドラマ『家なき子』ではないが、同情するならカネを出すしかない。国が「カネを出すのをやめる」ということは、見捨てることそのものだ。
posted by GHQ/HOGO at 09:14| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする