1 生活保護の申請が親族にばれる
2 借金ができなくなる
3 貯金ができなくなる
4 車が持てなくなる
それでは、これらのデメリットがいかに大したデメリットではないものかを順に説明していこう。
@ 生活保護の申請が親族にばれる事は回避できる
生活保護を申請される人にとって最も悩ましいデメリットが、生活保護の申請が親族にばれるのではないかということ。生活保護の申請を行うと、役所から親族へ「扶養照会」という通知書が行くことになる。通知の内容は、「○○さんが現在保護の申請をしているので、経済的、精神的援助を行ってもらえないか」との内容となる。
これにより、確かに親族に生活保護の申請がばれることになる。しかし、実はこの扶養照会なのだが、絶対に親族に送らなければならないものではない。親族による扶養ができるかどうかは保護の要件ではないからだ。つまり、何らかの理由があれば、通知を送らないようにすることができる。
何らかの理由とは、例えば、
@ 上京等により、出身地を離れてから、10年以上音信不通で、明らかに扶養が期待できない場合
A 生活の困窮に至る過程で疎遠になり、過去1年以上の間、音信も含めてまったく交流関係が途絶えている場合
の2点が考えられる。
絶対に親族に保護の申請がばれたくない場合は、上記の2つのどちらかを理由として通知は送らないようにしてもらおう。
A 借金ができなくなることはデメリットではない
世間ではよく、生活保護を受けると借金ができなくなるという噂が流れている。しかし、このような噂は間違いだ。生活保護でも借金をすることはできる。借金ができるといっても、しない方が得策だ。なぜなら、生活保護を受けるようになれば、あなたの生活は保障されるからである。医療や介護も無料で受けられるし、転居費用や住宅更新料だって支給される。生活保護での生活が始まれば、借金をしなくてはならない状況に立つことはほとんどない。あなたがギャンブル狂や、買い物依存症でない限り、借金なんてする必要がないのだ。
ローンについてはどうなるのかと思われる方もいるかと思う。例えば、急に冷蔵庫等の大型家電が壊れたという場合。そのような場合は生活必需品の購入ということでローンが認められるので安心だ。
ということで借金ができないことはデマであり、デメリットではない。
B 貯金をしてはいけないなんてまったくのデタラメ
生活保護を受けるデメリットで、良く世間で噂されていることが貯金ができないということである。しかし、生活保護の規定で貯金をしてはいけないという規定はない。東京都の指針を出す生活保護運用事例集には、自身の最低生活費の6ヵ月分までは貯金をしても良いことを明確に示している。東京都で1人暮らしをする人の場合、最低生活費はおよそ13万円ほど。その人が貯金をしても良い上限額は、13万×6カ月=78万円ということになる。東京で暮らす4人世帯の場合の基準は、世帯構成にもよりますがおよそ24万円。その世帯が貯金をしても良い上限額は、24万円×6カ月=144万円である。生活保護で貯金をしてはいけないということがいかにデタラメであるかがわかったことかと思う。
C 車は条件を満たせば持てます
生活保護を受けると、車を持ってはいけないという固定観念を持たれている方が多いようだ。しかし、ある一定の条件を満たせば車を持つことは可能なのだ。
その条件とは、
1 山間僻地に住んでいて公共交通機関が全く整備されていない場合
2 事業用として車を利用しなければ、その事業が廃業となる場合
3 身体障害等により、車がなければ日常生活に支障が出る場合
の3つだ。これ以外では車を持つことができない。しかし、今や公共交通機関が著しく発達し、バスや電車の交通が張り巡らされている。そのため日常的な生活が著しく制限されることは少ない。また、今や宅配サービスが行きとどいている時代だ。スーパーまで車でしか行けないという方は、食材の宅配サービスを上手く利用されている方が多いようだ。また、任意保険に加入すれば250CC未満のバイクの所持が認められる場合がある。だから、車が持てないなどということは、それがない生活に慣れてしまえば大したデメリットではないのだ。