2018年01月17日

もともと厳しすぎる 地方の生活保護の暮らし

 都市部と逆に地方では、今回の生活保護基準見直しで、保護費が引き上げられる可能性もある。まずは、地方で暮らす受給者の現在の暮らしぶりに耳を傾けよう。
 「40代のときに肉体労働の出稼ぎでヘルニアを患い、50歳のときに背中を痛めてしまいました。腰と背中をやられて働けなくなったので、生活保護で暮らし始めました。食費を切り詰めるために、近所のスーパーをハシゴすることもありますが、車がないので行けるスーパーが少ないです。冬の暖房は灯油ストーブです。灯油は昨年より1リットルあたり20円以上高くなりました。でも寒さが厳しいので、ストーブを使わないわけにはいきません」(北海道・男性・50代・単身)
 「腰を痛めて仕事ができなくなりました。妻はうつ状態で、小学校高学年の子供がいます。生活はギリギリで、子どもの鉛筆を買うのも大変です。中学生になったら、費用がさらにかかるので、心配です。子供は育ちざかり、食べざかりなので、私たち夫妻が食べるのをガマンしています。働きたくても働けないので、今は生活保護しかないのですが、自分たちはガマンできても子供がかわいそうです」(福岡県・男性・年齢不明・妻子と3人暮らし)
 生活保護世帯の世帯主の最終学歴に関する調査結果は少ないが、「働ける」とされる年齢層の場合、少なくとも40%は高校中退、または中卒と見てよいだろう。そもそも、有利な就職や安定した就労継続が難しい。その就労からも押し出されると、生活保護しかなくなる構造がある。
 生活保護で暮らす人々の過去は、叩けばおおむね埃が出る。非難しようと思えば、「ツッコミどころ」だらけであることが多い。しかし話を聞くと、生まれ育った環境の問題、不十分な教育、安定した職業生活からほど遠い就労などの不利が重なっていたところに、病気、負傷、失職、被災など「自己責任」とは言いにくいトラブルが重なり、最終的に生活保護以外の選択肢を失う成り行きとなっていることが多い。時間をかけて「アリ地獄」に落ちているかのように見えることもある。
 もちろん、幸福な家庭に育ち、充分な教育を受け、安定した職業に就いていた人もいる。しかしそうであったとしても、足もとの「薄氷」が穴だらけか一枚板か、消えそうなのか割れそうなのか程度の違いしかない。
posted by GHQ/HOGO at 06:44| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

食糧以外の出費はできない、 人工呼吸器の息子に光熱費が必要

 生活保護行政で何かと注目される大阪府からも、悲痛な声が上がる。
 「2013年の引き下げ以降は、古い電機製品をだましだまし使っています。食費以外の買い物は、ほとんどしていません。また引き下げられたら、食費をさらに削るしかありません」(大阪府・男性・70代・単身)
 生活保護で暮らすお宅にうかがうと、「ナショナル」の冷蔵庫をしばしば目にする。「パナソニック」ではなく「ナショナル」ブランドの家電製品が生産されていたのは、2008年までだ。
   もう1人、自身は健康だが家族のケアをしている女性の声を紹介する。
 「息子が交通事故に遭い、人工呼吸器を使用するようになりました。私が24時間介護をしています。夫はいましたが離婚しました。息子は体温調節が自分でできないので、どうしても光熱費が多額になってしまいます」(大阪府・女性・50代・息子と2人暮らし)
 障害児が生まれることや、子供が病気や障害を抱えることは、しばしば両親の離婚の原因になり得る。子供と暮らすことを選択した親は、生活保護を利用するとしても、生活とケアのすべてを担うことになる。もしも今年、引き下げが実行されてしまったら、この女性は、息子さんの呼吸と体温と引き換えに何を「節約」することになるのだろうか。
posted by GHQ/HOGO at 06:43| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする